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『朱里ちゃんの微笑み』短編小説集   作者: 健野屋文乃
11 きわみの章

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今のうちに、たこ焼が食べたい!

イカ星人の上司は、10本も足?もしくは手?があるだけに、仕事が早い。


同時進行で、10個の作業をこなすことが出来る。

ゆえに、8本足のタコ星人を出し抜き、イカ星人が銀河連邦の覇道を、握ることが出来たと言っても過言ではない。2本の差は大きかった。


そんな時代、イカ星人の上司は、わたしに尋ねた。

「ところで地球には、たこ焼きなる食べ物があるそうだが、君は食べたことがあるか?」


この答えの正解は何だろう?

わたしは考えた。


タコ星人と言っても、所謂タコではない。

タコから進化したと言うだけの話だ。


人間が鼠から進化してのと変わらない。

言わば哺乳類全般を意味する。


そしてこの問いを投げかけてきたのは、イカ星人の上司。

タコ星人とイカ星人は、ライバル関係。


ここでイカ星人にすり寄るのも悪くはないが、しかし、わたしの中でその危険性を知らせる生存本能が働いた。


「いや知らないですね。そんな食べ物。きっと原始時代の食べ物だと思います」

「おお、そうだったか。それは良かった。君に栄転の知らせだ。」

と新しい上司のタコ星人を紹介された。



セーフ。

ふ~嫌な汗が流れた。


地球人が、銀河連邦に加盟し、異星人との交友が普通になったのは、10年前の事だ。

当然、地球文明は激変した。


日本で言うと、明治維新を遥かに超える激変だった。




おしまい

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