第24話 To be, or not to be
「どうする!?」
今日のこの発言は、一体これで何回目になるのだろう。今日の発言を全て採用すればノルマは軽く達成できるものの、ただのコピペ荒らしになってしまい、通報の対象となりかねない。いよいよもって神々から見放される恐れもある。安住の地さえ失われないのであれば何の問題もないところではあるのだが、さすがに誰にも顧みられないというのはアイデンティティの危機である。
「知るか! そんなことより目の前の危機をどうにかしてくれ、神よ!!」
ついに神頼みまで始めてしまった。神など信じないのではなかったのか。むしろ自らが神となることで心の平穏を保とうとした過去は無かったか? 考えるだけなら無罪という唯一安心安全なプライバシー領域で自由を謳歌することによって、かろうじて生きながらえてきた私が、なぜその束縛から解放されたはずのこの地で、今これほどまでに悶え苦しんでいるというのか。
「イケメンだけでよかったのに……」
その貪欲な腐った心に心を痛めた偉い人が、私に罰をお与えになったのだろうか。ウーパールーパーの配達の人とか、そもそも偉い人自身もいるのに、イケメンだけに心を奪われてしまって、浮かれていい気になっていた私は、たしかに罪深い。そもそも私は、この世界にとって何か役に立つことを何もしていない。せいぜい先週ウーパールーパーを通して出前を注文して、配達してくれた人にいくらかの報酬が渡ったかもしれない、その程度の貢献しかしていない。
「あとは愚か者の調教くらいのものか……」
そして痛恨のカウンターをくらって今に至る。真に愚かなのは私であったというわけだ。そんなことはわかっていた。ただひたすらに愚かな行いを続けてきたこの私が、今ここに至っている。なんだか泣けてきた。泣きながらなお、選択を迫られて悶え苦しみ続けている。こんな現場を見られたら――私が見たら、少しは情がある相手であれば病院に連れていくだろう。素人がどうこうするよりも、専門家に診てもらうのが一番いいのだ。
「この難問を解決してくれる専門家はいずこ……」
せっかく良いSNSに参加できたというのに、この件に関しては頼ることができない。ポイントプログラムはまだ一般公開されていないから、それ絡みの問題について広く意見を募るなど、ご法度だ。『実は私の友達が困っているらしいんですけど――』作戦もダメだ。友達を入手したことの無い私がその手を使うのは危険すぎる。だいたい『友達がいない友達から相談を受けた』なんて、コントのネタかなにかか!? そんな案件にマトモな回答が来るわけがない。
「とはいえ……自力での解決は不可能だ……今日の私の体たらくが、それを証明している……」
なんてポンコツなんだろう。こんなんで人にアドバイスをしていたとか笑えてくる。どこまでも勘違いをしている、まさにゴミ人間だ――そうだ、私はゴミだ。ゴミなのだから、明日、回収されるついでにイケメンに相談させてもらおう。イケメンなら……イケメンなら、きっとなんとかしてくれる!
「ヒトはプラスチックなのかな?」
考えちゃだめだ! 私はゴミだから脳みそを持たない! とりあえずゴミ出ししてしまえ! ゴミっぷりをいかんなく発揮して、ゴミとしてゴミらしくゴミゴミ助けを求めよう! イケメンだから許してくれる! さすがイケメン! あこがれる!
【ポイントプログラム】
利用可能ポイント: 1609
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