第19話 ウーパールーパー
「うーん、やっぱりちょっと高いのがネックなんだよなあ」
ウーパールーパーのサイトから、対象店舗のうち食べ物の出前をやっている店に絞って、今夜注文する一品の検討をしているものの、そこらで弁当を買うのに対してコストの面で厳しいものがある。某有名ファーストフードでポテトだけとかいう注文も運んでもらえるようではあるが、あいにく私的に興味が無い。何か特別なキャンペーンでもあれば、話はまた別である。
「お店だってこだわって料理を作っているんだろうし、運んでもらうコストだってあるんだろうし、こんな文句を言う層はそもそも相手にはしていないか」
すべては私が悪い。店に一人で突撃する勇気も無ければ、一緒に突撃してくれる戦友もいない。そして極めつけはケチである。配達分の料金の上乗せに抵抗を感じてしまう。昨日、縁の下の力持ちと持ち上げておいて、これである。頭が上がらないんじゃなくて、そもそもまともな頭を持ち合わせていないのだろう。無いものは上げられない、それは仕方のないことだ。
「でもまあ、一回くらいは使ってみたい、っていう気持ちがあるのも事実なんだよなあ」
ただのミーハーである。すぐに飽きるので許してほしい。たまにピンと来てリピートの鬼になることもあるが、やはりそのうち飽きたりする。世の中の消費者がこんなヤツばかりだったら、おそらく世界は崩壊するのだろう。そしてその間際には自分が哀れだと絶望するのである。そのシステムがまさに絶望である――
「ええと、いくら良いメニューが見つからないからって、ちょっと脱線しすぎじゃない? 戻って来てー」
一通りはチェックした。最愛の一品ではなく、他よりは良いかな程度の品を、軽い気持ちで選ぶんだ。たとえば――そう、コンビニ弁当ではなかなか味わえないタイプはどうだろうか? 家庭料理的な、出来たてアツアツの汁物系とか――
「よし、これにしよう。初回だし、ちょっとくらいは奮発してもいいだろう」
ポイントだって付くしな! ……消費するあてがないものの、今回付くポイントには期限が無いから、まあ許そう。あの愚か者も調教中だから、逃亡しない限りは何かしらのサービスを提供してくるだろう。どんなものであれ余程ひどく無ければ、そちらも初回という事で特別にポイントを奮発してやってもいい。そのためのポイントを貯めてやる意味も込めて、大枚をはたいてやろうじゃないか!
「本日限定激安の家庭風中華そば餃子付き、送料込みで980円――よし、注文完了!」
お、配達完了のお知らせがSMSで来たな。いまさっきバイクの音がしたし、アレだったんだな、多分――それにしても、番号があの愚か者と同じだな……? まあいいか、さっそくドアを開けて――おお、出来たてで美味しそうだ。普通の出前と同じノリかな――ということは、食べた後はどんぶりとかを一式洗って、また同じように玄関先において置けばいいのかな。悪いヤツとかはいないだろうし、放置しておいても大丈夫だよね。
「うまー!」
こういうのもたまにはいいな。普段は料金がもっと上がっちゃうのが惜しい。利用は週一くらいに留めて、キャンペーンに喰らいついて激安品を発掘していくかな!
【ポイントプログラム】
利用可能ポイント: 1609
うち期間限定ポイント: 1500
有効期限: 2023-02-28




