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いつか最強になるその日まで  作者: 彩京 一木
第2章 新たな人生の幕開け
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3話『澄んだ魂』

いい加減、ステータスを出してみました。

それと、今回で一気に6歳になります。

 あれから3日経ち、横になって魔力操作を練習している幽希が呟く。


「あー、3までは遠いなー……」


 幽希が呟いた数字は、『魔力操作』の才能値だ。

 昨日、習熟度について調べようとした時に、変化があった。


【魔力操作にポイントを振りますか?】


 特に分からないまま条件をクリアしていたらしい。当然、ポイントは振った。

 更に、確認のためタップ。


【魔力操作の習熟度が足りません。327/1800】


 最初に見た時は分からなかったが、数字が変動した後なら、幽希にも分かる。

 今回は条件が完全に不明だったが、これまでやったことを振り返れば自ずと答えは出てくる。


『魔力操作』に関することは、1つしかない。

 それは、練習時間だ。

 朝起きてから1時間。その後はしばらく眠り、1時間半。1日2時間半程を2日続けた。


 合計で5時間という事は、300分である。

 セリナとの練習で20分やったのを考えれば、大体同じだ。


 これで、『魔力操作』については分かった。

 他の才能も、同じようにやっていけばそのうち分かるだろう。幽希はそう考えている。


(まあ、30時間くらいなら、毎日続けてれば問題ないよな。)


 日課にしている魔力操作が終わると、リビングへと向かう幽希。

 すると、部屋の中には真剣な顔をするシェドの姿があった為、何となく隠れた。


 よく見ると、シェドの手には、透明な板が握られている。


「ちっ、また体力が下がってやがる。最近Lvなんて上げてないからな……」


(あ、そういえば、ステータスもあるんだっけ。完全に忘れてた。ありがとう、父さん。)


 心の中でお礼を言いつつ、今度は普通に入っていく幽希。それに気づいたシェドは、板を離した。だが、そのまま落ちるかと思われた板は、すっと消える。


「お父さん、それどうやったの?」


「ん?これか?自分のステータスを見たいと考えれば、出てくるんだ。で、消したい時は離せばいい。表示板ってんだ。」


 そう言いながら出したり消したりするシェドだが、相変わらず子供にする説明ではない。

 既に、幽希を普通の赤ん坊だとは思っていないようだ。それも当然ではあるが。


(センスの欠片もない名前……ゲームのステータス画面を思い浮かべるんだ……出てこい!)


「あ、出た。」


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 名前:ユウキ・アステラード 種族:人間


 ステータス Lv1


 自然回復力 : H


 最大魔力 : 17

 最大体力 : 8

 筋力 : 9

 魔効 : 4

 敏捷 : 4

 物耐 : 2

 魔耐 : 3


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「まあ、最初はこんなもんだぜ。体がデカくなれば、それに合わせて高くなっていく。」


 幽希のステータスを見ると、自分の表示板を渡してくるシェド。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 名前:シェド・アステラード 種族:人間


 ステータス Lv23


 自然回復力 : E


 最大魔力 : 184

 最大体力 : 822

 筋力 : 561

 魔効 : 86

 敏捷 : 267

 物耐 : 445

 魔耐 : 179


 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


(これが高いのかは知らないけど、物理特化だよ、これ。敏捷もそこまでじゃないから、一撃が重いタイプの武器を使いそう。というか、苗字があるって事は貴族なのか?)


「最近1週間に2回しか鍛冶しないからなぁ。体力が落ちてきて大変だぜ。」


 幽希の予想は見事に外れ、それどころか、武器を持つ仕事ですらなかった。

 それより、気になることがある幽希。


「ステータスって下がるの?」


「ああ、上がらないのに下がるなんて、酷ぇよな?この辺はそんなに魔物も居ねぇし……」


 ステータスの仕様は、Lvと同時に上昇。

 訓練等により維持することは出来るが、何もしなければ少しづつ下がっていくらしい。


「そっか。ありがとう、父さん。」


 お礼を言われたシェドは、照れている。


「大したことはしてねぇがな。」


 正直、筋肉ムキムキのシェドが赤くなっても、需要は無いだろう。幽希はそっと去る。



 ――――――――――切り取り線――――――――――



 外に出られないうちは、毎日何もする事が無く……簡単な運動と魔力操作が限界であった。

 その程度なら、あっという間に終わる。


 それ故に、あれから5年半は文字を覚え、両親と楽しく過ごし、この世界の常識を身につけていたのだ。


 そしてようやく、その枷から解き放たれる時がやってきた。(大袈裟)


「本当は心配なんだけど……外に出てもいいわ。でも、危ないことはしないでね。」


「分かってるって。」


 言葉通り、心配そうな顔で幽希を見ているセリナ。親バカで過保護なのは問題だ。


 実は、3歳の時に「外に出てもいいか」と、聞いたのだ。すると、シェドからはいい返事が貰えたのだが、セリナは全力で反対した。


 魔物が出るかもしれないし、ユウキが可愛いせいで攫われてしまう、と。

 ……ちょっと何言ってるか分からない。


 6歳くらいになれば家に居るだけの方がおかしいし、出してやったらどうだ?等と言ってシェドが説得してくれたので、現在外に出られる訳だ。


「行ってきます!」


「「行ってらっしゃい。」」


 初の外。生憎の曇り空ではあるが、幽希の心は晴れ渡っているようだ。

 殆ど出たことのない外へ、1人だけで出る事が出来るというのは、開放感がある。


(きっと、刑務所から出てくる囚人もこんな気持ちなんだろう……シャバの空気……いや、別に家の中が嫌だったわけじゃない。)


 立ち止まって、行き先を考えていた幽希だが、この村の規模を把握する事に決めた。


「まずは、その辺を見て回ろうかな。」


 この村は、そこまで広くはない。

 なので、普通の6歳児でも道に迷ったりする事はないはずだ。


 そして、お隣さんを通り過ぎようとした時、早速声がかけられた。


「ん?ユキちゃんじゃないかい?こんにちは」


「あ、ミーナさん。こんにちは!」


「ようやく、セリナが出してくれたんさね。全く……子供に対して過保護すぎるんだよ、セリナは。それも仕方ないとは思うけどねぇ。」


 何が仕方ないのか聞きたくてうずうずしている幽希だが、教えてくれなさそうなのでやめておく。


 この女性は、時々遊びに来ている為、優希も面識があったのだ。

 アステラード家は人が集まるのにはうってつけであり、セリナのママ友だったり、普通に友人だったりが、遊びに来ている。


 それに対して、シェドは人を呼ぶのではなく、自分から行くタイプなので、幽希の知り合いには男性が殆ど居ない。

 そろそろ剣なんかを教えて欲しいと思っているのだが、女性に頼むのはあまり気が進まない幽希。


 ちなみに、武器の扱いを学びたいのには理由がある。今のところ3つだ。


 まずは、この世界では法整備が整っていない国が多い。それにより、治安が悪い国も多いだろう。なら、返り討ちに出来る強さを得る。


 次に、魔物を倒せるようになるというもの。

 冒険者ギルドというものがあり、魔物退治から採取、雑用まで、それこそ何でも屋のような所があるのだ。

 そこで魔物の素材や魔石と呼ばれる魔物の体内から取り出せる核を売れば、金に困ることは無い。


 最後、これが1番重要なこと。

 既に知っての通り、表示板という能力値を数値化した不思議アイテムがある。というか、出せる。

 なら、それを基準に、自分が1番である事を示せるのではないか。

 世界中を旅して、強いと言われている者達を倒し、有名になる。そうすれば、強者達が集まってくるのではないか。


 地図を見た幽希は、この世界は地球と大差ない事を確認した。それなら、観光をしながら回っても40まではかからないと思っている。


 目指すは、世界最強。誰にも言ったことは無いが、無茶なのはよく分かっている。

 だとしても、幽希には才能値にポイントを振る能力があるし、ステータスも際限なく上昇する。

 可能性が目に見えているのに、諦める事は幽希の心が許さないのだ。


 その為には、武器の扱いを覚える必要がある。


 閑話休題。



「あと、ユキちゃんはやめて下さいよ。それだと、俺が女の子みたいじゃないですか!」


「大丈夫さね。そこそこ目付きが悪いから勘違いはされないよ。女装すれば別かもしれないけどね。」


「絶っ対にしません。」


 あっはっは!と、豪快に笑うミーナ。

 いくら言っても聞いてはもらえないだろうと、幽希は話を終わりにする。


「じゃ、俺は行きますね。」


「あいよ、気をつけて行ってきな。」


 セリナと同じように言ってきミーナだが、幽希は6歳であり危険が多いのも事実なので、頷いてから歩き出す。


 それからも2、3人とすれ違ったりしつつ、村を見て回った。店が全然ない。

 幽希が聞いた話では、村を出て1時間程すると街があるらしい。


 とはいえ、行く用事もないので、ずっと行きたいと思っていた場所へ向かう。

 そこは、村の端であった。

 幽希が転生者であることを見抜き、狐の耳や尻尾が生えた白髪の男性。


 ――コンコン


 幽希がドアをノックする。

 決して狐の鳴き声ではない。そもそも、狐はコンとは鳴かないが。


 少し待つと、足音が聞こえてきた。


「どちら様で……ああ、君か。久しぶりだね。遅かった理由はシェドから聞いてるよ。」


「ええ、お久しぶりです。よく覚えてましたね。正直忘れてると思ってました」


「ははっ。ともかく、よく来てくれた。散らかってるけど、上がってくれ。」


 そう言って家の中へ入っていく。

 それに続いて幽希も入るが、散らかってるようには見えない。


「君は特徴的な魂だったからよく覚えてるよ。それに……シェドがやたらとユウキ君の話をするから、ね。」


「……特徴的な、魂?」


 一体何の話なのか全く分からない幽希は、オウム返しをしてしまう。


「そう、魂。私の目は魔眼と呼ばれるものの一種で、相手の魂から、年齢や性格、善悪の有無なんかが分かるのさ。」


(そういえば、そんなものもあったような。)


 才能リストを眺めている時に、魔眼もいくつかあったのを覚えている。


「君の魂は、明らかに赤ん坊のものでは無かったし、澄んでいた。」


「転生者なのがバレた理由は分かりましたけど、澄んでるってどういう事ですか?」


 幽希が質問すると、「ああ、それはね」という前置きをしてから説明を始める。


「悪い事が許せない、正義感の強い人は光を放っている。逆に、盗賊だったり国民を物だと思っているような王は濁っているよ。」


「じゃあ、澄んでいる場合は?」


「悪い事は嫌だと思っているけど、自分に被害が無ければ、しょうがないと割り切れる。客観的に物事を捉えられるから、人に寄り添える人、かな。まあ、例が少ないから、絶対ではないけどね。」


 そう言って、懐かしそうに目を細めるセツナ。もしかすれば、良く知った人物なのかもしれない。


「なるほど……よく分かりました。それで、どんな話をしたいんですか?」


 態々家まで来させて、これだけって事はないだろう。そう思った幽希は、ストレートに聞いた。


「別に、大した事じゃないさ。ただ、ユウキ君に戦う術を教えてあげようと思ってね。」


 セツナの言葉で、幽希の目が点になる。

 きっと、何かして欲しい事があるんじゃないかと思っていたのに、むしろ、教えてくれる人を探していた所でこの提案。

 当然、受けるに決まっている。


「あと、妻と娘に会って行くかい?」


(へ?ちょっと待て)


「今、何て?」


 ……2人で話していたから気づかなかっただけで、セツナは既婚者であり、娘が2人も居るのだ。


 噂をすれば、扉の開く音が。


「おにーちゃん、だぁれ?」

セツナの子供。

奥さんを出すべきか迷ったんですけど、ちゃんと居ます。実の親です。


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