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第66話 無理のない御伽話その1

『というわけで、無理をしない日を作ることにしたんだ』

「何のことを言ってるのかわからないっす」

『無理はよくないって思わない?』

「まぁそーっすね」

『というわけで、無理をしない日を作ることにしたんだ』

「……もう寝ていいっすか?」

『まあ待ちたまえ。まだ字数が足りない』

「悪い夢でも見ている気分っす」

『お詫びに昨日あった面白い話をしようじゃないか』

「なんすか?」


『とあるところに美食を愛でる国がありました。そこでは食についてコダワリがあり、つい揉め事に発展してしまうことがあるのです。その中でも度々あるのが、白い粉などでできた生地を油を敷いた専用の鉄板に入れ粒餡を乗せてから鉄板を合わせて焼いて作る和菓子について、それをどう呼ぶかで血で血を争う事態にまでおちいってしまう、というものでした。見かねた国王が数か月前に「アンコリーノ」と呼ばなければ死刑にするぞと脅したものの効果が無く、争いは続いていました』


「昨日の話じゃなかったんすか?」


『そしてついに昨日! 「アンコリーノ」以外の呼び方をした者に、ことごとく烙印が焼き付けられるという強硬手段がとられてしまったのです! 愚かな国民は狂喜し、わざと違う呼び方をしては烙印を押されて喜びの舞を踊っていましたとさ。おしまい』


「ホラーっすか?」

『実話です』

「マジすか!?」




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