第14話 名付けです。
目覚めたなう。……えーと、今何時だ?
>現在7月40日 無の曜 午後11:45
・・・これは『記録閲覧』か?
いや、なんかよくわからない棒のやつで挟まれてないし、【>】で始まってるから『支援補助』の方か。
って、そういえば、俺ってこの世界の曜日とか週とか時間を知らないわ。・・・調べとくか。
えーと、現在の西暦的なやつと、年月日と週について。……あ、あとできたら時間とか四季についても。
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・暦週年月日
暦=神臨暦/1年=10ヶ月
1ヶ月=5週間/1週間=8日
1日=24時間/時分秒=地球と同じ
1年=400日/1ヶ月=40日
週=火の曜、水の曜、風の曜、土の曜、雷の曜、闇の曜、光の曜、無の曜
・四季
一〜三=冬/四〜六=春
七~九=夏/十=秋
・現在
神臨暦860年/7月40日/無の曜/23:46:03
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ふむ、一年400日か。・・・よくある異世界系の小説とは少し違ぇな。大体は一年360日のやつが多いかったんだけど。
それに週が8日ってのも珍しい方だな。
それと、季節的には夏本番ってところなのに暑さをあまり感じないのは、この部屋の断熱とかが優れてるから、なのかな? 昼間外にいた時は暑さ感じたし。
んー、あと今日起きた時にオズ兄とキャロ姉が学校じゃなくて家にいたところを見ると、どうやら無の曜が地球での日曜日と同じ感じみたいだな。
・・・いや、まぁこっちにそんな休みの制度があるのか、そもそも学校があるのかも知らんがな。
さて、それよりも。今回は寝る前に何をしたんだっけ?
・・・あぁそうだ。思い出した。たしか、とてつもない量のスキルが成長したり進化したりして、最終的に大精霊二人と契約したんだっけ。
んー、それで、その大精霊二人って今どこにいるんだ? ・・・あ、たしか契約した時に二人と魔力の糸的なやつで繋がった感覚あったし、この糸みたいなやつから探れば見つかるかな?
・・・あ、思ったより近……って、同じベッドで一緒に寝てたわ。
……んー、どうしようか。さすがに、こんな夜中に起こすのは可哀想だしな。とりあえず、寝てる間に上がったスキルでも見るか。
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>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《睡眠》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《妄想》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《MP回復》のランクが上昇しました。×2
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《MP増加》のランクが上昇しました。×2
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あー……そうか。MPがとんでもない量抜けた感覚があったからな。多分、それでMP関連が上がったんだろう。
MP……ふむ。そういえば、魔力、霊力、聖気を身体に巡らすとかどうとか言ってたのに、一回目以降、すっかり忘れて一切やってなかったな。
・・・制御系を上げるついでに、やっておくか。
えーと、この前みたいに全体に魔力、霊力、聖気を循環させる感じ……と。
よし、このまま継続させて、なにか他のスキルもあげるか。
んー、何をあげようか? 魔法系は魔力を循環させてるから無理だろうし……今出来そうなのは……。
『考察』の進化系である『並列思考』とか『計算』とかの思考系。
『隠蔽』『迷彩』『気配遮断』の隠密系。
『夜目』『遠聴』『嗅分け』の五感系。
『気配察知』『魔力察知』『霊力察知』の察知系くらいか?
ってか、『並列思考』で全部同時にやろうと思えば出来そうじゃない? ……いや、なんか無理そうだな……せめて出来て、あと一つくらいだ。
思考できる枠の数がランクによって決まってんのか? ……試しにランクを上げてみたら思考枠が増えたりしないかな? ・・・一応、やってみるか。
えーと、制御系はそのままの状態で、とりあえず残り一枠に『計算』、今考えてるこの枠で『遠聴』でもしてみるか。
〜数十秒後〜
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《計算》のランクが上昇しました。×2
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《遠聴》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《気術》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《並列思考》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《魔力制御》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《霊力制御》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《聖気制御》のランクが上昇しました。
はやっ。ってかまた一気に上がったねぇ。
・・・ちなみに、計算は適当に掛け算をしただけなんだが……2ランク上がってるな。……もしかして、この世界ってこういう系の読解力が低い?
まぁ、これで思考枠がまた1つ……いや、どうやら5つ増えたみたいだ。
ふむ……ランクⅠで思考枠5つ。ランクⅡで思考枠10、か……次のランクⅢは20か15かな? 20だとありがたいんだけど。
……とりあえず、新しい思考枠には気配、魔力、霊力の察知系と……あ、視覚系のスキルって全部同時にあげさせられねぇか?
・・・お、出来そう。んじゃ、今考えてるこの枠は……日常用として残しておくか。
・・・これでよし、と。
『……ふわぁ〜。・・・ぁ〜契約者さん〜。おはよ〜ございますです〜』
お、丁度光精霊も起きたみたいだ。
・・・ずっと光精霊って呼ぶわけにもいかないし、そろそろちゃんと自己紹介でもしようかね。……とりあえず、闇精霊も起きてからにするか。
『あぁ、おはよーさん。もしかして起こしちまったか?』
『いえ〜違うのですよ〜。そもそもワタシ達精霊は〜元々あんまり寝ないのです〜。どちらかと言いますと〜、眠る方が珍しいくらいなのです〜。ワタシ達も〜契約者さんが来る前までは〜あまり寝ませんでしたね〜』
え、そうなの?
『ん、じゃあなんでお前ら二人とも寝てたんだ?』
『そうですね〜……よく分かりませんね〜。なぜか契約者さんの魔力と触れていると〜すごく落ち着いて〜眠くなったのです〜。
・・・何故でしょうね〜?』
いや、俺に聞かれても……でも、魔力と関係が深そうな精霊に、落ち着くって言われるのは、なんか悪い気がしない。
・・・ん、ちょっと待てよ? なぜか落ち着く? ……もしかして、『聖気制御』で聖気を体に循環してるからか?
いや、でもそれは起きた後だし……もしかして『最適進化』で精霊が落ち着く魔力に変化してんのか? ・・・わからん。
『・・・おは、よう。……契約者、さん?』
っと闇精霊も起きてきた。
『あぁ、そっちもおはよう』
『・・・今更、だけ……ど。契約者、さん……名前……は?』
『そういえば〜契約者さんが何者か以外は〜聞いてなかったですね〜』
『……ボク、達……も。自己紹介、してない』
『ぁ〜。それも忘れていたのです〜』
・・・今更だけど、こいつらかなり仲が良さそうなんだよな。……普通、光と闇って相反する者ってことで、犬猿の仲になって喧嘩ばっかりとかじゃないのか?
……まぁ実際に喧嘩ばっかりだったらそれはそれで困りもんだけど。
『・・・とり、あえず。ボク達、から……自己紹介、する』
『そうするのです〜。まずは〜ワタシからやるのです〜』
光精霊はそう言うと、ゴホンッと息を整えて、話し出した。
・・・ってか勝手に話が進んでいくな。……まぁ俺も元々みんなが起きたらそうするつもりだったし、別にいいけど。
『ワタシは光を司る大精霊なのです〜。契約する前は〜他の精霊達と遊んでたりしてたのです〜。改めて〜これからよろしくなのです〜。契約者さん〜♪』
光精霊は最初会った時と同じく、全体的にふわふわと、ゆったりとした感じの喋り方で自己紹介をした。
改めて光精霊の姿だが、全体的に白っぽい見た目だ。白い服に白い肌、それと短めのロングボブの白髪で、やや虹色がかった綺麗な瞳。実に神秘的とも言える。
『次、は……ボク。・・・ボク、は……闇の、大精霊。……話すの、は……苦手。だけど、話を、聞くの……は、好き。
よろしく、ね。契約者、さん』
闇精霊の方も最初会った時と同じく、吃った感じの喋り方で自己紹介をした。
闇精霊の見た目は光精霊と逆で、全体的に黒っぽい色合いだ。
黒い服に褐色の肌で、ショートカットの黒髪。んで瞳がやや銀色がかった黒色って感じだな。こちらは神秘的と言うより、ミステリアスといった言葉が似合いそうだ。
『それじゃあ最後に俺だな。・・・と言っても、それほど言うことは無いんだが……』
・・・今思ったけど、そりゃそうか。まだ生まれて三日もたってないしな。・・・いや、そろそろ三日経つか?
『とりあえず、俺の名前はジークハイル。愛称はジークと言うらしい。年齢は0で、まだ生まれて三日くらいだ。
・・・一応、元の世界の俺と、この世界に来た経緯についても話そうか。
まず前世だと歳は17で、男だった。……あ、もちろん今も男だ。
それで詳細は省くが……事故で死んだところをイデム──お前らにわかりやすく言うと運命神の暇つぶし対象に選ばれ、それによって異世界に転生された。・・・いや、してもらった、ってのが正しいか』
……一応、選択肢を与えられた上で、自分で転生することを選んだから、されたってのはおかしいよな。
『まぁそれで転生初日からスキル習得とか色々やってたら三日近くたって、スキルのおかげで精霊が見えるようになり、今に至る』
・・・っと、こんなもんかな? とりあえず、これで全員一通り自己紹介ができた。
……いや、待てよ? こいつら、自分の名前言ってなくね?
『・・・なぁ、そういえばお前ら名前は?』
すると、キョトンとした顔の光精霊と冷静な顔づきの闇精霊が告げる。
『特に決まったものはないのですよ〜?』
『……な、い。……ヒカリ、と……ヤミ、は、飽くまで……愛称、みたいな……もの』
なるほど……。それじゃ──
『俺が名前をつけてもいいのか?』
俺がそう言うと、光精霊はパッと顔を明るくさせ、闇精霊は目を輝かせた。……あ、闇精霊の感情は目を見れば大体察せそう。
『えぇ〜! いいのですか〜?』
『いい、の?』
『あぁ。ちゃんと名前をつけておかないと、お前らを呼ぶ時に何かと不便だからな。今のうちに名前をつけた方が後々良さそうだ』
……まぁつっても、そんなパッと思いつくもんでもないし、なんて名前がいいのか……もしも、せっかくつけた名前が気に入らなかったらこいつらが可哀想だしな。
……あっ、そうだ。ならこいつらのリクエストを聞いてある程度まとめればいいのか。
『とりあえず、つける名前に何かリクエストとかはあるか?』
『う〜んと〜そうですね〜。……ワタシは優しい感じの名前がいいのですよ〜』
『ボク……は、静かな、感じ……もしく、は、落ち着く、感じ』
・・・聞いといてなんだが、優しいとか静かとか、抽象的すぎない? ……多分、これが精霊の感性ってことか?
とりあえず、出るか分からないけどそれで条件付けして『記録閲覧』で良さそうなのをちょっと調べてみるか。えーと……。
・・・よし、決まった。
『決まったぞ。まず光精霊からな』
『えへぇ〜嬉しいのです〜』
『光精霊の名前は──マリナってのでどうだ?』
『マリナですか〜? ……どういう意味なのです〜?』
『とある神話の太陽神の名前だ。情熱とか勇気とか美の象徴って言われてるみたいだ』
『神様の名前なのです〜? 太陽の神様ですか〜。……いいですね〜嬉しいのです〜♪』
光精霊、もといマリナは嬉しそうに、自身の名前を『マリナ〜♪ マリナ〜♪』と何度も口遊む。
……気に入ってくれたようで、何よりだ。
『次は闇精霊だ』
『……ん。どんなのか、楽しみ。』
『闇精霊は──セレネって名前でどうだ?』
『……セレネ……セレネ。ん、いい名前・・・意味は、何?』
『マリナと同じで、とある神話に出てくる神様の名前だ。月の神様で、絶世の美女って謳われていたらしい』
『月の……神様。・・・ん。気に、入った』
よし、こっちも気に入ってくれたみたいだな。・・・今更だけど、精霊に神様の名前とかつけていいのかね?
ただの想像ならまだしも、前の世界で某電子辞典に載るくらいに名の通ってた神様だしなぁ。・・・まぁ別にいいか。
とりあえず、これで二人の名付けが終わったとみてよさそうだな。
……っと、今度は二人が交互に名前を呼んだり返事したりと、イチャイチャし始めた。
いや、マジでこいつら仲良いな。……あとこの気持ちは……なるほど。こういうのを尊いっていうのか?
『……んじゃ、改めて。これからよろしくな。マリナ、セレネ。』
『はいなのです〜♪ よろしくなのです〜契約者さん〜』
『よろ、しく。契約者、さん』
『──あ、それと今更だけど、俺のことは気軽にジークって呼んでくれていいぞ。敬称はつけてもつけなくてもいい』
『わかったのです〜。ジークくん〜』
『ん。わかった……ジーク』
◇◆◇◆◇
──そして、ある程度話し終わったタイミングで、一気に上昇アナウンスがなる。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《並列思考》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《同時進行》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《魔力制御》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《霊力制御》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《聖気制御》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《気術》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《夜目》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《心眼》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《観察》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《遠見》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《遠聴》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《気配察知》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《魔力察知》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《霊力察知》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《聞き上手》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《言語把握》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《話術》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《念話》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《精霊視》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《信仰》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《呼吸》のランクが上昇しました。
って、情報量多いわっ!!
……この習得報告のやつ、何とか1つにまとめられないかな? この前俺がまとめたみたいに、『スキル《??》《??》《??》が上昇しました』ってな感じに。
・・・あ、調べてみたらどうやらできるみたいだ……もうちょっと早くに気づきたかった。……とりあえず、早速設定した。
ん、あ。あと『並列思考』も上がってるみたいだ。・・・さて、思考枠はいくつになったかなー?
・・・20かっ!! よっしゃ、いい方に予感的中したっ!
さて、それじゃあこの新規枠では何をやろうか……と言っても、10枠分あるから、普通に残りの思考系と隠密系と感覚系、全部育てられるみたいだけど。
・・・やっとくか。……これでよし、と。
あ、でも思考系はいいとして、隠密系で俺の気配消したら、父さん達も流石に何か勘づくかな? ・・・あ、なら俺じゃないものの気配を消せばいいんだ。
ってことで、早速。精霊たちに手伝ってもらうかね。
『というわけで、隠密系スキルをマリナ達に使ってもいい?』
『え〜? どういうわけなのです〜?』
『えーとね、かくかくしかじか』
『……ジーク。かくかく、しかじか……普通に言っても、意味が、わからない』
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《芸術》のランクが上昇しました。
『あ、芸術のスキルが上がった』
『なんでなのです〜?』
『それで、なんで隠密系スキルをかけたいかなんだけど』
『スルーされたのです〜!?』
『俺に隠密系かけると父さん達が何か勘づきそうだから君達にかけようかな、と』
『話を聞いて欲しいのです〜!!』
『ヒカリ……マリナが、こんな風に、なってるの……初めて、見た。・・・新、鮮』
・・・マリナって基本ボケみたいだけど、結構ツッコミ役としても有用かもな。ボケればツッコんでくれるし、『芸術』のランクがかなり容易にあがりそう。
……まぁこのままスルーは可哀想だし、一応ちゃんと説明をしようか。
『──ってなわけで隠密かけてもいいか?』
『良くわかんないですけど〜いいのです〜』
『ジーク、なら……いい、よ』
・・・まぁ説明しても、結局マリナは意味がわからなかったみたいだが。……あとセレネのその発言はなんか意味深な感じに聞こえるからやめい。
『おう、じゃあかけるな』
『はいなのです〜』
『ん。来て』
・・・今更だけど、他者にスキルをかけるのって初めてやるんだよね。……できるかな? えーと、こいつら全体の気配とかを周りに溶け込ませる感じに……。あ、できた。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《気配遮断》《隠蔽》《迷彩》《超隠密》《詐術》のランクが上昇しました。
っと、いきなり上がったな。……うん、さっきのあれよりはだいぶ見やすくなった。
──気を取り直して次は……何をしよう?




