表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつか最強になるその日まで  作者: 彩京 一木
第2章 新たな人生の幕開け
3/8

2話『セリナの魔法』

ステータス要素はまだ出ませんよ?

それと、理を統べる転生者の方を更新出来なくてすいません。

明後日までにはあっちも更新しますので……

 あの日から2週間、ずっと足や手を鍛え続けた。

 とはいえ、赤ん坊の体では大した事は出来ず、横になったまま足を上下させたり、腕を持ち上げたりしていた。


 その結果……


「ユウキ、凄いわ〜!もう歩けるなんて……きっとこの子は天才ね!」


「つっても全部1なんだろ?天才は言い過ぎだと思うがな。……まあ、歩き始めるのは早いか。」


 リビングにて親バカになっているセリナと、冷静に指摘しつつも、笑っているシェド。


 そう。見事、歩く事に成功している。

 本当は、昨日の夜には歩けたのだが、上手くバランスがとれず、フラフラしていた。

 なので、歩く練習をして今日がお披露目になったのだ。


 才能値というのは、高くとも爆発的に成長出来る訳ではないが、成長速度や成長限界が遥かに上がる。

 それに加えて、歩く事を意識して鍛えていたのだ。起きている間の7割も。


(すること無かったからなー。でも、これで本格的に行動できる!魔法とかもあるみたいだし)


 常に鍛えるのは流石に無理があった為、休憩している時はリストを眺めていたりした。

 そこには、『~魔法』という項目があり、関連するものに『魔力の器』というのがあった。

 パッと見分かりづらいかもしれないが、魔力の最大値が増えやすくなるものだ。


 ついでに、『魔力操作』というものがあったのだが、魔力の使い方自体を知らない為、今のところ何も出来なかった。


 そして、魔法について聞くには、言葉を話せなければいけない。


 そんな訳で、


「天才じゃない、でも、頑張った。」


「「え゛」」


 普通に喋れるようになった。


 ……さすがに才能リストばかり眺めていても飽きるのだ。で、別の事をしたいと考えていた時、ふと思いついた事があった。


 それは、『身体操作』『筋力強化』なら口にも効果があるのではないか、というもの。

 鍛え始めて3日でこれを思いつき、2人の居ない時に発声練習をしていた。


「驚かせてごめん。でも、2人と話したかったんだ。」


(主に魔法についてだけど。)

 そんな心の声は押し留めて、なるべく子供らしくニッコリ笑う。


「か、可愛い~!」


「ありがと。」


 かなり短い言葉で話す幽希。先程のような長文はまだ難しいのだ。そして、「いや、目が怖ぇよ……」という言葉が聞こえた気もするが、華麗にスルー。


(さて、一応確認しておこう)


「魔法、使える?」


「私が?……そうね、結構自信あるわ。」


「上級まで使えるからな。セリナは凄いぞ?」


(……これはラッキーだな。というか、上級ってなんだ?どう別れてるのか気になる。)


「じょうきゅうって何?」


 無垢な子供を演じながら、魔法について聞いてみる。


「魔法はね、初級、下級、中級、上級、超級、超越に別れてて、初級は練習用の……って、そんな事言っても分からないわよね。」


「うん、分かんない。」


(ごめんなさい。本当はよく分かりました。でも、超越だけ級がつかないのは不思議だな。)


「それで、魔法がどうしたの?見たい?」


「教えて欲しい」


「分かったわ。じゃあ、まずは魔力を感じましょうか。」


 一連のやり取りを見ていたシェドはこう思う。「魔法の事はいつ知ったんだよ!」と。

 普通なら疑問に思うはずだが、親バカスイッチの入ったセリナには関係ない。


「私がユウキの魔力を動かすから、流れを感じて。感じ取れたら、ユウキも動かすのよ。」


 そういって幽希の手に触れると、魔力を動かし始める。


(血流みたいだな。いや、実際に感じたことはないから、イメージだけど。)

 自分でもやろうとする幽希だが、そう簡単には出来ない。元々魔力の無い世界から来たのだから。


 それを続けること20分。

 ようやく、成果が現れた。


「うー………あっ」


 皺を寄せて唸っていた幽希が、少しだけ嬉しそうな顔をする。そして、セリナは幽希に対して驚きながらも微笑む。


「ちょっとだけ動かせたわね。凄いわ……!」


「おいおい、マジか?この短時間で?」


 少しだけとはいえ、赤ん坊が短時間で出来る事ではない。この20分の間、幽希が全神経を集中していたからこその成果だ。


 ちなみに、ポイントを振って効率良くやろうとしたのだが、それは出来なかった。

 実際に試した時、これが出てきたせいで。


【魔力操作の習熟度が足りません。0/180】


 この数字については単位が分からない為、放置している。

 だが、この数字を上げればいいのは分かった。


 次に、このシステムが嫌だと思う人は多いはず。なぜなら、上げたとしてもスキルを覚えるわけでは無いのだ。更に言うなら、これはゲームではなく現実である。


 しかし、一部の変態には当てはまらない。


 そう、幽希のように、「しゃあ!やってやるぜ!」という感じになる人もいるのだ。


「もういっかい。」


「まだやるの?疲れたと思うんだけど……」


 そう言いつつも、もう一度幽希の魔力を動かし始めたセリナ。少し心配そうだ。


(コツは掴んだ……あとは、それを忘れないように繰り返す!)

 ゆっくりと、しかし、確かに自分の意思で魔力を動かした。


「ど、どうなんだ?」


 幽希の真剣な顔を見て、1人だけどうなっているのか分からないシェドが尋ねる。


「これなら、後は1人でも練習出来るわね……」


 顔には「さすが私の息子」と、書いてある。

 それを見たシェドは呆れ顔だが、親バカにはそんなもの通じない。


「……寝る……」


「あ、疲れたみたい。魔力は消費してないけど、最初のうちは疲れるもの。」


(体は動かしてないのに……魔力って一体……)

 セリナは素早く抱っこして連れていこうとするが、既に限界だった。


「おや、すみ」


「ええ、おやすみなさい。」


 そして、1人残されたシェド。

 凄く微妙な顔になっているが、それを気にしてくれる人は幽希の世話をしている。


「俺、何もしてやれてない気が……」


 やはり、聞いていた者は誰もいなかった。



 ――――――――――切り取り線――――――――――



 魔力操作を覚えた次の日。


「今日は魔法を使ってみる?」


「やりたい。」


 残念ながらシェドは仕事で不在だが、教えてもらう分にはセリナに頼める。


(父さんの仕事……何なんだ?筋肉は凄いから、肉体労働なのは間違いないけど。)

 そんな事を考えながら、セリナと共に移動する。向かう先は家の庭だ。


「お庭が広くて助かるわね〜。ユウキを外に出すのは早すぎるもの。」


 庭だけではない。屋敷のように部屋が多く、広いのだ。そして綺麗。

 幽希の推測は、どちらかが貴族なのか、シェドが大金を稼いでいるか。


(まあ、そのうち聞けばいいか)


「さ、まずは私がお手本になるから、よく見ててねー?」


「うん。」


 返事を聞くと、幽希ほ目の前に指を立てて、詠唱を始める。


「我が指先に、灯火を……トーチ。」


 ――ボッ


 すると、ライターで付けた時と同じ大きさの火が。これを見た幽希の目は、本当の子供のようになっている。


(火は小さいけど、魔法だ!でも、随分詠唱が短いんだな。)


「練習に使う初級魔法なんだけど、普通はこれで魔力の動かし方を覚えるのよ。」


 そうしなかったのは、セリナがやれば長く感じられるし、魔力を消費しないからだ。

 それなら、皆その方法でやればいいと思うかもしれないが、それは不可能に近い。


 魔力というものは本来、体内のものを動かすので精一杯だ。セリナが優秀だからこの方法を選べただけである。


「それじゃ、やってみましょう?」


「うん。我が指先に、灯火を……トーチ!」


 初魔法という事で少し気合を入れて詠唱した幽希だが、出てきたのは今にも消えそうな火。

 思わず苦笑いしてしまう幽希に対して、セリナは喜んでくれた。


「ちゃんと使えて良かったわね!」


「そうだね。」


「次は下級を教えてあげたいところなんだけど、お勉強しなきゃ出来ないのよね……」


 実は、詠唱で使えるのは初級のみなのだ。

 難しい魔法程、詠唱が長くなってしまう為に、下級からは別の方法をとる。


 しかし、幽希はまだ0歳。

 親バカの補正で流されているが、勉強まで出来てしまえばおかしいと思われるだろう。


「じゃあ、今度。」


「分かったわ、もう少し大きくなったら。……多分、体がだるくなってるでしょう?魔力が少なくなるとそうなるの。忘れないでね。」


 確かに、幽希は先程から体がだるいと思っていた。そして、少なくなっただけでこれなら、無くなったらどうなるのか気になってもいる。


「でも、お手本は見せましょうか。元々、その為にお庭まで来たの。」


 そう言うと、被害を減らすために斜め上へと手を向ける。

 さすがに、トーチのような弱い魔法のために外へ出た訳ではないらしい。


 そこで、セリナの手から魔法陣が現れた。すると、魔法を発動せずに説明を始める。

 なお、分かりやすく噛み砕き過ぎて長かった為、まとめたものを伝える。


 魔法陣にした理由は3つ。

 1つは、先程の通り詠唱が長すぎる事。

 2つ目は、アレンジがしやすい事。


 そして3つ目は――


「魔法陣を消さなければ、連続で発動出来ちゃうのよ。こんな風にね〜。」


 すると、光を放つ魔法陣から炎の槍が5本続けて放たれた。

 雲を突き抜けたりはしなかったが、かなり上空まで飛んでいた。


「あ、私ったら。ユウキはまだ分からないのに、ついやっちゃったわー……」


(ああ、魔法の事になるとスイッチが入る人なんだ。一応母親なんだけど可愛いな。)


 セリナの年齢は19なので、照れている姿も可愛らしいのだ。

 ちなみに、シェドは32歳というそこそこ歳が離れている夫婦なのだが、セリナが大人っぽい雰囲気である為に、幽希は全く違和感を感じない。


 と、そこで突然、大きな声が聞こえてくる。


「セリナさん!何かあったんですかー?」


 目を向けた居たのは、玄関から様子を伺う男性。かなり身長が高い。


「え?狐?」


「おや?君は……」


 訝しげな表情をする男性。

 しかし、今はそれどころではない。


(なんだその耳は!本物か?本物なのか!?)

 頭の上にある2つ耳は、どう見ても偽物ではない。それに、普通ならある場所に、耳が無かったのだ。


「すいません、セツナさん。さっきのは、ただの試し打ちなんです……」


「あー、そういう事でしたか。私はてっきり飛行型の魔物が出たのかと……あはは。」


 その言葉にセリナは苦笑い。「そんな事あるわけない」と、そう言いたげな表情である。

 恐らく、セツナは天然だろう。


「そういえば、その子は養子ですか?」


「あ、いえ。この前、森で拾った子なんです。もう歩けますし、言葉も話せるんですよ?」


 普通ならありえないと否定されるような事を言われたが、セツナは少し驚いただけで納得顔になる。


「凄いですね。……ふむ、耳、触るかい?」


「えっと、はい!」


 チラッとセリナを見た幽希だが、頷いてもらえたので素直に返事をする。

 すると、セツナは幽希のすぐ側に来て触らせてくれたのだが、こんな事を耳打ちされる。


「君は、転生者かい?」


「っ!?……どうして、分かったんですか?」


 その質問に驚いた幽希が、更に質問で返す。

 セツナは質問をしたが、確信を持って聞いている事が何となく分かった。

 そして、それならば、誤魔化しても無駄だろうと思ったのだ。


「そうだね、その事も含めて、今度ウチで話してみないかい?」


(どんな意図があるんだ?……でも、悪い人には見えないし……)


「分かりました。外に出る許可が貰えたら、伺います。」


「ああ。楽しみにしてるよ。」


 幽希を撫でて、ニコッと笑うセツナ。

 そのあとは、普通に耳を触らせてもらった。


(居るだろうとは思っていたけど、実際に見たら驚くもんだな。ほうほう、髪とは少しだけ毛の質が違うのか……)


 そんな幽希の様子を見ていたセリナは、頬に手を当てて困り顔をしている。


「あらあら、私よりもセツナさんに懐いてしまわないかしら……名前も似てるし……」


 ちなみに、セツナは耳が良い為、その呟きが聞こえていた。

 ……セリナの言葉に苦笑したのは言うまでもないだろう。

セリナとセツナ。

名前似てるなーと思ったんですけど、あえてそうしました。

魔法陣とかの設定は、少しだけ考えてあります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ