学生として③
「はい、それじゃあ授業を始めまーす。起立礼着席」
いやいや挨拶のテンポはやすぎるって!
でも流石はこの最上位クラス。
みんな遅れを取っていない。
「えーまずは、皆にここの校訓を紹介しようと思う。」
校訓とか懐かしいなー。
「えー、『1に筋肉、2に筋肉、34も筋肉、5に勉強』だ。わかったか?」
「いや勉強の優先順位低すぎだし筋肉好きすぎでしょ!」
父の部下を諜報員にしたり、冒険者やったり、新しい魔力の使い方作ったり、色々ぶっ飛んだことをしてきた自信はちょっとだけある。
あるけど…ここは、ここはぶっ飛びすぎだ!!
お陰でツッコミの才能が開花しちゃったじゃないか。
「暗唱するぞー『1に筋肉、2に筋肉、34も筋肉、5に勉強』」
「「「「『1に筋肉、2に筋肉、34も筋肉、5に勉強』」」」」
いやいや、みんななんで違和感なく言ってるの?
クラッセルまで、怖いって…。
「と、いうことで。まずはランニング30周だ!」
「え?いや、え??朝からですか!?」
「文句があるなら兎跳びでランニング40周だ!」
昭和の体罰教師かいな!?
「で、殿下。流石におかしくないでしょうか?」
「なんで?こういう学校なんだよ」
思ったよりもやばかった…。
「でも、レティーなら余裕あるでしょう?この僕に勝てるんだから」
「そうだとしても…ビート大丈夫かしら…」
「彼女はものすごくタフだと思うよ。まぁとりあえず走りに行こう」
「はい!」
「はぁ、はぁ、はぁ‥」
シンプルに兎跳びで三十周がものすごくきついのだが、ここまで広いグラウンドをだったとは‥。
「うっ、はぁはぁっ。だめだ、レティーに情けないところを見せるわけにはっ」
どういう光景だろうか。
この国の王太子が吐血しながら全力で兎跳びをしている。
そして、周りにマッチョが二人と美女。
‥‥‥‥
「なかなかだが、これで音を上げているようじゃこの先ここで生きていけないぞー!!」
体育教師あるあるの、一人だけ飄々とした顔でメガホン片手に叫んでいるザリギドル。
「っ先生もやってくださいよ!」
「がんばれがんばれー!先生は、見守るのが仕事なんだーー!」
「っなんですか、そのいい分は!」
ビートが思ったよりも体力があって周りのマッチョたちと同じくらいがんばれているのはよかったけれど、危険な状態の王子がめちゃくちゃ心配である。
「レティー、‥ぐはっ、レティーっ」
なんか名前をゾンビみたいな状態で連呼していてものすごく怖い。
別に悪役令嬢相手なんだから醜態見せてもいいのに、無理しているようだ。
なんならこの完璧王子が転ぶ所とかも見て見たい。
「れ、てぃー‥」
ダメダメ駄目!
こんな意識朦朧とするまで頑張るのを見たかったわけじゃなーい!!
「はい、四十周お疲れ様」
「本当に疲れましたよっ」
久しぶりに「疲労感」というものを感じた気がする。
日本の時代は毎日感じてたのになぁ。
「じゃあ休憩がてら、制服の採寸に行こうか」
「制服‥!」
みんなでお揃いの物がきれて、何より着心地がよくて、安心感があって、可愛い!
なんだかんだ言って服の中では一番愛着があった気がする。
まあ騎士学校のものだからデザインに期待はできないけどっ
「レティー、肩かしてくれない?」
「あ、いいですよ!」
「はぁ、僕はだめだな。レティーにかっこいいところ見せようと思ったのに、こうして助けを借りることになっちゃうなんて」
「あ、あっ」
普段完璧な人が見せる不意打の憂いのある表情に、女子は弱いのである。
服に顔を埋めながら、赤面をごまかす。
「はははは速く行きましょう!」
「え?うん」
「採寸会場はこちらでーす」
制服屋さんの店員らしき人が叫んでいる。
ものすごい人混みの中に、見知った顔を見つけた。
「サシャーティー!」
「サシャーティですっ!!ああでもよかった!周りみんなマッチョだし私こんな性格だからお友達も全然できなくてえええ」
「じゃあ一緒に採寸しよう!」
「はい、師匠!」
そうして女子と男子に別れ、ビートとサシャーティと協力して採寸を行った。
「そういえば…サシャーティ嬢は随分小柄だな」
「ビート様のスタイルが良すぎるのです…」
「でも、私とも対して変わらない背丈だね」
「うっ…」
そんな話をして制服を購入しにいく。
「お会計、お一人様あたり金貨1万5000枚でございます」
「「はい」」
どどどどどうしよう!?
お金がない。
公爵からのお金の支給が日に日に減っていき、今は冒険者としての稼ぎで何とか令嬢らしくしている状態。
2人は当たり前のように払っているが、私には払えない!!!
「どうしよう…」
青ざめている私をみて、何か感じとったらしい。
「僕が代りに払いますよ」
クラッセルには感謝してもしきれないけど、早く返せるように仕事をしなければ!!!
最近忙しくて投稿できませんでした、すみません!




