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【1万PV感謝】双極の花紋〜転生しても、君を必ず護ってみせるから〜  作者: 赤嶺 利空
第五章 「学園編」

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第一話 「その一歩を、共に」

本日より新章開始です!

第五章は、挫折や困難から立ち上がっていく心がテーマとなってます。読者の皆様もシグルドを応援して頂けると幸いです。

 秋になり、一月半もの前倒しで寮生となっていたシグルドたちは、ようやく入学を迎える。


 その間、強力な魔法適性があると伝えられていたティナの魔法の勉強に力を注いだ2人。


 魔力検査の結果、もちろんティナの魔法は風属性だ。


「しかし、さすがだな! あれだけ強力な神聖力を扱っていただけあって、ティナの魔法習得はかなり早いよ!」


「ありがとう! 緑の国って、風魔法を日常で扱う人が多いから、詠唱とか魔法名は勝手に覚えてたんだよね。でも、これでシグと同じクラスになれそうだよ!」


「ん? 最初のクラス分けは、魔法の修練度じゃなく、マナ量によって分けられるみたいだから、たぶん普通に同じクラスだよ。ティナはマナ量が多いってウルも言ってたしな。実際多かったんだろ?」


 基本的に魔力検査は、身内以外同席は不可である為、シグルドの同席は許されなかったが、扉から漏れ出た緑の光の凄まじさや騒ぎ立てる教職員の反応で、シグルドは確信をもっていた。


 属性婚が主流のこの世界では、属性色、同属性の順に重要視されている。


 そして、次に重要視されるのが、マナ量である。


 特に貴族の学舎である学園を、最上位クラスである『冠位(かんい)』で卒業することはかなりのステータスになり、ブランド力が非常に高い。


 逆に最下位である、『隷位(れいい)』は品格や人間性までもを疑われるほど蔑まれる。


「入学後の最初のクラスは上位、中位、下位の3クラスだけど、その後は成績に応じて5クラスに分け直されて、どんどん変わっていくんだよね? シグはきっとすぐ冠位になると思うけど、基準が分からないから、あまり期待もしてられないかな」


 基準か、確かに今まで関わる人たちがみんな凄かったからな。


 学生の普通ってどれくらいなんだろうか。絶対大丈夫だと思うけどな。


 しかし、最上位、上位、中位、下位、最下位の名で分けられたクラス分けも、ダイレクト過ぎてどうかと思うが、更に最上位を冠位、最下位を隷位っていう通称での呼ばれ方は、差別意識の高い貴族院ならではだな……


 誰が考えたんだ……本当に軽蔑する。


 極端にマナ量の少ないリンリンが、貴族院に通っていたらと思うと、ゾッとする。


 まぁ……リンリンの時代でも、蔑まれていた可能性は、やっぱり否めないが。



 ——帝都陥落の影響で、今期の新入生のほとんどが、距離の問題もあり寮生活をおくる事が判明し、安全面も考慮した上で、通いでの通学が廃止され、全寮制となった。


 さすがに、全生徒となると人数の問題が起きると懸念されたが、自宅から通学していた生徒のほとんどは、帝都からの通学者だった為、帝都陥落時に行方不明になっている事が改めて浮き彫りになり、尚更安全性の考慮の為に、全寮制が強く提示された形だ。


 そこで、入学一週間前までに、新入生は入寮する事になり、一律で魔力検査も終了した。


 ——入学式当日、各国から仰々しい馬車が続々と到着する。それぞれが、家格の分かるエンブレムの付いた馬車。


 我が子の晴れの日を楽しみに、親族たちがこぞって参列する。


 隣にいるティナの手を握り、ゴクリ、と生唾を飲み込むシグルド。


「……ティナ、落ち着いて……いこう」


「……うん」


 翼のタトゥーが互いの父親に刻まれている事が判明して以来の対面——


 嫌でも緊張感が強まる。


「それより、シグは代表のスピーチが多いんだから、私はそっちも心配だな」


 10歳のお披露目会で、皆一度は顔を合わせている。


 つまり、前回同様に、各国の代表者は自国の色を身に纏い正装し、代表スピーチをしなければならない。


「確かにな。魔力検査でマナ量が一番多かったやつが主席で、更にはスピーチもしなきゃならないなんて面倒だよ」


「でも、さすがシグって感じだよね」


 ふふ、と笑いながらシグルドの胸元のクラバットを正してくれるティナ。


 帝都陥落後、あれだけ泣いていたティナが、今どういう心境なのかは、俺が一番知ってる。


 それなのに、明るく振る舞ってくれるこの強さに、俺も甘えずにちゃんと支えていかないとな。


「……ほんと、ティナには頭が上がらないよ」


 そう呟き、優しく微笑むシグルドに、ティナが満面の笑みを返し、手を差し出した。


「さぁ、エスコートをよろしくお願い致しますわ。シグルド様」


「謹んでお受け致します。レディ」

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この物語は日・水・金の19時に更新します。

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