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『朱里ちゃんの微笑み』短編小説集   作者: 健野屋文乃
14 かなうの章

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中学の時、誰が誰を好きだったか解る図【結】お楽しみ会



みんなカードは持って来たらしい。



それをアキナイくんは回収して回った。




そして、



「少々お待ちください♪」



と言って控室に戻って行った。





「モモカ、苺大福あるよ!」



メグミは楽しそうだが、わたしはそれどころじゃない。




落ち着けモモカ。



そう中学時代の恋なんて時効だ。



七年も前の話だし。




わたしはモモセくんの姿を追った。



隅の方で、仲の良かった男子と話している。




ここに来てるって事は、書いてるって事!




そして、めっちゃ男前になってる!




それなのに!



もうすぐ色々晒される!



わたしがモモセくんの事を、大好きだった事。



そしてモモセくんが、大好きだった人の事。



どうしよう。




「まだ開けないでくださいね」



アキナイくんが、封書を配り始めてる。



アレに『中学の時、誰が誰を好きだったか解る図』が入ってるらしい。




アキナイくんが手渡してくれたが、逃げたい。ここから逃げたい。



なんで同窓会如きに、こんなドキドキさせられるの?




「それじゃあ、一斉に開けてください♪」




アキナイくんの一言に、みんなが一斉に開け始めた。



わたしは、モモセくんを一目見た後、封書を開け、



『中学の時、誰が誰を好きだったか解る図』を取りだした。




会場で



「えーわたしの事好きだったの!」



「言ってくれたら!」



「お前、マジ!」



と声が上がった。




わたしは『中学の時、誰が誰を好きだったか解る図』のわたしの名前とモモセくんの名前を探った。




モモカの名前があって、どこかと線が繋がってる。



「あっモモセくんと繋がってる」



わたしの心が温かくなった。中学の時の熱狂とは違う種類の温かさだ。



モモセくんの方を見たら、目が逢ってしまった。





●☆*:..。o☆●●☆*:..。o☆●●☆*:..。o☆●




「モモセ、行けよ」




思いっきり顔を赤らめているモモセの背後から、俺は言った。



そしてさらに、言葉の追い打ちをかけた、




「お前はさあ、商売人の俺から見ても、いい男だし、信頼出来る男だ。あのアホを男運の不幸の連鎖から解き放って、しあわせに出来るのはお前だけだろ?」




はあ、前もって確認を取ったにも関わらず、この弱気さ。




「あいつに言い寄った奴らの調査資料見せただろ。



今、行かないと、あいつ本当に不幸になるぜ。



好きな女が、不幸になるのを見て見ぬ振りする気か?」




モモセがやっと動き出した。



その異変に、会場の視線がモモセに集まりだした。




●☆*:..。o☆●●☆*:..。o☆●●☆*:..。o☆●





「あっモモセくんが、こっちに来る!」




物凄く近づいてきた。



あっ背が高くなってる。




「モモカちゃん、好きでした。これからもずっと好きです。一生付き合って下さい」




●☆*:..。o☆●●☆*:..。o☆●●☆*:..。o☆●





「モモカ良かったね」



わたしは泣いた。




商売を終えたアキナイが近づいてきて、



「メグミさんさあ、俺の事好きだったんだ。



あの頃は嫌われてると思ってた。ツンデレって奴?」



と言いながらも顔は激しく照れていた。




「わたしの事、好きだったんだ」



わたしの言葉に、奴の照れは激しさを増した。





      完



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