第41話 戦いは既に終わっている
「ホントに桜が咲いてるなあ。アイツの言ってたことは本当だったんだ」
先週来た時には、その予兆はあっただろうか? 全く覚えていない。あいもかわらず、まわりの風景には無頓着な私である。こうして公園に週に一回来るようになって久しいというのに、この公園の風景の記憶が曖昧なままだ。心の底から興味が無いのだろうか? 普段歩いてる時はあんまり周りを見ていないし、なんかベンチに座って風景を眺め出すと気がついたら寝てるんだよね。睡眠効果があるのかな?
「よし、いつものベンチに、ちゃくせーき」
ふうー。それにしても長い戦いだった。あちらでは七色の虹を完成させることができたし、私的には満足だった。数値的なものは、まあなんていうか、想定の範囲内でしかない気がするものの、そんなのはこの世界に来る前から受け入れていたことだ。そろそろ気にするのをやめても良いのかもしれない。あちらではどうしても視覚に入ってくるのが厄介ではあるのだが――
「おっと、頭の中に文句が渦巻いてきたぞ。悪霊退散ー」
……退散したかな? よし。さてと、このままフライングでお一人様のお花見を堪能しても構わないところではあるんだが……昨日アイツに任せろと言ってしまったからな。たしか大丈夫だったとは思うんだが、一応確認しに行くとするか。下手に動いて翌日に悪影響が出るのが怖くて、それで日曜をダラダラする日に設定していた訳だけど、そろそろ最低限の体力はついただろう。一度行ったことがあるんだし、平気、平気……
「おー、これはまた、想像以上だな……」
桜並木が壮観なのは言うに及ばず、お目当てのピクニックポイントからの眺めが最高だ。ここに通っている人は、こんな贅沢を毎年味わえていたのか。桜が咲いてるのを観ようなんて感覚が昔あったのかどうかさえ朧げになってきた私にとっては、ここはまるで幻想の都のようだ。
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