第22話 方法
「ふう、今日の作業はこれで終わりっと」
さーて、ちょっと散歩にでも出かけるとするか。
お風呂にも入った。夕食も食べた。トイレも……そんなに何回も行くところではない。他にすることは……もう何も無くなってしまった……
「寝るか」
逃げちゃだめだ。まだ既定の文字数に達していない。何を言っているのかわからないと思う。私もわからない。混乱の極みである。とりあえず落ち着こう。昨夜何があったのか、その時あまりにショックが大きかったようで、よく思い出せない。いつの間にか目が覚めて、朝になっていた。捨てる生ごみがちゃんと纏まっていて助かった。夕食後にまとめる癖をつけていたのは正解だった。
「もしかしたら、昨日のアレは夢だったのかもしれない」
そうだ、そうに決まっている。なんか不思議なSNSに招待されているのに気がついたときから、話が急展開過ぎて現実味が無かった。安心してください、夢オチだったというわけです! これからも週に一回、イケメンとほんのひとときのキャッキャウフフを楽しむだけの、質素でありつつも厳かで尊い生活を続けてまいります!
「ああ……しかしブラウザのタブに、そのSNSのアイコンが……」
今日一日、ずっと目には入っていた。見えないふりをして黙々と作業を続けた。しかし今は凝視してしまっている……このSNSには罪は無いんだ。むしろありがたい存在なんだ。これから必ずお世話になる日が来るだろう。特にフォロー関係に縛られなくて良いのが素晴らしい。FF外から失礼しますとか、そんな文化が無いのが素晴らしい。何を言っているのかわからない人は、そのままでいて欲しい。悪しき風習は知られぬまま藻屑となって消えるがいい。
「そしてあの記憶も藻屑となって消えてくれていいんだよ……」
いやさ、友達が売っていなくて困るとか、私も言ったことはあるよ? しかも何回も。でも、わかるでしょ? 冗談だって。売ってたら買うか、っての。人身売買かよ。この現代にそういうことをするとか、何をとち狂っているんだ。だいたい友達というのはだな……すまない、忘れて欲しい。私にはわからない。そのことに関しては、何もわからないんだ。許してほしい。
ポイントのサイトのトップには、唯一のポイント交換品が、これ見よがしに掲げられている。SNSの公式アカウントには、今日になって改めて交換品の具体的な案内の投稿がなされ、ご丁寧にもピンで留められてしまった。奴は本気だ。なぜこうなってしまったのか。
「自分で考えろとは言った……粗品で済ませるとか許さないよ、と煽ったのも私だ。だからといって、これはあまりにも……」
私の弱点を的確に狙ったクリティカルヒットだった。どこから情報がもれた!? 奴とイケメンは知り合いのようだが……まさかイケメンが……? いや、いくらイケメンだからといって、私の心の中まで見透かされているわけではないと信じたい。偉い人か? 偉い人に限ってそんな、ご無体なことはしないだろう。私をいたぶりたいなら、ただこの世界から追い出せばいいだけだ。考えただけで恐ろしい。
「そうだ、奴は愚か者なんだ。このくらいでなければ愚かとは言えぬ……ッ!」
とにかく目的を問いたださねばならない。よりによって、なぜこの品なんだ、と。この難局を乗り越えるのは至難であろうから、じっくり考えて、明日、問いただそう。大丈夫、なんとかなる!
【ポイントプログラム】
利用可能ポイント: 1609
うち期間限定ポイント: 1500
有効期限: 2023-02-28




