荷物チェックは重要です
方針が決まれば次は持ち物チェックだ。
『アイテムボックス』と念じてアイテムリストを開く。
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水筒
携帯食料×10
革鎧(一式)
革ベルト
短剣
ロングソード
コンポジットボウ
矢×100
砥石
周辺の地図
銀貨×10
スライムの核
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アイテムに武器と防具があるのを見て愕然とした。
「もっと早く確認しておけばあんなに苦労しなかったのに……」
というかこっちに送る時点で装備させておいてほしかった。
がっくりとうなだれながらそれぞれ取り出して着用していく。
革鎧は機動性を意識しているのか軽く可動範囲も広い。
反面関節部分の隙間が広く弱点になりやすいようだ。
ベルトは肩から腰へとクロスしており矢筒が取り付けられるようになっている。
腰の後ろにはポーチが、サイド部分には小さな小物入れがついていて薬などを入れておけばすぐに取り出せそうだ。
武器に関しては特に変わったところはない。
ごく一般的に流通している物なので変に目立つことはないだろう。
剣は腰に、短剣は胸元へと吊り下げる。
銀貨はこちらでの活動資金だろう。
この世界の通貨は小銅貨、銅貨、大銅貨、小銀貨~~大金貨、白金貨があり、それぞれ10枚ごとに一つ繰り上がる。
一般的な家族がひと月暮らすのにおよそ銀貨1枚と少しかかるため、現在の所持金はおよそ半年分ということになる。
単位はGで小銅貨1枚で1Gだ。
次に取り出した地図には周辺の情報が記されていた。
近くにあるのはセリューという街らしく、ウェルド王国の南方に位置する町らしい。
年中温暖で比較的に魔物の弱い地域であるため街は大きく栄え、交易の拠点の一つになっている。
領主は温厚で善政をしいているため治安がいい半面、人の流入も多いため外へ行くにしたがって治安が悪くなってゆくのが難点であろうか。
一部にはスラムがあり、領地のうわさを聞いてやってきたもののうまく仕事にありつけず落ちぶれた者たちが住んでいるようである。
そういった場所では犯罪の温床になりやすく、後ろ暗いところのない物は一切近寄ろうとはしない。
一度スラムの排除が試みられたようだが労力に対して収支が合わないために諦められ、スラムもじきに元の規模に戻ってしまったために現在では放置されている。
とここまでが知識による情報だ。
現在地はセリューの西にある森の中らしい。
最後に取りだしたのはスライムの核だ。
短剣を突き刺してみるとそれほど硬くなく、あっさりと二つに割れる。
中からは小指の先ほどの透明な石が出てきた。
この石は魔石と呼ばれる魔物の体内で生成される魔力の結晶だ。
魔物の力の根源でもある魔力器官で強いモンスターほど大きな魔石を持っている。
また属性によって色が異なり、透明の場合は無属性をさす。
他にも魔石は自然界の魔力の濃い場所で結晶化することがあり、こちらは天然ものとして扱われる。
魔物の魔石より純度が高いため高級品として扱われるが、こういった場所は強力な魔物の住処となっていることが多い。
そのため世に出回ることはほとんどなく、一般的に『魔石=魔物から採集したもの』として扱われる。
超文明時代には人工魔石をつくる技術もあったそうだ。
いつかは自分で人工魔石を作る技術も復活させたいものだ。
ついでなので従魔の登録も行うことにした。
《従魔の書》を呼び出すと手のひらの上に広辞苑ほどの大きさの本が現れた。
驚いたことに重さは一切ない。
表面は黒の皮で装丁され、角には金の縁取りが施されている。
中央やや上には紫色の宝石が怪しく輝いており、それを囲うように銀の線が絡み合うような模様が施されている様は、いかにも魔道書と言いたげだ。
表紙を開いてみると、ちょうど1ページ目に
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Ⅰ(0/0) Ⅱ(0/10) Ⅲ(0/100)
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と書かれているのみで他のページには何も書かれていない。
おそらく魔石を呑みこませることで何かしらの変化があるのだろう。
手のひらでもてあそんでいたスライムの魔石を表紙にかざすと本に付いている宝石が淡く輝き、魔石が光の粒になって吸い込まれてゆく。
やがてすべてが吸い込まれると、同時に宝石の輝きも消えた。
試しにページをめくってみると、今まで真っ白だったページに魔物の絵と説明が書かれていた。
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スライム
Ⅲ等級
粘液状の体を持つ魔物。『環境適応』というスキルを持っているため最も種類が多くすべては把握されていない。魔力の淀みから自然発生するためすべてを駆逐するのは不可能である。体内に核を持ち、内部に魔石がある。
スキル
【体当たり】【消化吸収】【環境適応】【分裂】
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モンスターの名前の下に書かれている等級はおそらくスキル説明にあった召喚可能数のことだろう。
試しに召喚してみると目の前で光の粒子が集まりスライムの形になってゆく。
光がはじけるとそこにはスライムが一匹プルプルと体を震わせていた。
《従魔の書》の1ページ目を見ると、
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Ⅰ(0/0) Ⅱ(0/9) Ⅲ(1/100)
スライムA
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と記されていた。
おそらく従魔の管理をしやすくするためのシステムなのだろう。
なかなかに使いやすそうだ。
でもⅡ等級の表示が一つ減ったのはなぜだ?
そう思ってスライムを送還すると、表示は初めの数字に戻った。
なるほど、左は現在の召喚数で右は残りの召喚枠というわけだな。
Ⅱ等級を召喚するにはⅢ等級10体分の空きが必要で残りが9.9になったから小数点が切り捨てられたわけか。
ということはⅡ等級を召喚した場合Ⅲ等級が減るのか?
現在はⅡ等級の従魔がいないため検証は先になりそうだ。




