↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先は婚約破棄の真っ最中!?〜聖女は王子と結ばれて、今度はあーしが婚約するらしい?〜  作者: おやまみかげ(・8・)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/15

第七話 シェアハウス的なことね!


「うわ……でっか……」


 あーしは今、タイガの家の前にいる。

 大きな門に、広い庭。なんか、ちっちゃい噴水まである。

 

 あの後、シルとリーンにもこれからの生活について話した。

 二人はすごく喜んでくれたけど、あーしはただの居候です。


「そうか? 本邸に比べたらだいぶ小さいが……」

「本邸……?」

「言ってなかったか? グラディウス家の領地は王都から少し離れててな。家族はそっちの本邸で生活している」

「じゃあここは?」

「俺が普段生活している別邸だ。とはいえ使用人もいるから――」

「いや一人暮らしのレベルじゃないんだけど!?」

 

 あーしが一瞬世話になってたニアの家と同じぐらい?

 いや、それよりでかいんだが!? え、こいつって結構えらい人なん……?

 こんな不機嫌そうな顔してんのに?

 

「え? タイガって結構えらい人?」

「別に偉くはない。俺の功績ではないからな」

「うーん……」

「何を言っているかわからないだろ。それでいい、早く入るぞ」

「え、ちょっと待ってよ!」


 


 *


「お帰りなさいませ」

「あぁ、変わりないか」

「はい、特に何も」


 すごい!! これが執事ってやつ!?

 本当に黒いスーツ来て、手袋してるおじいちゃんがいるよ!!

 中もめっちゃ広いし、豪邸じゃんこんなの。


 思わずキョロキョロしてしまう。

 

「そちらのお嬢様は?」

「婚約者のユイだ、今日から生活を共にする。空いている部屋をすぐに用意させろ」

「かしこまりました」


 タイガに向かって深々と頭を下げると、その人はあーしにもお辞儀をしてくれた。


「初めましてユイ様。執事長を務めております、カミヌスと申します」

「急に来てごめんなさい、ユイです」

「いえ、お気になさらず。どうせ坊っちゃまが急に言い出したことでしょうから」

「坊っちゃま?」

「カミヌス、早く行け」

「はいはい、では失礼いたします」


 またお辞儀をすると、カミヌスとかいうおじいちゃんは去っていった。


「坊ちゃま……」

「うるさい。カミヌスは俺の幼い頃を知っているからな。そう呼ぶんだ」

「へぇ、いいじゃん! 大事にされてんね、うらやまし〜!」

「お前は本当に……」

「うん?」


 一瞬、悲しそうな顔をしたように見えた。

 

 タイガも言葉飲み込む系?

 リーンもわがまま言えない、って言ってたなぁ。

 シルもポンコツだし、ニアも似たようなもんだったし。

 もしかして、あーしみたい方がレアなのか?


 首を傾げていると、タイガがため息をついた。

  

「まぁいい。部屋の用意ができるまで、屋敷を案内する」

「まじで!? ありがとう! なんか探検みたいでワクワクするね!」

「そうか?」

「うん! 楽しみだな〜」

「変な女だ。ほら、着いてこい」

「あーい」


 口は悪いけど、絶対あーしを置いていったりしないんだよな、タイガ。

 


 

 *


「——で、ここが食堂だ。覚えたか?」

「ぜーんぜん」

「……だろうな。まぁユイにも専属の侍女を付ける。わからなければ随時聞けばいい」

「え、いらないよ?」

「いるいらないではない、付ける」


 まじか……。侍女ってさ、あれよな。

 髪結ってもらったり、着替え手伝ってもらったりとか。

 自分のことくらい、自分でできんだけどな。

 てかそんなの付けられるってことは、やっぱりタイガえらくね?


 思わず、ジーッと彼を見つめる。

 

 それにここ別荘みたいなもんしょ? やっぱりお金はめっちゃあるよね……。

 つーかよく見ると、結構かっこいいんだな。タイガって。

 

「……なんだ、ジロジロ見て」

「いや、タイガってすごい人なんだなーって思って」

「言っただろ? 俺自身は何も偉くない。権力はグラディウス家のものだ」

「……なに言うてるかわからん」

「わからなくていい。お前はそのまま接してくれ」


 コンコン、と壁が叩かれる。

 さっきのカミヌスおじいちゃんが笑顔で立っていた。

 

「坊っちゃま、お部屋の準備が整いました」

「助かる。ユイを連れて、先に行ってくれ」

「かしこまりました」

「あれ? タイガは一緒に来ないの?」


 屋敷を案内してくれたから、部屋も一緒に来てくれると思ったんだけど。

 やっぱり騎士だし、忙しいんかな……?

 

「すぐに行く。お前の侍女を連れてな」

「坊っちゃま、それでしたらこちらで――」

「ダメだ、俺が選ぶ。屋敷の人間たちは信用しているが、誰がユイに相応しいかは俺が選ぶ」

「いやぁ、そうですか。うんうん、それは実に喜ばしいことです」

「おい、俺は別に――」

「ではユイ様、お部屋に参りましょうか」

「おい、カミヌス!」


 タイガはなんか言いたそうだったけど、あーしはカミヌスおじいちゃんに連れられて部屋へと向かった。




 *


「こちらがユイ様のお部屋でございます」

「え? こんな広い部屋、使っていいんですか!?」

「もちろんでございます。貴女様は坊っちゃまの婚約者ですから」


 貸してもらうことになった部屋は、めちゃくちゃ広かった。


 大人四人が並んで寝れそうなサイズのベッド。

 なんか高そうな白い石で作られた、大きなテーブル。

 窓もあって、そこからは庭が見える。

 他にも色々あるんだけど、とにかく一人で使うには広すぎる……。


「あ、そゆことか!」

「いかがなさいましたか?」

「シェアハウス的なことね! あーしに付いてくれる侍女さんとの部屋か!」

「……お前はバカか? そんなはずないだろ」


 いつの間に来ていたのだろうか。

 腕を組み、壁に身体を預けたタイガが、呆れた顔であーしを見ていた。


「あ! タイガだ! でもさ、一人で使うには広すぎない?」

「広過ぎない。ここが今日からユイの部屋だ」

「じゃあ侍女さんの部屋は?」

「屋敷の人間たちにも部屋はある。心配するな」


 なんだ、ちゃんと部屋あるんだ!

 そうだよね、通うのも大変だもんね。

 

「そっかー。たまにパジャマパーティーしていい?」

「パジャマパーティー?」

「うん! みんなが一人の部屋に泊まるの!」

「……勝手にしろ」

「ふふっ、面白い方ですね」


 うん? 女の人?

 タイガの後ろから、メイド服を着た女の人が出てくる。

 その人は部屋に入ってくると、丁寧にお辞儀をしてくれた。


「初めまして。ユイ様の専属侍女を務めさせていただきます、マルタと申します」


 


 パジャマパーティーなんてしたことないな



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。