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スキルと新たな問題


相手のことを知るのも大切だが、同時に自身に何ができるのかを把握するのも重要ということでスキルについて詳しく調べることにした。

ステータスから各スキルに意識を向けると次々と情報が浮かび上がってくる。



――――――――――――――――――――――――

彼方 上岸 (16)


体力 (100%)

魔力 (100%)


状態 良好


スキル

【剣術:3】【弓術:3】【超回復】【属性適性(全):3】【結界術:3】

【付与魔術:3】【召喚術:3】【錬金術:3】【鍛冶術:3】【鑑定:3】

ギフト

【魔力の源泉】【世界知識】【アイテムボックス】【ステータス】

――――――――――――――――――――――――



【剣術】:もっとも一般的な武術で攻守ともに優れる。反面リーチが短く近接攻撃を得意とする。


【弓術】:遠隔攻撃に特化した武術だが近接戦が苦手。『短剣術』などと併用してとられることが多い。


【超回復】:体力や傷の治りなどを早くする。特殊スキルであるため熟練のアップは存在しない。


【属性適性(全)】:基本属性の火、水、土、風、光、闇、無に加え上位属性の爆、氷、木、雷、聖、毒が使える。属性をより深く理解することで効果や効率が上がっていく。


【結界術】:さまざまな種類、効果の結界を張ることができる。こめた魔力分だけ持続するが外部から魔力を供給することで効果時間を飛躍的に伸ばせる。


【付与魔術】:物や生物に属性や特性を付与できる。こめた魔力分だけ持続するが外部から魔力を供給することで効果時間を飛躍的に伸ばせる。


【召喚術】:自身の魔力にかりそめの生命と肉体を与え従える。《従魔の書》を呼び出し魔獣の魔石を取り込むことで召喚できる魔物が増えていく。《従魔の書》には行動を蓄積・共有する能力があり、さまざまな行動をさせることで強く賢くなる。行動によっては極まれに新種が登録されることもある。

現在は低位モンスター100体、もしくは中位モンスター10体の召喚が可能。


【錬金術】:魔力によって物質を変換、変性させる。無から有を作り出すことはできないため何かしらの素材、触媒を必要とする。


【鍛冶術】:あらゆる武具、道具を作るのに必要なスキル。金属の加工を主とするが革や木の加工も行える。


【鑑定】:見た物を見極めることができる。情報の正確さは本人の知識に依存する。



『剣術』『弓術』『超回復』『鍛冶術』『鑑定』については多く説明を必要としないだろう。

問題はそれ以外の5つだ。


まずは『属性適性(全)』。

これは前世での科学知識を使えばいろいろと応用が利くだろう。

しかし、闇、爆、雷、毒については長い時の中で忘れ去られ遺失魔法として文献にすら残っていない。

もしこれら4属性を人前で使った場合、何かしら面倒が起きるのは必至だろう。


『結界術』は聖属性に似たような魔法が存在するが、より応用の幅が広く強力なのだ。

前世の小説などから概念を持ち込んでスキル化されたため、この世界で結界術を知る人間はおらず、よって俺が結界術の始祖となる。

これも何かしらの面倒事を呼ぶだろう。


『付与魔術』は技術の大半が失われ、武具に魔力を通すことで強化するのみとなっている。

ごくまれに特定の素材を使い魔力を込めながら鍛えた武具には属性が宿ることがあるのは知られているが、体系として昇華するに至っていないのだ。


『召喚術』も超文明時代には自身の分身を作り出してサポートさせるという魔法が存在していたが、これも失われている。

同時に持ち込んだ知識と融合したせいで魔物を従えるスキルへと変化しており、魔物を従えるという発想すらないこの世界ではいらぬ騒動の元となるだろう。


『錬金術』もだいぶ劣化してしまい、現在では簡単な薬を調合する程度の『調合術』として知られている程度である。


つまりだ、これらのスキルを使う限り何かしらの厄介事に巻き込まれることは確定しており、同時にこの世界の発展のためには使わざるをえないのも事実である。

そのためにはまず確固たる地位が必要だ。

何者にも干渉されず、たとえ権力者であってもはねのけるための地位が。

それに技術を悪用して悪事に加担されるのも業腹だ。

それらをまとめた結果一つの答えが浮かび上がった。


そうだ、国をつくればいい。

自身をトップとして常に見張りを効かせていれば早々悪用もされないだろう。

同時に管理者からの頼みである「人類の版図を広げる」という目標も達成できる。

まさに一石二鳥だ。

幸いにも召喚術のおかげで味方はいくらでも増やせる。


しかしそれにはいくつも問題がある。

国に必要なものはまず土地、そして人だ。

人は土地さえあれば何とかして呼び込めばいい。

だが土地に関してはそうもいかない。

文明崩壊後人々が散っていったのはより安全な地を求めてだ。

つまり今現在安全である土地にはすでに国があり、新たな国をつくるには新しく土地を探さなければならない。

よしんば国ができたとしても国交は重要であり国の生命線だ。

完全自給できるならば別であるが。


いっそのことチートを使って秘境を開発したらそのまま引きこもるか?


だがその場合技術発展を享受できるのは自国のみとなる。

何ともままならぬものだ。


いっそのこと国の前身となる組織から始めるのもいいかもしれない。

信頼できる仲間を集めて商会を立ち上げ少しづつ技術を流していく。

ゆくゆくは組織を大きくして商国を名乗るのもいいだろう。

流通を握ってしまえばあとはどうにでもなる。

商人を敵に回した国ほどもろい物はないということだ。

商会の元締めであれば一国の王でさえ下手な対応をするわけにはいかない。


うん、何とか現実味を帯びてきたかな。


まずは自身の強化、そして仲間を集める必要が出てきた。

いまだ召喚できる魔物は存在せず、増やすためにはさまざまなモンスターの魔石が必要になる。

しばらくはスキルを隠しながら冒険者として魔石を集めつつ人々との交流を深めるのがいいだろう。

方針は決まった。


なに、管理者が言うことが事実であれば時間はいくらでもある、着実にやっていけばいいさ。



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