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パーティっ!②

「っ、ここが食堂でしょうか‥‥」

「おそらく‥」

なんだか中からは、美味しそうな香りとともにとても人間のものとは思えないような歓声とも雄叫びとも取れない叫び声が聞こえてくる。

騒がしい日本の男子校なんて、比にもならないだろう。

動物園の猿山で、ようやく足元に及ぶ程度かもしれない。

「この轟音は、生徒の声なのか?」

「でしょうね。っ頑張りましょう!」

私の身長の3倍ほどもありそうな大きな両開きの扉をおす。

これもなかなか重い。

生徒が鍛えるためだろうか。



「おい、誰かきたぞ!」

私たちが中に入ったのを見た誰かが叫んだ直後、一斉にみんなの目がこちらを向いた。

「あれは‥クリスタルを壊したやつじゃないか!」

「‥ぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

あっという間に私の1.5倍以上はザラに身長があるものたちに取り囲まれ、食堂の中心へ連れられて行く。

「うっ、うわあ!」

実はあまり気が強くなさそうなビートは、マッチョたちに押し出されてあっという間に壁の花状態へ。

「あー、できれば私もあっちに行きたいのですが‥」

「それよりも!どのようにしたらあんなに綺麗に割れるのですか!?どのような訓練を?」

「え?ええっと、特に何も‥」

少し走ったり筋トレをしたりはしたが、この人たちからしたら日常生活の一環だろう。

「はああ〜〜〜〜っ!天性の才能ですか!羨ましい限りだ」

「あー、はい。そういえるのかな?」

「しかし、あのときにくりだあした技はただ力をぶつけたものではないように見えました!」

「あの、ただ手を振り下ろしただけっていうか‥」

「では、そのときに意識されたことはなんですか!?」

「力を抜くことくらいです」

思わず真顔になってしまう。

本当に、力を抜こうとしたくらいなのだ。

「なるほど。自然体で、っと‥‥」

周りは興奮したように取り囲みつつも自由に話しているし、気がついたら私に迫っているのはこの質問攻めにしてくる男だけだった。

少し妙な容姿だ。

屈強な体躯に深緑のツンツンスパイキーショート、似合わない細縁の銀のモノクルと、手にはハネペンとノート‥?

「ああ、このペン。魔力で書くから便利でしょう。私も一応貴族なので」

「え?ああ、はい」

この人は誰だろう。

社交に疎い私でも、相手に爵位を流石に聞いてはいけないことくらいわかるのだ。

「ああ。御挨拶が遅れました。私、ビュンメン・マーストン。マーストン伯爵家の次男です。」

「マーストン?マーストン、マーストン‥」

この国に二人も同じ名前の家柄があるのだろうか。

いや、ない!

反語表現で巧みに結論を出した(と、自負した)私は、

「もしかして、お母様はキーシー様だったり‥?」

「お、叔母をご存知で‥?」

やっぱりだ。瞳がオレンジだけれど、髪もとても似ている。

「あああ!叔母さま!」

聞くと、お母様は五十代で、キーシーとは十歳差らしい。

キーシーの夫が前伯爵だったが、今は、とても優秀らしい彼の兄がマーストン家の家督を継いだようだ。

まだ24歳と若いものの、とても頼りになるらしい。

「ビュンメン様はおいくつで?」

「20です」

「へー。クラスは?」

「おやおやお忘れになってしまったのですか。あなたの4人のクラスメイトの一人ですよ。」

「え!?」

「同じクラスです」

彼がふっと微笑むと、モノクルがずれ落ちた。

「キャラが濃いクラスだよおおおおおおおおおおおお」



「はあ。大丈夫だったか?レイティーン嬢」

「はい!あの人私たちと同じクラスなんですって!」

「‥‥知っている」

「え?」

「ごめん、彼とは犬猿の仲なんだ。あまり話題に出さないでほしい」

「犬猿の、仲‥?」

「いずれわかるよ。それよりいっぱい食べよう!」

「そうですね!」



用意していた食事の三分の一を私一人で食べてしまったことで、私には「暴食の戦姫」などという不名誉な二つ名が新しく誕生してしまった‥。

解せぬぞ!!

この作品名が長いから略称を決めたいと思いまして‥「そなチー」なんてどうでしょう!?

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