第42話 疑問の答え
「また髪の話してる……」
いかん、これでは更に薄くなってしまう。薄いどころか、指で数えられてしまう程だというのに。このままでは複数形が単数形になってしまうぞ。いや、数えられるだけ恵まれていると考えるべきだろうか。有ると無いとでは全く違うのだ――ハッ、私はまた囚われてしまっていたか。読者層の薄さに。
「冗談抜きで、ちょっと伸びすぎてるよなあ。こういう問題があったか」
オシャレとかなにそれ美味しいの?と言ってしまえる私にとっては、伸びてくる髪をどうすべきかについて、その優先度が低かったどころか想定外となってしまっていた。うーん、どうにかしないと。これまでは安さ優先のチェーン店に適宜ふらっと寄っていたが――大丈夫だろうか、気になる。
「あとで行ってみるか。もし店がやっていれば、そのまま切ってもらおう」
ダメだ。店は開いているが、店員がいない。勝手に座って自分でどうにかする暴挙に出ない限りは、目的を達成できないだろう。そしてそんなマネは本職でも無理だろう。聞いたことがない。バリカンを使うくらいならできるのだろうが、私にそんな趣味はない。ここは撤退するしかない。
さて、ついにSNSに頼る時がやって来た。散髪をしない人はいないだろうし、こういう話は絶対にあるはずだ。手当たり次第に読んでいこう――
「いつものヘアーサロンに行ってきた。毎度、細かいオーダーに応えてくれて、本当に助かってる」
「そろそろ冬眠から覚める頃だ。俺も伸びきった髪をバッサリ切ってもらうことにしよう。というわけで予約を入れたのだ」
「あのヘアーサロンもポイントプログラムの対象になっていた。てゆーかポイントプログラムって何物? 何のポイントなの?」
「あーあいつがやってんのね……全てを把握したわ。でもそれにしては、一応はちゃんとまとまってんじゃないの? まーとにかくポイントがもらえるってんなら丁度よかったわ。さっそく予約することにする。タイミングよかった!」
「おい……そのキャンペーンの話、本当か? 一昨日じゃねーか、マジかよ……まーいーわ。どーせ髪は切るんだし、今回の分のポイントが入るんなら、それでいーわ。これ以上文句言うと偉い人にポイント凍結されそーだから止めとくわ」
なぜだろう、涙が出てきた。強く生きてくれ。えーと、それで――ポイントプログラムのサイトでヘアーサロンを探せばいいワケね、了解!
【ポイントプログラム】
利用可能ポイント: 803




