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【1万PV感謝】双極の花紋〜転生しても、君を必ず護ってみせるから〜  作者: 赤嶺 利空
間章

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「交錯する思惑」

《トアーラ視点》


「宝具の選定試験があるとは、本当ですのッ!?」


 見事な縦ロールを揺らしながら前のめりでいきり立つのは大公女トアーラ。


 彼女は現大公の祖母の長子である公爵の末娘。つまり、シグルドの従兄弟に当たる。


 現大公の孫までを、アトリビュートという属性の継承者として同列に扱う決まりのため、侯爵令息であるシグルドとも家格は違えど同格に当たる。


 でも、何故かしら……アトリビュートの中からしか後継は選定されないはず……。


 やはり、シグルド様に後継をとお考えなのね。


 もうすぐ、シグルド様もこの学園へと入学されるわ。きっとお祖母様はシグルド様に合わせて宝具の選定試験を設けるおつもりなのね。


「あと、大変お伝えし難いのですが……」


 言い淀む侍女頭に、トアーラは、キッ、と怒りを露わに睨みつける。


「ワタクシの前では、堂々と胸を張り、ハキハキなさいといつも言っているでしょうッ!? どんな内容であっても、それをどう受け止めるかはワタクシの問題であって、貴女の問題ではなくってよッ!!」



 絵に描いたような方正厳格(ほうせいげんかく)で、自分にも他人にも厳しい彼女は、妥協を許さない。


 悪役令嬢——


 そんな不名誉な呼び名を付けられている事も知っている。


 ——だが


 同時に類稀なる努力を知っているのだ。必ず父である公爵閣下の悲願を叶えるのだと。


 侍女頭は、そんなトアーラの努力を見て来たからこそ、言い淀んでしまう。


「……シグルド様が、婚約者である緑の聖女ティナ様と学園に入学されます」


「……婚約、者……?」


 現在——


 半年前に、当主同士で内々に決まったシグルドとティナの婚約は、婚約披露もされておらず知る者は少ない。


「……なぜ、次期大公有力候補のシグルド様に、橙の属性色のない……緑の聖女が……?」


 この世界は、髪や瞳に属性が色濃く現れる。


 つまり、橙の国の次期大公の最有力候補は、薄橙色の髪に、琥珀色の瞳を持ち、マナ量の多い、シグルドなのだ。


 シグルドは知りもしないがそれは、橙の国内外での公然の事実だった。


 そして——


 それは当然、属性色のある伴侶を選ばなければならない。


「認めませんわよ! シグルド様の伴侶となるのは、ワタクシなのだからッ!!!」


——————



《ヌゥジルド視点》


「なんだと? ジュメイリッヒ公め……ティナの婚約だと? よくも隠してやがったな」


 ここにも1人、シグルドとティナの婚約に異を唱える者がいた。


 現緑の大公を父に持つ公太子ヌゥジルド。


 ——しかし


 緑の前大公バルディーニが10年前の戦いで行方不明になった為、大公位を継いだのが現大公である。


 その為、ヌゥジルドの従兄弟のティナは、現状まだアトリビュートに当たる。


 ——だが


 深緑の様な暗い緑髪を持ち、風属性を高度に扱うヌゥジルドは、次期大公である公太子の座を勝ち取っている。


 ——しかし


 そんな彼にも、欠けているものがある。


「ティナ……あの瞳は俺のものだ」


 唯一のコンプレックスである、焦茶色の瞳は、エメラルドの様に煌めくティナの翡翠色の瞳へと執着するのだった。

お読みいただきありがとうございます!

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評価★も励みになります!続きもぜひ読んでくださいね。

この物語は通常、日・水・金の19時台に更新します。

次回より、第五章の始まりです!

第五章は、学園編らしく恋敵や挫折、そこからの成長がテーマとなってます!考察も多い章です!

次回もお読み頂けると嬉しいです!

よろしくお願いします。

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