第16話 適当な神様です。
『──!!』
『──っ』
あ、れ……? 俺は、一体?
『──クくんっ!』
『っ! ──クッ!!』
誰、だ? 何を、叫ん……で?
『ジークくん〜っ!』
『ジークっ!!』
──その声でジークが眠りから覚める。そしてパッと周囲を見渡して声の方向に顔を向けると、そこには心配そうに顔色を伺うマリナとセレネの姿があった。
「えぅあぁ……?」
っ! 声が出せなッ!? ……って、俺今赤ん坊か。喋れなくて当然だわ。
『マリナとセレネ、か?』
『よかったのです〜!! 目が覚めたのです〜!!』
『……ヒグッ、エグッ。……よか、ったぁ』
おぉ、マリナがいつも異常に声を荒らげてる。セレネに至っては泣いてやがる……二人がこんなになるなんて、俺何かしたのか?
『・・・何があったんだ?』
『……グスッ……それ、はっ……こっち、の、セリフっ!!』
──ジークは改めて自身のおかれた状況を整理する。・・・マリナは俺が起きたことを舞い上がるように喜んでる。セレネは普段は見せないような──まだあって一日も経ってないけど──泣き姿を晒していた。
……そして二人とも先程まで大泣きしていたのが分かるくらいに目を真っ赤に腫れさせていた。(今も尚泣いてるやつもいるが)
せ、整理できねぇ……。マジで一体何が? ・・・あ、もしかして。
……〝メニュー〟
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◆メニュー
◇名前:ジークハイル・ベネット
◇種族:ミクスシード
◇年齢:0歳(生後3日)
◇LV:10
◇HP:100 MP:100
◇CON:健康
◆スキル(新規&成長)
◇魔法系
……【精霊魔法Ⅰ<NEW>】
◇技能系
……【従魔術Ⅰ<NEW>】【隠蔽Ⅵ<UP>】【芸術Ⅴ<UP>】【話術Ⅲ<UP>】【詐術Ⅲ<UP>】【気配察知Ⅴ<UP>】【気配遮断Ⅴ<UP>】【魔力察知Ⅳ<UP>】【魔力制御Ⅵ<UP>】【霊力察知Ⅶ<UP>】【霊力制御Ⅵ<UP>】【聖気制御Ⅲ<UP>】【同時進行Ⅵ<UP>】
◇身体系
……【HP増加Ⅵ<NEW>】【HP回復Ⅶ<NEW>】【超回復Ⅵ<NEW>】【呼吸Ⅶ<UP>】【睡眠Ⅴ<UP>】【迷彩Ⅱ<UP>】【MP増加Ⅷ<UP>】【MP回復Ⅸ<UP>】
◇その他
……【逆境Ⅳ<NEW>】【精霊視Ⅲ<NEW>】【念話Ⅲ<NEW>】【心眼Ⅱ<UP>】【観察Ⅸ<UP>】【夜目Ⅱ<UP>】【遠見Ⅱ<UP>】【遠聴Ⅳ<UP>】【妄想Ⅷ<UP>】【計算Ⅳ<UP>】【並列思考Ⅳ<UP>】【信仰Ⅱ<UP>】【瞑想Ⅳ<UP>】【集中Ⅴ<UP>】【超隠密Ⅴ<UP>】【聞き上手Ⅳ<UP>】【思考強化Ⅸ<UP>】【言語把握Ⅴ<UP>】
◆称号(新規)
……〈満身創痍<NEW>〉〈神々の意図に気づき者<NEW〉〈精霊に愛されし者<NEW>〉〈逆境を乗り越えし者<NEW>〉〈早熟<NEW>〉
◆使い魔<NEW>
大精霊(光)LV226/マリナ
大精霊(闇)LV236/セレネ
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うわぁ……。これまた凄いことに。
って、やっぱり……LVが上がって10になってる。
それから回復と増加系スキルが上がってるのを見た感じ、俺の予想は悪い方向に当たってたみたいだ。
・・・いや、ギリ生きてるのを考えると完全に当たった訳じゃないみたいだ。……こればっかりは予想が外れててよかったぁ。
ってか、やっぱりマリナ達にもLVってあるのか……しかもめちゃくちゃ高いし。
っと、一応、寝てる間……と、寝る前に流れたアナウンスについても見ておくか。
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>新たに称号『満身創痍』を獲得しました。
>新たに称号『早熟』を獲得しました。
>新たに称号『精霊に愛されし者』を獲得しました。
>新たに称号『逆境を乗り越えし者』を獲得しました。
>スキル《HP回復Ⅰ》《HP増加Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《超回復》《HP増加》《HP回復》《MP増加》《MP回復》《逆境》《精霊視》《睡眠》《妄想》《並列思考》のランクが上昇しました。
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おぉ、改めて言うが、スキル系の報告が大分見やすくなったな。……強いて難点を上げるなら、いくつ上がったかわかんないことくらいか。・・・まぁ、気にするほどのことでもないか。
それと、一応新規称号系も詳細を調べておくか。……そういえば、『神童』についても調べてなかったし、それもついでに見よう。
ってことで、ドン。
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名前:〈神童〉
説明:子供の身でありながらそれにそぐわない程の才知を発揮した者。
効果:スキル習熟度にプラス極大補正。スキル適性と能力値と成長値にプラス大補正。成人を過ぎると効果がなくなる。
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名前:〈神々の意図に気づき者〉
説明:普通なら知り得ることの無い神々の意図に、自らの力で答えに辿り着いた者。
効果:推理力、状況把握力にプラス補正。運気と能力値と成長値にプラス大補正。
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名前:〈満身創痍〉
説明:かなりの身体的損傷を受けた、或いはHPが20%以下になる状態を体験した者。
効果:スキル〈超回復Ⅰ〉を取得。回復系スキルの習熟度にプラス大補正。
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名前:〈精霊に愛されし者〉
説明:様々な精霊に愛された者。
効果:スキル〈精霊視Ⅰ〉を取得。精霊との親和性が大きく上昇する。
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名前:〈逆境を乗り越えし者〉
説明:とてつもなく辛い状態、状況、環境から自力で乗り越えた者。
効果:スキル〈逆境Ⅰ〉を取得。精神力と精神耐性系スキルの習熟度にプラス特大補正。
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名前:〈早熟〉
説明: 常人に比べ、ものすごい早さで成長する者。
効果:獲得経験値とスキル習熟度と成長値にプラス大補正。
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・・・ちょっと待て。
気になるものが結構あるが──と言うより、全部気になるが──それが目じゃないくらいに、一番目を引くものが一つある。『満身創痍』の説明についてだ。
『HPが20%以下』? ・・・Hey Archive。俺のLV上がった直後のHPについて教えて。
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名前:ジークハイル・ベネット
LV:10
HP:16/100
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……あっぶねぇっ!
・・・ゴブリン三体だけでこれだったんなら、ゴブリン十匹とか、セレネが言ってたイフリートとかデュラハンが出てたら即アウトだったんじゃねッ!?
……いや、普通に考えてそんなのがそこら辺にいるとは思えないけどさっ!!
でも、とりあえず。ゴブリン三体だけで止めさせといてよかったぁ……。
ってか経験値が分割されたはずなのにこんなにLV上がって瀕死状態になるとか……。俺の獲得経験値上昇と成長値、どんだけすげぇんだよ……。
・・・今度から一気に狩らないようにした方が良さそうだな。もうこんなに……文字通り、死ぬような思いはしたくねぇ。
あと今更だけど獲得した覚えのない『逆境』は称号で追加されたのか。
・・・ついで感覚で言うことじゃないとは思うが、死ぬような思いに比べたら、ついで感覚であってるだろ。
『ジークくん〜? ボーとしてるみたいですけど〜、大丈夫なのです〜? ・・・それともまだどこか痛いのです〜っ!?』
『ッ!! マリナ、回復っ!』
っと、ずっと無言で考え込んでたらマリナとセレネが心配してきた。
・・・あー、こいつらが魔物を倒したすぐ後に俺の意識が切れたからな。……傍から見たら『もしかしたら自分達が魔物を倒したせいで気絶したんじゃ?』とか思うよなぁ。
『あー、すまん。大丈夫だ。LVが一気に上がっちまって、HPの最大値が大幅に上がって、それでHPが急激に減ってただけだ。
まぁ楽してLVを──』
──ジークが精霊達の気がやまないよう、自分の自業自得と言おうとしたところ、突然ジークの腹にかなり強い衝撃が走った。
「ぅぁっ!?」ぐぼぁっ!?
・・・え、えぇ? い、いくら俺のせいと言っても……こ、これは、やりすぎじゃない?
……さすがに、1.5Lボトルの大きさが腹に直撃は、結構辛いわ……。
>スキル《衝撃耐性Ⅰ》を獲得しました。
>スキル《打撃耐性Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《衝撃耐性》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《防御》のランクが上昇しました。
スキルの習得+ランク上昇するってどれだけ強く来たんだよ……。これは、流石になにか仕返しを……って、は?
──ジークがそんなことを考えて腹に飛んできたマリナ達を見ると、涙を流してるのが見えた。
『ど、どうしたんだよっ!? そんな泣くこ──』
『良かったのです〜っ!! 目が覚めてくれて本当に良かったのです〜!!』
『……もう、一生……このまま、目が、覚めない……かと、思っ、た! ・・・目、覚めて、良かったぁ……』
『って、本当にどうしたんだよっ!?』
マリナとセレネがそう言うと、泣きながら『良かった、良かった』と安堵していた。
ってか、えぇ? なんでこんなに泣いてんだよっ? たしかに、『自分たちのせいって思ってるんじゃ?』とは思ったが、さすがにここまでは行き過ぎじゃない!?
……はっ! もしや『精霊に愛されし者』の効果かっ!? ・・・いや、でも普通に考えたらコレがあるからこうなったんじゃなくて、こういう状況になったからコレをゲットしたんじゃないのか?
・・・いや、こんなこと言ってる……考えてる場合じゃねぇなっ。何とか、マリナ達を落ち着かせないとっ!
──そしてあーだこーだ四苦八苦して、やっとのこと話せるくらいには落ち着かせた。
・・・と思ったら、今度は『ごめんね。ごめんね』と、泣きながら謝ってきた。……お前らの情緒どうなってんだよ。
『うぅ……。ごめ、んね……ボク達、が……魔物を、倒した……せい、で……グズンッ! ……ジーク、が……危ない目、あっちゃ、って』
『い、いや。だから、これは魔物を倒すように頼んだ俺のせ──』
さっきみたいに俺の自業自得と言おうとしたら、今度は大きな声を上げて遮られた。
『違、うっ!! ボク達、だって……本当、はっ! もっと、弱い……スライム、とかっ! ミニゴブリン、とかっ! そんな、魔物、で……良かっ、たの!!』
『そうなのです〜! なのに、ワタシ達は〜、ジークくんに凄いところを見せて〜褒めてもらいたくて〜……』
『それ、に……ジークは、成長値……高い、って……予め、教えて……くれたっ!』
『それがスキルによって〜最大値になることも教えてくれたのです〜!』
・・・いや、だったら俺も、LVが上がる際の懸念してたことを話せばよかったんだけど……今それを言っても、こいつらには意味がなさそうだな。
・・・どうしようか。俺ってば女の子と話したことがあんまりないから、こういうの慣れてないんだよなぁ……アレ? なんか涙が。
……と、とりあえず。今更こいつらに綺麗事を言っても、納得をしないと思う。
……だから、どうにかして落ち着かさせてから話した方がいいと思うんだが……でも落ち着かせるってどうやって?
んー興奮状態のやつが冷静になる瞬間……ぱっと思いつくのは、自分よりも興奮してるやつを見た時とかか?
・・・あ、なら適当にキレてみるか? ……よし、他に案が浮かばないし、決行。
『だーッ、もうっ!! 面倒くせぇっ!!
はぁっいいかっ?! これは、俺が頼んで、俺が招いた結果だっ!! そこに、おめぇらの事情やいざこざなんざ関係ねぇっ!!』
『い、いや……でもっ!!』
『でももだってもねぇっ!! 大体、俺はそういうわんわんと泣くだけのやつは大っ嫌いなんだっ! 泣くだけじゃなくて、ちゃんとそれを活かして、自分の成長の糧にしろっ!
俺と契約を続けていたいなら、それをしっかりと覚えておけっ! 返事はっ?!』
『え、あ、は、はいなのですっ!?』
『…………う、ん……グスンッ。わか、った』
・・・ふぅ。なんか、つい勢いに任せてキレたまま収めたけど……とりあえずこれで何とか終わりかな?
……あと今更だけど、俺って本来こういう風にキレたりするのとか、あまりしなかったと思うんだけど……それにしては普通に上手くキレていたように見えた。……なぜ?
>スキル《指揮Ⅰ》を獲得しました。
>スキル《激情Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《演技》のランクが上昇しました。
……あぁ、なるほど。たしかに今回のこれはキレた役を〝演じ〟てたな。だからか。
あと『激情』はキレたふりをしたからだってわかるが、『指揮』をゲットしたのは……こいつらをキレたふりをしてたとはいえ、まとめあげたから、かね?
まぁ『激情』は兎も角、『演技』とか『指揮』は使い勝手が良さそうだし、これからも便利に活用していこうか。
◇◆◇◆◇
よし、ひとまずマリナ達も落ち着いたみたいだし、とりあえずはこれで安心かな。
……っと、今思い出したけど『並列思考』のランク上がってたんだっけ。……次の育てるスキルを決めておくか。
んー、ってかこれを寝てる間も何とか持続的にさせることって出来ねぇかな?
……探してみたけど、流石に『支援補助』にもそんなやつねぇなぁ。
──すると、突然頭の中に、聞き覚えのないアナウンスが流れる。
>運命神イーデンミールの介入により、個体名:ジークハイル・ベネットが所持している特殊スキル、【支援補助】の効果が改変されました。
>運命神イーデンミールからメールが届きました。自動的に開封されます。
……イデムからの介入とメールかぁ。なーんか嫌な予感と良い予感の両方がするな……不安だけど、読んでみるか。
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やっほ〜っ!! 機械仕掛けの神様的な存在。みんな大好きイデムさんだよぅ☆ あ、なんかジーク君死にそうになってたけど、大丈夫〜?
まぁこうなったのは少なからずスキルを与えた僕のせいかもしれないし〜? 一応そのお詫びとして、『支援補助』の効果を改良してあげたよ〜。
(別にその方が面白そうで丁度いいタイミングだったからってわけじゃないんだからねっ☆)
あ、ちなみにどんな風に改良したかって言うとね〜っ。寝てる間もスキルを自動的に使用しておけるような感じに改良したよ〜。
それ以外にも幾つかあるから、適当に探してみてねっ! ってことで、またね〜。
by最強系物語が好きなイデム
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・・・あぁそういえば、俺って神様に私生活を覗かれてたんだわ。
……まぁそれはこの際いいとして(よくないけど)、最後のbyの所から読み取るに……つまり俺に最強になれ、と。
……いいじゃねぇか。やってやろうじゃんっ。・・・俺だって元々こういう最強系ストーリーが好きなんだっ。こうなりゃ、とことんやってやりゃァ。
・・・なんか、前にも似たようなことを言った気がするぜっ。
とりあえず、イデムのおかげで寝てる間もスキルが育てられるようになったわけだ。これでさっき諦めようとしたやつもできるってことだな。
……あ、でも寝てる間は目を閉じるよな? 視覚系スキルってどうなるんだ? まぁ次、寝る時にやって見りゃーわかるか。
っと、忘れないうちに睡眠中に発動しとくスキルを設定しておくか。
……これでよし、と。
・・・あ、ってか今更だけど『並列思考』の枠が40枠になってるっ!? 20枠も追加されてたのかっ!!
ふむ……5から10、んでそれから20。次が40。・・・規則性は掴めたな。多分、LV上がる毎に倍々になってるのかな。
……それよりも、この追加枠。何にしようかな?




