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いつか最強になるその日まで  作者: 彩京 一木
第2章 新たな人生の幕開け
5/8

4話『魔導技師の弟子になる』

今回は、真面目な話をするので、セツナの娘とはあまり絡みません。

次回にご期待下さいね?

 親から受け継いだであろう狐の耳と尻尾。そして、セツナとは違う金髪。

 大体、4歳くらいだろうか。


(聞いてねぇぇー!!)


「どうしたの?」


 幽希が返事をしなかった為、首を傾げる幼女。


「あ、ごめんな。俺はユウキ。」


「ゆーき?……じゃあ、ゆーくん!」


 それに思わず苦笑してしまう幽希。

 前世の母親が、いつもそう呼んでいたせいである。しかし、幼女は別の意味だと考えた。


「ゆーくんは、や?」


「そんな事ないよ。ゆーくんっていい呼び方だな。ありがとう。」


「やったー!あ、わたしは、ルナっていうの。よろしくね、ゆーくん!」


「ああ、よろしく、ルナ。」


 ルナはとにかく元気な女の子だ。

 幼い今でも可愛いと思うのだから、きっとモテるだろうな。なんて考える幽希。


「どうやら、仲良くなれそうだね。ルナは金狐なのもあってあまり外に出せないから、偶に遊んであげてほしい。 」


「えっと、金狐ってなんですか?」


 確かにルナは金髪だが、何故外に出せないのか分からない幽希。分かるはずもない。

 すると、ルナに聞かれたくなかったセツナは、幽希の耳元で説明する。


「私達妖狐という種族は、元々魔力の扱いに長けているんだ。でも、金色の毛を持って産まれた妖狐は、魔法系統の才能値が高く、最大魔力、魔攻、魔耐の数値が凄く高い。だからこそ、金狐と呼ばれ、高値で取引されることも多いんだ。」


 可哀想な話である。

 なりたくてなった訳でもないのに、知らない人から狙われ、自由に遊ぶことも出来ないのだ。


 しかし、幽希は1つ思いついた。


「もしかして、俺を鍛えてくれるって言ってたのは、ルナのためだったりしません?」


 特に理由もなく鍛えようとするのはおかしいと思った幽希。それは当たりだったらしい。


「おや、バレてしまったか。そうだね、歳の近い君が傍にいれば、学院に居る時も安心だと思ったんだ。まあ、本当は、自然な流れで守ってくれるようにするつもりだったんだけど……」


「そりゃ、理由もなく鍛えるとか言われたら疑問に思いますよ。まあ、そういう事なら引き受けますけど。」


 鍛えてくれる人に宛もなかった幽希は、それくらいならお安い御用だと思った様子。


 ちなみに、学院というのは魔法や戦闘技術を教えてくれる場所である。他にも選択科目のようなものもあるが、そこまでは幽希も知らない。

 セリナから聞いて、行きたいと思っていた程度だ。


 そんな事を話していると、幽希の服を引っ張る幼女が1人。


「2人のお話、よく分かんない……」


 放置されていたルナは、形のいい眉を寄せてつまらなそうにしていた。可愛い。


「ああ、ごめん……な?」


 最後が途切れているのは、変なものを見つけてしまったからだ。それは、扉から覗く女性。

 幽希の視線を辿って、セツナも扉を見る。


「おや?そんな所で何をしているんだい?ユニ。」


「もう、やっと気づいたの?ルナが出た時からここで待ってたのに。しょうがないわね、セツナは。」


 ずっとスタンバっていたらしい。

 赤い髪に、やはり狐の耳と尻尾。そして、気の強そうな台詞。口調も挑発的である。


「私がセツナの妻で、ユニよ。よろしくね、ユウキ。」


「あ、こちらこそよろしくお願いします。」


 自己紹介が終わると、幽希をじっと見つめるユニ。しばらくすると、ひとつ頷く。


「うん、悪くないわね。ルナと仲良くする代わりに、魔道具の作り方とか覚えてみない?」


「……えっと、急にどうしたんですか?」


 魔道具というのは、魔力を流して使用する機械のようなもの。武具だったり生活用品だったり、大型の物では、決闘での安全装置なんかがあるそうだ。

 幽希も、コンロもどきや、お風呂のお湯を沸かす魔道具を家で見ていた。


 何が悪くなくて、どうして魔道具の話が出てくるのか全く分からない幽希に、ユニが説明をしてくれた。


「前から、セツナはあなたにルナを任せるって言ってたのよ。話を聞いてても大丈夫そうだと思ったし、その目が気に入ったから弟子にしたいわ。」


「さすがユウキ君。何百人と弟子入りを断ってきたユニを、目だけで落とすとは。」


 真面目な顔で話していたユニを、セツナがちゃかしつつ、凄いことを言っていた。


「ちょっ、セツナさん?ユニさんって、そんなに凄い人なんですか?」


「そうだね、天才魔導技師として子供の頃から有名だったくらいさ。」


「言い過ぎよ……そういうセツナだって、あらゆる武器を使いこなす武神って言われてるじゃない。」


「私のは器用貧乏だから、1つを極めた人には勝てないと思うよ。実際に負けたこともあるだろう?」


 世間話でもするように、とんでもない事を話している2人。幽希は、芸能人と話しているような気分になりつつも、凄い人に教えてもらえる事を喜んだ。


「弟子っていうのは問題無いんですけど、セツナさんに鍛えてもらうのと両立出来ますかね?」


「ええ、大丈夫よ。無理矢理にでもやらせるから。」


「それはさすがに可哀想だよ……あ、そうだ、ユウキ君。表示板を見せてくれるかい?」


 少し震えながら表示板を見せる幽希。

 どれ程キツイのか分からない状態だが、無理矢理にでもやらせると言われれば、怖くもなる。


「言っておくけど、体力的に限界の時はやらせたりしないから。少し疲れてるからパスとか、遊ぶことを優先とかはダメって事。……ルナが遊んで欲しいって言った時は例外にしておくわ。」


「それなら平気です。努力するのは好きですから。」


 幽希が返した言葉に対して、「教え甲斐があるわ」と言って頬を緩めるユニ。

 すると、静かに待っていたルナが喋った。


「これ、凄いの?」


 指をさしたのは幽希の表示板。

 先程からセツナが見ていたのだが、気になったらしい。

 そして、顔を上げたセツナはこう言った。


「こっちも、鍛え甲斐がありそうだね。」


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 名前:ユウキ・アステラード 種族:人間


 ステータス Lv1


 自然回復力 : F


 最大魔力 : 579

 最大体力 : 210

 筋力 : 78

 魔効 : 167

 敏捷 : 42

 物耐 : 21

 魔耐 : 135


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「何よ、これ……?最大魔力と魔効、魔耐が高すぎるわ……他の数値だって、Lv1の人間とは思えない高さよ。」


 ユニから、「本当は人間じゃないとか?」等と言われる幽希だが、そんな事は無い。

 ステータス強化シリーズを、全て3まで上げたのだ。なお、筋力は最初に5まで上げている。


 上から順に強化した方法を説明する。

 自然回復力は、怪我をしないとダメだと思っていたが、筋肉痛でも上げられる。


 最大魔力は、魔力の消費か、体内の魔力を動かすことによって魔力回路を傷つければいい。


 最大体力は、普通に疲れればいいだけ。


 筋力は、運動をすればいい。


 魔効は、魔力操作を続ける事で、魔力の質が上がり、それが魔効という訳だ。


 敏捷は、走ったり足を鍛えればいいのだが、家の中では難しかった為、大して上がっていない。


 物耐は、怪我をしなければ無理のようだった。筋肉痛は不可。


 魔耐は、魔力操作でいつの間にか上がっていた。詳しくは知らないので、そのうち検証してみたい。


 家の中で出来る事。そう限定されると、魔力操作を練習する時間が増えるのは必然。

 ある程度経つと、普段の生活をしながらでも練習出来るようになり、1日の練習時間も増えた。

 現在、魔力操作も5になっている。


 それだけやっていれば、才能値が5の筋力よりも魔力関係が高いのは仕方ない事なのだ。


「まあ、色々あるんですよ。」


「何よそれ……いえ、魔力が高いのは好都合だし、構わないわ。」


「ゆーくん、すごーい!」


 ユニが詮索をしない事を決めた所で、ルナが幽希を褒めた。多分、話の内容は大して分かっていないだろうが。


「今すぐにでもユウキ君を鍛えてあげたいところだけど、それよりも、ルナが遊んでほしそうだね。」


「え?ああ、確かに。」


 幽希がルナの方を見ると、落ち着きがなくソワソワしていた。初めて歳の近い友達(見た目は)が出来て、遊びたくなったのだろう。


「ルナ、一緒に遊ぶか?」


「うん、遊ぶ!」


 この後、十数年ぶりに鬼ごっこをした幽希だが、ステータスの恩恵が身に染みて分かった。

シェドのステータスはそこまで高くありません。というか、人間は基本的に低いです。

そのうち、セツナのステータスとかも出したいとは思うんですけど、どのくらいにするべきか迷いますね。

次回もお楽しみに!

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