第12話 両親の戦い(手加減)です。
「うむ、まずルール説明だ。
まず一つ目に、あまりやりすぎないこと。理由はジーク達がいることと、私達が本気を出すと終わる頃にはこの付近が、と言うより大陸が、大変なことになるからだ。
二つ目に、どちらかが降参か参ったと言うか、致命的なダメージを受けたら試合終了だ……最悪、死んでもどうにかなるがな」
・・・え、ちょっと待て、今最悪しんでもって……。
「最後に、上記のルールを守ってくれれば、スキルや武具の制限はない。なんでもありだ。さて、異論はないか? ……では、準備が出来たらスタートだ」
──父さんのその一言で、二人が距離を取って、武器を持った。
父さんは剣を2振り持っての双剣スタイル。母さんは、至って普通そうな銀色の短剣を持った(恐らく)暗殺者スタイル。
そして、互いが相手の準備が整ったことを察すると、二人のオーラがガラリと変わる。
父さんは通常時よりも冷徹に、それでいて荒々しいオーラに。母さんは純粋な漆黒の、だが邪悪な感じは一切しないオーラに。
よく見ると、両方ともオーラがバチバチしてるのが見える。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《霊力察知》のランクが上昇しました。
・・・あ、オーラ=霊力か。
──そして、一瞬両者が揺れると、父さんは凄まじい速度で移動し、母さんはいつの間にか居なくなる……って、は?
>スキル《超隠密Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《隠蔽》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《走行術》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《気配遮断》のランクが上昇しました。
え? 『気配遮断』……は母さんのスキル欄にはなかったはず。それっぽいのだと『認識阻害』か? それで『気配遮断』が上がる……あ、なるほど。『認識阻害』が『気配遮断』の進化スキルなのか。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《考察》のランクが上昇しました。
ビンゴっ!
っと、それより、母さんはっ!? どこだ?
>スキル《警戒Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《気配察知》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《魔力察知》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《視認》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《観察》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《虚偽看破》のランクが上昇しました。
っ! なんかそれらしいの見つけたっ! ……いや、視えたっ!!
・・・隠密を使ってる母さんをこうも簡単に見破れるって、『視認』スキルすげぇ。
んで、そのたった今見つけた母さんはと言うと、短剣を父さんに向けて……投げたッ!
>スキル《投擲Ⅰ》を獲得しました。
>スキル《短剣術Ⅰ》を獲得しました。
>スキル《暗器術Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《手加減》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《強打》のランクが上昇しました。
「・・・そこかっ! 」
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《回避》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《加速》のランクが上昇しました。
父さんは投擲攻撃を華麗に避けると、射出場所から母さんの存在に気づいたようだ。
・・・恐らく、『直感』と『気配感知』とかも使ってる。
「『炎の力よ、今こそ我が二振りの剣に集い、力を貸せっ! 〝十字炎剣〟』っ!!」
そして、母さんに気づいた父さんは、詠唱をして双剣を斜めに交差するように切りおろし、クロス型に炎を纏った斬撃を飛ばす。
>スキル《剣術Ⅰ》を獲得しました。
>スキル《双術Ⅰ》を獲得しました。
>スキル《火魔法Ⅰ》を獲得しました。
>スキル《魔法剣Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《気術》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《手加減》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《強打》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《魔導》のランクが上昇しました。
なるほど。この世界の戦闘方法は、魔法付与とかする魔法戦士型か。あとなんで『気術』も? ・・・いや多分、あの斬撃に魔法だけじゃなくて、気も乗せたのか。
そして『十字炎剣』──今更だけど厨二臭──を放たれた母さんは、すかさず目の前に水の壁を作りだす。
「『水よっ! 〝水壁〟』っ!」
って詠唱短か・・・そういや、母さんも『詠唱省略』持ってたな。
んで、〝水壁〟によって炎の攻撃は防がれたが、一緒に合わせられた気までは防げず、気の攻撃を食らってしまう。
「っく……」
>スキル《水魔法Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《詠唱省略》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《防御》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《結界》のランクが上昇しました。
「『〝土煙〟』『闇の力よっ! 〝闇矢〟』『闇の力よ、解き放て。恐れよっ! 〝恐慌〟』」
そして、母さんはまた新しい魔法を三つ打つ。・・・いや、〝恐慌〟はそのまま放つんじゃなくて〝闇矢〟に付与して撃ったみたいだ。
なるほど。闇系のやつはこうやって使うことが出来るのか。
>スキル《土魔法Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《闇魔法》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《詠唱省略》のランクが上昇しました。
あと俺もゲット&成長する。
母さんが放った〝土煙〟により視界が悪くなり、父さんが〝恐慌〟付きの〝闇矢〟を避けられずにそのまま当たってしまう……が。
「ぬぅ……おぉぉっ!!」
父さんはオーラを1段階強化することによって、恐慌状態を飽和させた……ってはい? 意味わからんのだけど?
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《霊力制御》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《気術》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《身体強化》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《抵抗》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《結界》のランクが上昇しました。
・・・あー、なるほど。気とか魔力を無理矢理身体に循環させて、状態異常攻撃を打ち消したのか。・・・いや、意味わからんわ。
んで、攻撃を防がれた(防がれた?)母さんは、短剣を二連続で投擲して……って、あれ? さっき一つ投擲してなかったっけ? いつとりに行ってたの?
……ん? よく見ると母さんが影から短剣を取り出してる……あー、なるほど。たしか母さんの所持スキルの一つに、『闇影支配』ってのがあったし、多分それか。
──まぁ、そして。なんやかんやで攻防が始まってはや10分近くが経過していった。
……この10分の間にも、かなりのスキルが成長していった。それはもう、始まる前と比べて数十倍以上にも。
・・・ごめん、少し嘘ついた。そんなにいってない。せいぜいが3~4倍
以下が上がっていったスキル系だ。・・・ちなみに、新規スキルは一個だけだ。
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>スキル《波動察知Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《観察》《視認》《隠蔽》《剣術》《短剣術》《暗器術》《双術》《投擲》《回避》《反撃》《体術》《走行術》《強打》《魔導》《防御》《結界》《加速》《超隠密》《水魔法》《闇魔法》《詠唱省略》のランクが上昇しました。×3
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《連撃》《学習》《考察》《火魔法》《土魔法》《抵抗》《気配遮断》《霊力制御》《波動察知》《同時進行》《虚偽看破》《身体強化》《思考強化》《魔法剣》のランクが上昇しました。×2
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《挑発》《呼吸》《警戒》《威圧》《見切り》《風魔法》《気配察知》《魔力察知》《霊力察知》《思考放棄》のランクが上昇しました。×1
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後ろの×?が上がった数だ。
んで、上がってる途中でわかったんだが、どうやら耐性系スキルや回復系スキルは、見てるだけじゃ習熟度は得られないみたい。
明らかに二人とも、何度か攻撃が当たったりしてるんだが、一向に上がらないからすぐに分かった。
あ、でも『防御』や『結界』は、耐性ってよりも、守る系スキル扱いみたいだ。
あと新しい『波動察知』ってスキルに関しては、母さんや父さんが出してる音の波とか振動、予備動作を細かく調べてたらいつの間にかゲット出来た。
それ以外に成長したスキルで特に言う必要は無いかな・・・あ、一つだけあったわ。
今回の上昇で、『視認』がⅩになって『心眼』ってのに進化した。・・・うん、ついで感覚で話すことじゃないね。初めてのスキル進化なのに。
・・・まぁこんな悠長に説明していた訳だが、どうやらそろそろ決着が着くようだ。
「……そろそろ終わりにしようか」
「……えぇそうね。流石に私も手加減しながら戦うのは疲れてきたわ」
「まぁしょうがないさ。・・・最初にも言ったが、私たちが本気を出したら、それこそもっと大変なことになる」
「……そうね。私は次の一撃に、大陸が壊れない程度に、出せる限りの力を出すわ」
「ああ、なら私も次の一撃に……ほんの少しだけ本気を出す」
・・・っと、あぁ。そうそう。戦闘中ですまないが、さっきの上がったスキル系で、一つ言い忘れたスキルがある。
「それじゃあ……」
「えぇ……」
『手加減』のスキルの上昇値だ。
「『万物を定めし、龍脈の力よ』」
「『純粋で安らぎの、闇の力よ』」
その上昇値、なんと──
「『我に従い、今こそ解き放て』」
「『霊魂を飲みし、冥途の門を』」
──5だ。
「『我は龍脈を制し者ッ! 〝覇王龍剣〟』ッ!!」
「『今、ここに顕現せよッ! 〝終告ノ開門〟』ッ!!」
──次の瞬間、父さんの剣には未だかつてないほどの、計り知れない膨大なオーラが。母さんの背後には禍々しく、身の毛がよだつような扉が出現した。
そして、父さんがその膨大なオーラを纏った剣を振りかざし、母さんを一撃で仕留めようと、走り出す。
母さんの背後にある門も、扉が開き、中から怨念の塊のようなが解き放たれ、父さんに攻撃を仕掛ける。
そして、一閃。父さんの剣と、母さんの魔法がぶつかり、凄まじい衝撃が放たれるッ!
……って、俺らいること忘れてないっ!?
>スキル《竜魔法Ⅰ》を獲得しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《竜魔法》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《闇魔法》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《剣術》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《魔法剣》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《手加減》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《強打》のランクが上昇しました。
>スキル熟練度が一定に達しました。スキル《魔導》のランクが上昇しました。
>スキル《手加減》のランクが上限に達しました。
>進化条件を達成。スキル《手加減Ⅹ》が《威力調整Ⅰ》に進化しました。
あ、忘れてなかった! ちゃんと『手加減』してたっ! あとなんか『手加減』が進化して『威力調整』になった!!
それと『竜魔法』もゲットしたっ!
・・・いやってか、手加減してこれっ!? 本当に父さんと母さんの全力が気になるわ……。大陸が壊れるくらいってどのくらいだろう?
──衝撃によって砂煙が上がり、一気に視界が悪くなる。・・・そして、煙が晴れると、そこには──
「・・・ふふ、さすがアル、ね」
「ふっ、それ程でもないさ。・・・メリーを守るためにはこれくらいは強くないとな」
「・・・」
「なんだい? 照れてるのかい?」
「も、もうっ。からかわないでっ。
・・・今回の勝負、私の負けよ。降参」
「ははっ、不貞腐れてるメリーも可愛いな」
「だ、だからからかわないでってばっ……もうっ」
「・・・メリー」
「アル……」
・・・なんか、二人の世界に入っちゃってるんだけど。
俺が呆然とその光景を見ていると、オズが「ゴホンっ」と咳払いし、母さんと父さんの意識を戻す
「おとーさん、おかーさん。僕達がいること忘れてないかなー??
……別にふたりが仲良いのはいいけど、今はジークが……というか、子供の僕達がいるんだから、そういうのは二人の時にやって」
「お、おおっ! そ、そうだなっ!」
「え、えぇ、そうするわ。・・・にしても、オズがしっかりしてるのはいつもの事だけどジークちゃんはやけに大人しいわね……」
「あ、あぁ。私達の戦闘風景を見ても泣かなかったな」
「・・・将来はどんな子に育つのかしらねー?」
・・・スムーズに話を逸らしたな。ってかこの人ら、もう40代なのにイチャイチャしすぎじゃね?
……いや、ドラゴニュートとエルフだし、もしかしたらまだ40代って感覚なのか?
・・・ま、どっちでもいいか。極端かもだけど両親が仲悪いよりかはいいことだろう。
「それでは、そろそろ自己鍛錬に戻ろうか」
「私は……ジークちゃんもいるし、見学してるわ」
「おぉそうか。ではジークを頼むな」
そして、父さんはキャロ姉とオズ兄を連れて、走り込みに移行した。
・・・みんな切り替え早っ。
……よし、俺もこの間に、メニューの確認をするか。……正直、すげぇことになってそうで、恐ろしくもある。
だが、ずっと見ないわけにもいかないし、今のうちに見ないと、また沢山スキルをゲットして見るのが怖くなって先延ばしにしちゃうだろうしな。
ってことで〝メニュー〟
──そして、俺の前に、尋常じゃない情報量が流れた。
〜スキル説明〜
今回登場した〈闇影支配〉について。
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〈闇影支配〉
闇や影、暗がりを支配する者。闇、影の中に潜って移動したり、影の中にアイテムを仕舞うことができる。
他にも闇、影を操作して様々なことが出来る。付属効果として、隠密系スキルや闇魔法のスキル習熟度にプラス補正。
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