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転生者は異常な程に成長しました。 〜自重?そこら辺に投げ捨てたわ〜  作者: 冬桜 ライト
◇第一章 異世界転生ですか?
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22/42

第19話 新しい友達とその家族です。




 ──天気のいい昼下がり。マリナ達は悠々と屋敷上空を飛びまわり、俺は母さんの話に耳を傾けながら、トコトコとそこら辺を歩いたりご飯を楽しむ、そんな平和な日常。


 母さんの話を適当に聞き流していると、母さんが何かを思い出したかのように『あっ』と一言声を漏らす。


「そうだわ、ジークちゃん。言い忘れてたけど、今日はジークちゃんに会いに、新しいお友達が来てくれるみたいよー♪」

「あうぅ?」


 ──母さんのその一言に、疑問を持つように問いかけ、同時に思考する。



 ……友達? この世界で俺の知り合いだと? ・・・一体どこのどいつだ?


 ・・・いや、普通に考えて母親が〝新しいお友達〟って言うのは、多分歳が近い赤子か子供ってことだよな。

 んで、母さんがワクワクとしてるのを見た感じ、母さんがある程度信用してる相手か、それの関係者って思った方がよさそうだな。


 母さんが信用していて、母さんが知っている子供。そして、今日来ることも知ってる。


 そこから推測されるに、母さんと仲が良い知り合いの、または友人の子供。もしくは母さんの兄弟姉妹の子供ってところか?

 ……いやでも兄弟姉妹で友達って言うのは少し変か? ……ってことは、一つ目の『友人、知り合いの子供』ってのが有力かな。


「どんな子かは来てからのお楽しみよー♪

 ……でも、ちょっと大人しい子みたいだから、仲良くできるか少し不安ねぇ……」

「あっうー!!」

「・・・ふふっ。そうね。ジークちゃんならきっと仲良くできるわよねぇ♪」


 ──すると、部屋の中にゴーンッゴーンッという、低く鈍い音が響きわたる。この家の玄関ベル……まぁ地球(あっち)風に言うと、インターホンの音だ。


「あら? どうやら丁度来たみたいね」


 と、母さんが音に反応すると、移動しようとして……やめる。そして、耳をすませる。


「……やっぱり。扉が開いた音と話し声が聞こえたわ。アルが行ってくれたみたいね。あとこっちに向かってきてくれてるみたいよ」


 あ、ちなみに。父さんは今日ずっと家にいた。・・・なるほど。今になって思うと、客が来るから出かけなかったわけか。


 ──俺も母さんにならって耳を澄ませた。すると、たしかに父さんの話し声と、他二人分の話し声が聞こえた。……だが気配は父さんを含めて四人分だ。

 ・・・多分、さっき母さんが言っていた、新しい友達というやつだろう。


 

 そして、父さん達が部屋の前につくと、父さんが扉をノックをする──前に、勢いよく扉が開いた……って、は?


「──メリりんっ! (ひっさ)しぶり~! 元気にしてたー? あ、うちは変わらず元気ハツラツだよー! いやー、にしても何年ぶり? 前会った時はオズくんとキャロちゃんが5歳くらいだったから……3~4年ぶりかな?

 あ、それよりもその子がこの前手紙で話してた新しく生まれたって子? へぇーメリりんに似て可愛い子ねー! あれ? でも男の子なんだっけ? えぇー、全くそう見えないなーっ!

 そうそう、うちもこの前やっと一人産んでさー。グレンっていうんだけど、これがまたすっごく可愛いのっ!! けどあまり泣かないし、人見知りなのか基本的に無口でさーってこの前手紙で言ったし、知ってるか!

 あとねっ──」


 ──この、勢いよく開いた扉からいきなり飛び込んできて、マシンガントークをしているのは、150……いや、もしかしたら145cm位の、白髪緑眼の女の子だった。

 


 ・・・えぇっと、この子が友達? ……歳が近い子かなーって思ったけど、10~12歳くらいの子かぁ。・・・あれ? でも大人しい子って話じゃ? それにこの子の話の内容的に、子供って言うより──


「あらあら。パティのおしゃべりは相変わらずねぇ。でもその話はまた二人の時にしましょう。今は久しぶりに集まったみんなでお話がしたいわ」

「うんうんっ! それもいいわねっ! うちもみんなと話したいことはたっくさんあるからねっ!! ……あ、そうだっ、テオ君っ! グレン連れてきて!」


 パティと呼ばれた女の子は、そう言いながら扉の方を見る。・・・そこには片手に赤子を抱いた、父さんよりも背が高い、赤髪青眼の2m近い大男が立っていた。


「はァ、パティ。オメェ、少し騒ぎすぎだロッ。 ちょっとは落ち着きやがレッ」

「えぇーそうでもないんじゃない? 正直、まだまだ全然話し足りないくらいだよー?」


 え……あんなマシンガントークをして?


「……オメェの感覚と俺らの感覚は違ぇンダよっ! っつか、これ何度も言ってるゾっ!! いい加減治セっ!」

「……うぅーっ! テオ君ってばいっつもそればっかりっ!! テオ君だって戦闘になったら全然言う事聞いてくれないじゃんっ!!」

「あァ!? それ今関係ネェだろっ!?」

「なによっ!」

「ンだよッ!?」


 おぉう、なんだ? 喧嘩か? 続けるなら伝家の宝刀【大泣き】を出すぞ? ・・・と思ったら、父さんが止めに入った。


「はっはっは! 二人はいつも喧嘩ばっかりだなっ!! だが、それくらいでやめようかっ。今はそんなことより……グレンとジークの可愛さについて語ろうじゃないかっ!」


 ・・・父さん。止めてくれるのはありがたいが『威圧』を撒き散らしながらそれを言うのはやめてくだせぇ。いくら俺が対象に入ってないとはいえ、少し圧がくるんでさぁ。


「・・・ッチ。わァッたよ! だからアルはその『威圧』をやめてくレッ!! ……はァ、パティ。すまんナ、少し熱が入りすぎタ」

「……別にいいよーっ。こっちこそ熱くなりすぎちゃったみたい。ごめんねっ!!」


 ・・・なんか、思ったよりすぐ仲直りしたな……多分、二人にとってはこの喧嘩も日常茶飯事なのか?


「あ、そうだっ。さっき言おうとしてたんだけど、早速うちのグレンをジーク君に顔合わせさせてあげよっ?」

「あァ。いいンじゃネェか? ほら、グレン。新しいダチだゾっ!」

「・・・」


 テオと呼ばれていた大男が、片手に抱いていた赤子を、俺の近くに座らせる。


 ・・・言っておくが、先程から一言も喋っていないグレンと呼ばれていた赤子──ちなみに白髪青眼だ──は、別に寝ていたというわけではないぞ?

 ・・・ずっと、ただ静かに、無言で俺を見ていただけだ。


「・・・」

「・・・」

「・・・」


 ・・・き、気まずェ……ここは何か、適当に話題でもふるべきか? ……うん、まぁ赤子だから「あぁー」とか「あうー」しか言えないけどさ。

 まぁでも。ずっと黙ってるよりはいいことだろうし、とりあえずそれで試してみるか。


「あーあーぅー」

「・・・ぁう」


 あ、普通に返事した。・・・あれ? 意外と無愛想って訳じゃないのか? ……ちょっと大袈裟にとらえすぎたか──


「っ!! なァっ! 今、グレンが返事しなかったカ!?」

「あ、だよねっ!? 聞き間違いじゃないよねっ!! ……すごいねっ!! うちら以外には基本的に無反応な子なのにねっ!」

「はっはっは!! さすが私達の息子だっ!! もう仲良くなったのか!!」

「あらあらっ、ジークちゃんはお友達を作るのも上手なのね~っ!」


 ・・・どうやら、本来は俺の予想した通りの、無愛想な性格だったみたいだ……でも、ならなんで俺には普通に反応したんだ?

 ……もしかしたら、称号『八方美人』の効果か? 後は『話術』とかの話す系スキルも関係してそう。


 ・・・あ、そうだ。一応。


『こんにちは、グレン。話せるか?』


「っ? ぁ……ぇ……ぅ?」

『? 頭、声、響く?』


 お、どうやら話せるみたいだ。・・・ってか、言葉をちゃんと理解してる? 話し方的に、転生者ではなさそうだが……俺と同じくらいの本物の赤子なのに、言葉がわかってるってことなのか? ・・・天才か?


 ・・・あ、ちなみに。なんでグレンの声もちゃんとわかるかって言うと、『念話』が『思念通信』ってやつに進化したおかげだ。これで、自分の声を送るだけじゃなくて、相手の声もわかるようになった。


『これは〝思念──いや〝念話〟って言うスキルなんだ。声を出さないで会話ができる』

『君、誰?』

『俺はジーク。目の前の子供だよ』


 俺がそう言うと、ぎょっとした目で俺の方を見入る。・・・いやん。そんなに見つめられたら照れちゃう(棒)


『……君?』

「あうっ」

『……本当』


 ・・・今度は何かを考えているようだ。そして、何かを思いつくと、グレンは自分をさして、俺に問う。


『誰?』

『ん、お前の名前か?』

『お前?』

『……うん?』


 なんか話が噛み合ってない……というか、少しズレた気がする。


『お前、グレン』


 ・・・あっ、もしかして、一人称のつもりなのか? いや、だったら──


『それならお前って言うよりも、僕か俺か私って言った方がいいな』

『??』

『・・・僕、俺、私』

『僕、俺、私……僕』


 どうやら一人称は〝僕〟で決定したみたいだ。……今更だけど、一人称の話だよな?


『僕、グレン』


 うん、あってるっぽい。


『ん。俺はジークだ。よろしくな、グレン』

『・・・よろしく。……ジーク?』

『おう、あってるぞ。それでいい』


 ・・・今思ったけど、この舌っ足らずな話し方で言いたいことをしっかりと理解できる俺ってすごくね? ・・・まぁ多分、十中八九スキルのおかげだろうけど。



>スキル《教術Ⅰ》を獲得しました。


 っと、またなんか新しいスキルをゲットした。・・・んー、スキル名からして、グレンに言葉を教えたからかな?


「わぁー! なんか二人が見つめあってる!! かーわいいっ!! ……グレンは少し大人しめな子だから仲良くできるか不安だったけど、ちゃんと仲良くできたみたいで安心だね!!

 ・・・でもなんでジーク君だと普通に返事したんだろう? ジーク君になにか特別な……オーラ的なやつ? でもあったのかなー?

 そういえば、ジーク君もグレンと同じでずっと大人しかったわねっ! もしかしたらそこに共感とかしたの──」

「パティ、またオメェの癖出てるゾっ」

「え、あ、本当? ごめんねっ! 自分じゃ気づきにくくてさー。意識しないとつっぱしっちゃうのよねぇ……」


 ・・・パティはアレかな? お喋りさんなのかね?

 ってかやっぱり。このパティって人の話とか周りの反応的に、この人が母さんの信用して相手……つまり、グレンの母親なのか?


 ……あ、そうだ。わかんなけりゃこの人らのメニューを調べて見りゃーいいのか。あ、ついでにグレンのメニューも見てみようか。

 ってことで、グレン達の〝メニュー〟を閲覧っ。



───────────────────

◆メニュー

◇名前:テオバルト・リード

◇種族:ハイタイタン

◇年齢:46歳

◇LV:62〈162〉

◇HP:100 MP:100

◇CON:健康

◆スキル

◇特殊系

移動要塞(バトル・ガーディアン)】【生命強化(グレート・ソウル)】【守護強化(ディフェンサー)

同害報復(リフレクト)

◇武術系

【拳術Ⅸ】【盾聖術Ⅱ】

◇魔法系

【土魔法Ⅴ】【生活魔法Ⅳ】【無属性魔法Ⅵ】

◇技能系

【挑発Ⅸ】【気配察知Ⅷ】【魔力察知Ⅵ】【魔力制御Ⅴ】

◇身体系

【強靭Ⅷ】【手加減Ⅲ】【身体強化Ⅷ】【身体制御Ⅵ】【HP超増加Ⅰ】【HP超回復Ⅰ】

◇耐性系

【防御Ⅷ】【打撃無効Ⅱ】【斬撃無効Ⅰ】【射撃耐性Ⅷ】【刺突耐性Ⅸ】【爆発耐性Ⅶ】【衝撃無効Ⅲ】【炎熱耐性Ⅷ】【砂塵耐性Ⅶ】【疾風耐性Ⅶ】【恐慌無効Ⅲ】

◇その他

【逆境Ⅵ】【狂化Ⅷ】【直感Ⅷ】【迷宮適応Ⅴ】

◆称号

〈生命神レフィアムの加護〉〈守護神ドルァーグの加護〉〈モンスタースレイヤー〉〈守戦聖〉〈逆境を乗り越えし者〉〈神級迷宮踏破者〉〈上位者〉〈戦闘狂〉〈Sランク冒険者〉

───────────────────

◆メニュー

◇名前:パトリシア・リード

◇種族:ハイミニヒュム

◇年齢:46歳

◇LV:51〈151〉

◇HP:100 MP:100

◇CON:健康

◆スキル

◇特殊系

生命強化(グレート・ソウル)】【回復強化(ヒーラー)】【一心同体(パートナー)

◇武術系

【杖術Ⅷ】

◇魔法系

【氷結魔法Ⅰ】【神聖魔法Ⅱ】【生活魔法Ⅵ】

◇技能系

【魔力感知Ⅰ】【魔力制御Ⅸ】

◇身体系

【強靭Ⅸ】【超回復Ⅷ】【HP増加Ⅷ】【HP超回復Ⅰ】【MP増加Ⅷ】【MP超回復Ⅰ】【身体強化Ⅴ】【身体制御Ⅴ】

◇耐性系

【猛毒無効Ⅰ】【麻痺耐性Ⅸ】【疲労無効Ⅰ】【病魔耐性Ⅶ】【精神耐性Ⅴ】【恐慌耐性Ⅴ】

◇その他

【逆境Ⅲ】【迷宮適応Ⅴ】

◆称号

〈生命神レフィアムの加護〉〈治癒神スルアヘラクの加護〉〈モンスタースレイヤー〉〈水魔聖〉〈光魔聖〉〈逆境を乗り越えし者〉〈神級迷宮踏破者〉〈上位者〉〈Sランク冒険者〉

───────────────────

◆メニュー

◇名前:グレン・リード

◇種族:クォーター・ヒューム

◇年齢:0歳(生後399日)

◇LV:0

◇HP:100 MP:100

◇CON:健康

◆スキル

◇特殊系

七転八起(トライ・エラー)】【武術王者(ウォリア・キング)】【聖浄付与(ピュリフィケーション)

獣類変化(アニマライズ)

◇武術系

【気術Ⅰ】

◇魔法系

【聖術Ⅰ】

◇身体系

【強靭Ⅰ】

◆称号

〈武術神ガルムードの加護〉〈聖光神トフィールの加護〉〈獣神ツァブラミナの加護〉〈天才〉

───────────────────



 あっはぁ☆ やっぱりこの人らもうちの両親と同類(バケモノ)かぁ☆

 まぁ考えてみりゃ、そりゃそうか。父さんの威圧に耐えられるくらいだもんな。普通に考えて、なにか異常な力を持ってるよねぇ。


 一番しょぼく見えるグレンのメニューも、よく見ると称号が、ねっ。

 ってか、何気に俺以外に三つも加護持ってるやつ見るの、グレンが初めてじゃない?


 あとすごくどうでもいいけど、誕生日が思ったより近いな。俺が丁度一歳になったのが今日含めて5日前だから、約6日離れかな?

 あと399ってことは……明日がグレンの誕生日なのか。・・・なんかプレゼントでも送ってやろうかな?



 んー、ってか今更だけどみんな特殊スキルを1つ以上持ってんのな。これって普通なのかね? ……多分普通じゃないんだろうな。

 なのにこんなに特殊スキル持ちばっかりが現れるのは……恐らく、イデムがなんかしら面白がるためにやってるんだろうね。


 ・・・なんか、このままイデムのせいにしたらイデムがなにか言ってきそうだし、話を変えようか。



 とりあえず、年齢的にこの二人がグレンの両親って考えてよさそうだな。ファミリーネームも同じだし。

 ・・・あ、そう考えると二人のことは愛称じゃなくて、ちゃんとテオバルトさんとパトリシアさんって呼んだ方が良さそうだな。

 ……ってか巨人(タイタン)小人(ミニヒュム)か……あまり細かいことは規制上言えないが、よくヤレたな。


 ・・・ん、あれ? そういえば二人ともタイタンとミニヒュムなのに、グレンがクォーター・ヒュームなのは何故?

 ……あ、どっちかが──もしくはうちと一緒で、二人がハーフなのか。んでそのどっちかの親にヒュームがいたんだろう。



 ──と、俺がこんな感じにグレン達について事細かに予想、推測を立てていると、横からグレンが思考に割って入ってきた。


『ジーク……ことば』

『ん、どうかし……た?』


 ・・・って、あれ? ちょっと待って? 今普通に返事したけど、俺の『思念通信』ってたしか俺から話しかけないとスキルが発動しないんじゃなかったっけ?


 メ、〝メニュー〟閲覧っ!




 ・・・え、えぇ。うっそーん……グ、グレンのスキルに、『念話』が追加されてるぅ……一度体験しただけで覚えるとか……こいつ、天才か? ・・・あ、天才か。称号に書いてあるし。


 いや、まぁ俺も似たようなことできるけどさ。ってか、実際にそうやってゲットしたけどさ。でもそれはあくまでも転生者だからじゃん? ……素でできるこいつ、すごくね?


『お前凄いな……』

『? 凄い?』

『あぁ、凄い』

『……ジーク、言葉』


 ・・・その『ジーク、言葉』ってさっきも言ってたけど、どういうことだ?

 ……言葉? ……あ、もしかして言葉を知りたいってこと?


『もしかして、言葉を教えて欲しいのか?』

『教えて? ……教えて』

『……ふむ』


 ・・・こいつはかなり飲み込みが早いし、教える分には苦労しないだろう。それにこの調子で教えていけば『教術』のスキルも軽々と上がるだろうし……よし、スキル上げついでに言葉を教えようか。


『いいぞ。とりあえず簡単な単語からだ』

『単語?』

『まずは挨拶からいこうか』

『挨拶……おはよう、おやすみ?』

『……あぁ、それも挨拶だが……なぜそれが分かる?』


 すると、グレンはパトリシアさんを指す。


『いつも、言う』


 ・・・なるほど。どうして言葉を理解してるかわかんなかったが、見聞きして覚えたのか。ってことは基本的な単語はもう大体覚えてるって考えた方がよさそうだな。


『もっと』

『んー他に……あ、そうだ。なら教えやすいように、先に質問系の言葉を教えようか』

『……?』

『まずは、あれとなに、わかったとわからないって言葉だ』

『? あれ? わかった?』

『そう。気になれば指をさして〝あれ〟と。知りたければ〝なに〟を使うんだ。それで理解したら〝わかった〟と。無理だったら〝わからない〟と言うんだ』

『………』


 俺が指をさしたり首を傾げたり、わかりやすくジェスチャーも込めてグレンに教えた。

 すると、グレンは無言で考え込む。そして、試しにと言った感じに、端っこの本棚を指して、俺に問う。


『・・・あれ?』

『そう、そんな感じだ。あれは本棚だ』

『本棚……なに?』

『本を入れる入れ物だ』

『本、入れる……わかった』

『完璧だ』



>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《教術》のランクが上昇しました。


 ・・・んースキルのランクが上がった。……上がったのはいいが、いくら『教術』スキルがあるとはいえ、この飲み込み速度はちょっと速すぎる気がする……。

 ……これは俺のスキルだからか、それとも元々のこいつの素養が高いのか……。


 もしも後者なら、学者系としての将来的な期待値がかなり高まるな。・・・いつか追い抜かれそうで少し怖いが。

 ……今更だけど、もしかしてグレンのこれも、イデムがなんかしたのか?


『ジーク、ジーク。あれ』


 っと、今はスキル上げに集中しようか。


『はいはい。あれは──』



◇◆◇◆◇



~約一時間後~


>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《教術》《巧会話》《思念通信》のランクが上昇しました。


『大体、わかった、よ』

『よし、さすがグレンだ』

『ジーク、ありがとう、ね』


 ・・・ふぅー、結構疲れたな。んーと、今の時間は……って教え始めてからまぁまぁ時間が経ってたのか。

 父さん達は……あ、四人でワイワイ話し込んでる。・・・そういえば、父さん達って仲良いけどどんな関係性があるんだ?

 学友……パーティー仲間……はたまた幼馴染? ……色々と推測はできるが、実際のところどれが正解かは・・・あ、そうだ。


 『記録閲覧(アーカイブ・レコード)』。父さん、母さん、テオバルトさん、パトリシアさんの関係性について。


 ……あ、なんか冗談半分でやってみたら出来たわ。……出来たなら丁度いい。少し拝見させてもらおう。えーと、なになに?



 ──ふむ。ざっと見た感じ、俺の予想は全部当たってるみたいだな。


 まず、父さん達は同じ学校でクラスメイトとなり、そこから交友関係に至ったそうだ。全員他種族のハーフで、似たような境遇や環境から、自然と惹かれあったそう。

 ……この出会いっていうのが7歳頃の学校入学直後のお話で、それからずっと続いてる仲だそうだ。

 つまりこの四人は38年近い長年の付き合いってことか。……幼馴染と言うより、腐れ縁って感じかね?


 んで学校卒業後も四人で一緒に冒険者となり、パーティを組んで様々なダンジョンを片っ端から攻略したそうだ。

 最終的にSランクにまで登り詰め、冒険の過程で、父さんは母さんに、テオバルトさんはパトリシアさんに告白をしたそうだ。……もちろん答えはYESで。


 そして父さんと母さんは子供を三人作り、パトリシアさんは子供が出来にくい体質だったみたいだが、テオバルトさんとの間にめでたく第一子が生まれ、現在に至る。


 ……ざっとまとめるとこんな感じ、かな?


 ・・・こういう感じにまとめると、綺麗に治まったかのように思えるな。

 ……でもさっきちらっと見えた実績欄で、神獣討伐とか堕天神討伐ってのが見えた気がしたが・・・気にしちゃダメだな。うん。


 ……いや、やっぱりちょっと待て。堕天神討伐だと? ……神が堕天なんかするのか? ってか、それ倒せるのかっ!? ・・・堕天したとはいえ、元神なんだろ……? なぜ倒せた?



 ・・・あ、こんな時も『記録閲覧(アーカイブ・レコード)』の出番か。ってことで、堕天神について検索。


───────────────────

・堕天神とは

 人々に絶望した、または面白がって殺戮を繰り返した神が、現実世界に降臨した存在。



 だと言われているが、その実態は均衡や正義や悪意などを司る神々の権能によるもの。

 その神々の権能により、他の神の劣化模倣体(レプリカ)を現実世界に転送し、ある程度の破壊や殺戮などをさせている。

 なお、倒せたり封印できるのはあくまで劣化模倣体(レプリカ)だからであり、実際の神は倒したり封印することは出来ない。


・イデムの置き手紙

 ジーク君、久しぶり~! 先に言い訳させてもらうけど、世界の秩序を守ったりするためにはこういうのも必要らしいよ~。よくわかんないけどっ。

 ・・・あ、決して僕が面白がって置いてるわけじゃないから勘違いしないでねっ!! ……まぁそれをして面白くなるなら、僕もやりたくはあるんだけどね~。

 でも正直な話、そういうことをするのは僕の領分じゃないから僕がやろうと思っても出来ないんだ~。・・・まぁ間接的にだったら運命操作でできるけどね。


 とりあえず今回はこの辺りでまたね~。

 byイデム

───────────────────



 ……なんか、最初の説明以外絶対に知っちゃいけない情報な気がするのだけど? あとお願いだからついで感覚で堕天神置かせないでね? 冗談抜きで。もしやったら均衡を保つ神様とかが困っちゃうだろうから、本当にね?


 それと話を戻すけど、『秩序を守るため』ってのは本当なんだろう。・・・じゃなきゃわざわざ現地の人間が倒せるくらいまで弱くするわけないしな。


 もしも人類を滅ぼすつもりなら、わざわざ劣化させる意味なんてないだろうし。多分、破壊活動から討伐されるまでが『秩序を守るため』に必要な行動なんじゃねぇかな?



 ・・・ま、その『秩序を守る』ってので、俺や俺の周囲に被害が及ばないなら、俺にとっては別に気にすることでもないかな。

 ……もしも現れても、父さん達なら余裕で倒せそうだけどな。・・・だって堕天神の討伐数、二桁行ってるし。


 あれ? そう考えるとうちの親バケモンすぎん? ……だから秩序を保つために堕天神がよってくるんじゃね? 普通に倒せちゃってるみたいだけど。


 ……よし、この話は終わろうか。・・・このまま考えてたら、なんか色々と知っちゃいけないこと知りそうだし。


『ジーク。もっと言葉、知りたい。教えて』


 よし、いいタイミングだ。偉いぞグレン、褒めて遣わす。……この流れに乗って、言葉教えに移行するとしよう。


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