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アヤカシの末裔3~人喰い羅刹~  作者: 遠野まみみ


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4/8

4・転校生

翌日、転校生がやって来た。

「霧島大和です。みなさんよろしく。スポーツ好きです。

お勧めの部活とか、サークルがあったら教えてくださいねー」


明るくて180cm近くはあるだろうか、長身でなによりイケメンだった。

女子は大騒ぎ。


霧島…。九州にある山だ。霧島山。

山や川の名前を姓に付いていると、アヤカシの末裔の可能性が高い。

そんな話しを聞いていた美和は、胸の奥がキュッと締まったような気がした。


「ねえ、君。名前なんていうの?すっげータイプなんですけど」

そう言って霧島は美和の顔を覗き込んだ。


さらに

「すみませーん、彼女にアタックするので異議がある人は

早く言ってくださいね」と、言ったのだ。

「おおおー」と、クラス中は大盛り上がり。


「は…?え?ええ?」どう反応していいかわからなくて

美和は固まってしまった。

心なしか周りの女子の視線が痛い。


放課後になって、霧島は美和に校内の案内を頼んだ。

こちらをにらむ嵯峨野が視界に入った。


「いえ…でも」両手を左右に振って断ろうとしたが

「頼むよ。行こう」と霧島に手を取られて連れ出されてしまった。

「うえええ」

この強引さについて行けない。


音楽室、実験室に美術室に調理室に…一通り案内して帰ろうとしたら

「ぬりかべ―」と嵯峨野が美和を呼んだ。

あああ。もう、わざとだという事はわかっていた。

ヘンなあだ名で呼んで、笑い者にしたいのだろう。


霧島が「ぬり…?」と妙な顔をした。

嵯峨野と一緒にいる女子がクスクス笑っている。

「ぬー…」と美和は渋い顔になってしまう。


「穂積さんはちょっと変わっているから。あだ名もヘンでしょ!?

ここからはわたしたちが案内してあげる。

あと、前の学校の事とか教えて。 行こっ」

嵯峨野は霧島の腕を引っ張って行った。


霧島は振り返りながらこっそり美和に手を振った。

「またね」と口が動いた。


「霧島くん、ホントに美和がタイプなんだね。いい人ぽくて良くない?」

「そうかな?何とも言えないなぁ」

「今日も一緒に帰ろー」沙織に肩を組まれて下校するのだった。


               *


放課後の屋上で霧島が右目の黒いカラコンをはずし、

その下から現れた青い瞳で美和を追っている事には

誰も気が付かなかった。


「美和って条件にぴったりだ。君の自宅まで追えるよ。

たまに俺みたいな千里眼が生まれるらしいけど、便利だな」と笑った。


読んでくださってありがとうございました。

次回もよろしくお願いいたします。

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