第43話 お花見
ふー、あっという間に着いたな。
「ど、どうだ……桜並木が綺麗だろう?」
「たしかにそうっすねー」
「それをここから眺めるって寸法さ。どうだい風流だろう?」
「うーん、風流っすかねぇ……」
「何を言っているんだ! こんなに便利な空間はないだろう!?」
「なんでコンビニなんすか?」
「ここのコンビニには以前お世話になったんだよ。それでお花見ついでのピクニックに来たってワケ」
「ピクニック……なかなかユニークな言葉の使い方っすね」
「文句があるなら食わんでよろしい」
「いえ、そんなことはないっす。いただきまっす」
「今日は大盤振る舞いだー! 普段は買わないものも買っちゃうぞー!」
「ぃやっふー!」
「あれ、そういえばお酒飲まないんすね」
「だってお前、帰りも運転するんだろ。飲めない人を前にして飲む趣味はないよ」
「ボクはもともとお酒飲めないタイプなんで、気にすることないっすよ」
「付き合いで飲むことはあったけど、自分で飲みたいと思ったことは無いなー」
「そういえば飲んでるの見たことないっす」
「ホントかどうか知らないけど、なんか前にアルコールの適量はゼロだって記事を読んだことがあるぞ。もう飲むのが習慣になっちゃって飲まないと精神衛生上悪い場合に限り、微量にしとけ、って書いてあった」
「へぇーそうなんすか」
その主張を盾にして酒類にかける金額をゼロにすることに成功したのだ!
「最初はコンビニってどうなの?って思ってたんすけど、なかなかどうして、景色が良くてイイっすねぇ」
「昼間の明るい時も良かったけど、暗くなってきても風情があるな」
「この街道、夜は外灯で明るいっすから、桜も照らされてイイ感じになりそうっす」
「マジか。じゃあこのまま夜まで居座っちゃうか!?」
「おーイイっすねー」
「外が冷えてもここなら暖かく快適。必要に応じて食料と飲料の補充ができる。そしてトイレ完備で安心。完璧ではないか」
「文明の利器は素晴らしいっすー」
「ようやくチミにもわかってきたようだなー」
「おーライトが点いた――すげぇ――なんだこれ!」
「……ここまでキレイに照らされるとは思わなかったっす」
「ヤバいな――こんなの勝手に享受しちゃって大丈夫なの!?」
「……偉い人はそういうの気にするなって、いつも言ってるっす」
「……お前って偉い人と良く話してるの?」
「あー、なんていうか……前に事故った時の話をしたと思うんすけど」
「うん」
「そのときに看病をしてくれたのが偉い人なんす。退院して配達のお仕事をするようになってからも、ちゃんと良くなってるか定期的に確認してくれて――」
「ケアしてくれてるのか」
「そうっす。で、ボクってあんまり人と馴染めないというか――基本バカなんで、人付き合いが上手くいかないんす。それでお話相手が偉い人だけだったんす」
「ふーん」
「だからあなたとお友達になれてすごく嬉しいんす。これからもよろしくお願いしまっす!」
「……ポイントを使っちゃったからな。仕方ない」
「えへへ」
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