↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『朱里ちゃんの微笑み』短編小説集   作者: 健野屋文乃
14 かなうの章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
119/120

中学の時、誰が誰を好きだったか解る図【承】相思相愛な雰囲気

『空』と大きく書かれたTシャツをアキナリは着ていた。



守銭奴のくせに『空』って、と思いながら、




「モモカねえ、男運が絶望的なの、さらに絶対幸せにしないであろう男に限って、モモカに近づいてくるのよ。アキナイくんなら解るでしょう」



「うん、モモカちゃん、優しいから、その優しさに付け込もうとする奴らね」



「そう!」



「モモカちゃん、人が良いと言うか、人を見る目がないと言うか、アホと言うか」




『アホ』とまで言わなくても良いのに、まあ『アホ』なのだが。




「このままでは、モモカは仕合せにはなれない!」



「で、俺に商売の依頼?」



「そう」



「具体的な依頼内容は?」



「モモカの人生でたった一つだけ、モモカをしあわせに出来そうな男がいたの。



中学の時のモモセくん」



「モモセ・・・」



アキナイくんはじっと何かを考えていた。そして、



「はい、はい」



と言って微笑んだ。



「モモセくんなら、モモカをしあわせに出来ると思うの。



男の目線から見て、モモセくんってどう思う?」



「そうだね。男としても良い奴だと思うし、商売人としても信頼できる奴だと思う。



あの当時も、もっとも信頼できる奴だとは思ってた。ちょっと弱気な所があるけど、優しい良い奴だね」



「やっぱり。アキナイくんが良いなら、そうなんだね」



「でも結ばれたら、モモセモモカになるよ。どんだけ桃が好きやねんって」



「それは仕方ない。でね噂で今、モモセくんに付き合ってる人はいないらしいって聞いたの。だから依頼内容は、モモカとモモセくんを付き合わせて欲しいの。出来れば結婚までゴーに、それ以外にモモカがしあわせになる方法はない!ずっと一緒に住んでいて、わたしはそれを確信したの!」



「当時、モモカちゃんはモモセの事が好きだった?」



「うん。相当好きだった、近づくだけでカッチカチに緊張してた。



だから何も出来ずに中学卒業。



問題はモモセくんがモモカを、どう思っていたかってとこ。



男子の側から見てどうだった?」



「モモセ・・・『誰が好きか』って修学旅行の夜に聞いたことがあるけど、どうだったかな・・思い出せない」



「そこは覚えとけよ!大事な事でしょう!」



「でもあの2人相思相愛な雰囲気はあったよね。付き合ってはなかったけど」



「うん、うん。この依頼、出来る?」



「確か今度同窓会があったはず」



「そうそのチャンスに、あの2人を結んで欲しいの」



「面白そう」




アキナイはそう言うと、ギラギラした守銭奴の目で、わたしの顔を見た。



「その顔、金次次第って事?」



「そう」




『財布を出せ』とアキナイは手を出した。『財布ごと?』わたしは怯えながらも、モモカの為と思い、財布ごとアキナイに渡した。




「うわ!」



アキナイはわたしの財布の中身に驚いた。わたしにとっては日常なのに。




「本来なら相場として数万は必要なのですが、貧乏そうなメグミさんには、厳しそうなので、当時の中学生料金の500円で良いよ」



「えっホント」




こうして契約は成立した。



アキナイのにやける顔に、少しだけ不安を覚えたが。




つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。