五話目 冬と人が去る、春がくる。③
今回物凄く時間がかかりました、書き直し10回では収まり切れません。何を書いてもしっくりこなかったのでこの御仁に登場して頂きました。
2018.05.05 20:22 間違って最終訂正直前の内容で投稿したことが判明したので、最終稿に差し替えました。
すみませんでした。
※2018年10月20日 一部変更。
降雪がほぼ終わり風の向きが変わる頃、王都では花盛り。人々の気分も景気も一緒に上昇中なんだとか。
そう、春到来です。
現在王都は春の花が咲き乱れて、いい香りがほんのりするそうな。今日は駐在員さんのご家族からご飯のお礼にって淡い黄色のミモザのような花束を頂いたの。香りはさほど無いけれど、形がほわほわして可愛いわ〰️。庭で奥さんが育てているんですって。家族のいる駐在員は基本的に王都からの通いがほとんど。たまに此方のご飯をお土産にもって帰ったりして、家族でおいしく頂いてますって感想を頂いたりするのよ。
こっちはまだ花は咲かないけど、村にも春らしい変化は有るのよ。例えば音。里山の景色に中のぽったぽったという子守歌のような雫の垂れる音は、雪融けの証拠。うきうきというかソワソワというか気持ちが高ぶるのよね。
日増しに賑やかになる王都の景気上昇、もうすぐひめちゃんのお嫁入りだものね。都民の間でセス君の絵姿とセットで結構売れてるんですって。個人的にはこの絵姿、あんまり似てないと思うのよね~。ひめちゃんってキレイ系なのに、絵姿のひめちゃんはカワイイ系なんだもの。
そんな結婚式まであと10日って頃に、村あてに最強女帝連盟からお手紙が届きました。使者付きで。
いやんな予感がビシバシするなかで中身をワイフちゃんに代読して貰った処、一寸した難問発生。ま、簡単に言っちゃうと、披露宴には様式美っていうか、決まったらルールが在るんですって。よくある花嫁さんは白いドレスor着物で嫁ぐのよ~、みたいなやつですよ。
セス君のハルト国は王族の結婚式は神殿で厳かに上げた後、国民の前でお披露目&披露宴って流れなんだそう。服装指定は特になく、落ち着いた正装が好まれるそうなの。カーバイト国も服装指定は特にないけど、お嫁入り道具に変なこだわりがあって、他国に嫁ぐ場合は小剣と料理を持たせるんですって。
昔は人質的な意味合いが強くて、嫁入り道中に襲われた時の抵抗の意思を示す為だとか、戦時中に家庭を守る為だとか、最悪身分証明の為だとか、諸説いろいろ言われてますが詳しくは不明。
小剣って、どのくらいの大きさを言うのかしらね。
因みに料理の指定は特になし。お土産みたいなお菓子でも、屋台料理でも構わないんですって。個人的な予想はお弁当的な意味合いじゃないかしら。
今回最強女帝連盟からの手紙は「披露宴で提供される料理の試食会を設けたい」っていうお話。それも明後日にって、いきなりすぎでしょうが~。
「て、言われても食材の手配は粗方終わったし、まぁ。試食位の分なら今から取りに行けばいっか」
「料理の説明は確かに必要かもしれないわ。ただ、参加人数が今のところ不明なのよ」
「この料理、大体の年代層に対応可能なんでしょ。んじゃぁ、食材を別のものでカサマシしたら?」
一応村の皆様は料理内容は知ってます。その為に先日村の男衆挙げての山菜狩りを行ったばかりですもの。
因みに私も風ちゃんと雷ちゃんを連れて収穫に参加。『いかのおすし』言いだしっぺなので、期間限定で一人行動禁止令が発令中なので、精神年齢おばちゃんな私よりも肉体年齢中学生な二人が一緒となったんだけど。マミちゃん。私、二人の保護者よ。おかしくない?
もちろん私だけでは収穫は足りないので、村の青年団と青年団OBが手分けして収穫参加してもらいました。初物は縁起がいいので、村からのお祝いの品として献上がすでに確定。春茸やモボの芽といったポピュラーなものから、飾に使う葉物や枝物まで結構な数が確保できました。
キーじいちゃんに頼んで気持ち厚めの鉋屑も手配済み。こちらで用意難しいものは王宮料理人さんに手配をお願いしてありますから、山菜が取れたら状態維持の魔法をかけてもらって、王宮に搬入の予定。
お約束したものね、ええ。一品作りますとも。田舎臭いというならおっしゃい。私にとって前世の日本の家庭料理は魂の味。食べたいから作ってるのよ、私。野望はまだまだ果て無いんだからね!
そんな訳でお返事に条件を書き足して、国軍の人に王宮まで届けてもらいました。便箋は国軍の人に分けてもらって、ワイフちゃん代筆してもらって。
ーーー試食会参加者は少なめに。最低でも二人、料理人の人を参加させて下さい。出来れば関係者は参加しないで下さい。
これだけです。試食会なんだから品評会じゃないのよ。調理の手順や食材の確認に立ち会ってもらうとか、アレルギーとか、好みとか、そんなのの確認をしたいのね~って気楽に考えていた私。
翌日、近衛の人がにこやかに訪れて
「では試食会参加者11名となりますのでよろしくお願いいたします」
「もう決まったの?」
「はい。それでは試食会の日にお迎えに参ります」
ってにこやかな笑顔で帰って行かれました。ううん、チョット山菜取って来よう。
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「ちびちゃん、お豆腐出来たよ」
「うや~、流石です~。おからはとってあります?」
「勿論よ。なんか作るのかい」
「じゃあ後で作るわね」
「あいよ」
「こっちは人参の千切りと春茸の飾切り終わったわよ」
「ちびちゃん、鳥の下処理終わったわ」
「あ、パン粉作るの忘れてたわ~」
「あいよ、まかせな」
揃いの白い割烹着&三角巾姿の村のおばちゃん三人とコーディーちゃんと私の五人で下ごしらえにかかっています。王宮調理師さんに用意した貰った食材の下ごしらえも終わって、仕上げと参り…、あ。盛り付け用の器出さなきゃ。
「すいませーん、食器貸してくださ~い」
「ええ、かまいません。どんなものがよろしいでしょうか」
こちらを見学中の皆さんに思いっきりため口で要望を突きつける、通常運転の私が現在居るのはなんと王城内の離宮に設けられた調理室。そこで披露宴用の料理説明会は開催されております。この部屋に居るのは関係者各位としてカーバイト国の王宮の調理師さんたちとお兄ちゃん殿下。ハルト国代表の特級調理師さんと見知らぬ方々がメモを取りながら見学してらっしゃいます。ええ、お兄ちゃん殿下って、眼鏡かけてたんですね。
簡単に流れを伝えますと、全員がこの部屋に入って簡単な自己紹介を頂いた後、今回の試食の趣旨を伝えられました。披露宴料理に伝統的なものもあってほしいが目新しいものが欲しいという話が上がり、現在王都を始め国内で流行り始めている料理があるのでそれを取り入れてはどうかと。
その発言を王族の方々がしたのがそもそもの始まりだったそうです。ええ、多分おーひさまでいらっしゃいますね。チーズせんべいにドはまりしていらっしゃった頃なら間違い御座いませんでしょう。
その発祥地にて何度か料理を口にされ、今回の披露宴に料理を提供いただく事になったと。王宮料理人もご相伴に預かったことがあるが、問題は料理内容が未定という一点。事前確認の為、こうして関係者各位にご足労頂いた次第です。ですって。
そんな中で、ポー豆からの豆乳作りに始まり、海老の殻剥きにワタ取り、イカの皮むき(内蔵処理込み)、野菜皮むき千切り、山菜の下処理、現在生パン粉製作までこなしている主婦は私の何倍もの仕事量をあっという間にこなす頼もしい方々です。王宮は調理魔法具もいろいろあるので、擂り潰す、こねるといった作業は大量でも簡単に出来るそうなの。
そんな道具を使わなくても笑顔で最速調理出来る村のおばちゃんは、改めて最強の戦士だと思うわ。私が入ったら返って邪魔になるので、調理室に用意された食器の中からコンセプトに合いそうな物を選んでいる真っ最中。あ、これ使えそう。
「すいませーん、この黒いトレーとこの小鉢と小皿を人数分でお願いします」
「畏まりました」
私に付き添ってくださった執事さんに食器の種類を指定。これで大体の準備はオッケー、つゆも出来たし衣もオッケー。ごまモドキ油もいい温度ね、油を切る為の平ざるも良し。
「お持ちしました、洗浄は済んでおりますのでどうぞ。他に御用が御座いましたら遠慮なくお申し付けください」
「ありがとうございます~、それでは最終作業に入りましょ~」
「あいよ」
おばちゃん達は流れる様に食材に衣をまとわせて、油の中へさっさとくぐらせていきます。今回はインパクトが出せて、尚且つ伝統料理と被らず、珍しさと華やかさを活かした品として「天ぷら」をチョイス。ホントは茶わん蒸しにしたかったんだけど、卵料理は既にメニューにあるから敢えて外しました。
食後の甘味として満場一致で団子と麦茶。個人の好みで甘さが調整できるからって事と、主役の二人からの注文リクエストですって。
盛り付け見本は私の担当。用意してもらった黒のトレーに、先日山から採ってきた枝物と、厚めに作った木を削りだしたもので作る船皿を載せ、これに海老天、春茸、山菜、糸切り人参のかき揚げ、梅と紫蘇を挟んだ鳥カツ、イカフライを小高く盛る。小鉢に揚げ出し豆腐を載せつゆをかけて、飾りの木の芽を載せる。小皿に抹茶塩、今回は飾として小花を一つまみ、お皿に添えて「はるの天ぷら寄せ」完成。
見た目に派手さなんてありませんが、揚げたての天ぷらは風ちゃん達だってほめるくらい旨いんだからね!
*******
「見栄えはいいな」
「確かに」
「こんなに簡単な調理法でこの旨味、もう少し食べたくなるな」
「この料理をコースのどこに持ってくるかだな」
「この木の芽、酒が飲みたくなる」
「この白いふわふわしたの、うまいな」
「どれも美味いが、量が足らん。せめて倍にしろ」
分かってないわね、物足りないくらいが丁度良いんでしょうが。単品料理で満足しちゃコース料理になりませんぞ。第一初物の木の芽を今から手配できんのかい? 今、村にある全ての山菜根こそぎこちらに回すために村人総出で収穫済ませたばっかりなのよ。
「ちびちゃん、怖い顔しないで」
「おからでなんか作るんでしょ?」
試食会の為に用意したのは20人分の量。その内五つは私達の分。残りが今回試食会に参加した方々の分。勿論材料はまだありますとも。天ぷらにしたのはそのパフォーマンスもあるからと思ったんだけど、会場が油臭くなるのは一寸問題かしら。
「ちび竜はなぜ、この料理をこの様な演出にしたんだ?」
多分料理を出された全員の気持ちなのかな、これ。
「天ぷらって、上手な人が作ると別物になるんですって。特に決まった食材を使うものじゃないんですけど、海の物も山の物も川の物も下ごしらえして、衣をまとって油で揚げる。創意工夫が可能な料理です。でも彩りはご覧の通りですから器を敢えて単純なモノにしました。黒の上にある色は引き立ちます。枝物の柔らかな緑は見た目にも食材を彩って下さいます。器を敢えて使わないのではなく、油を吸ってくれる素材が器なら後始末も簡単ですし、何より重量がありませんから、配膳する方も負担が少なくなります。目で楽しんで彩りと味に驚いて下されば十分でしょ?」
先程の概要説明でも披露宴参加者が320名位とありましたから、配膳の負担は少ないほどいいでしょう。何より王宮調理師の皆様の出す宮廷料理の品々に比べたら貧弱なのは分かってますとも。それでも見栄を張ってこの程度なんだと精一杯の演出ですとも。洗い物が少ないのは主婦にとってもありがたいモノよ。
「器のない料理、か」
「あ。揚げ出し豆腐はつゆの都合で器に盛りましたけど、天ぷらはこれっていう食べ方は特にないんですよ。饂飩の上に乗っけてお汁かけて食べると美味しいし、甘辛くサッと煮てもまた旨いですしね」
「…そういいながら、何作ってんだ?」
「豆腐を作ったときに出たおからを煮て卯の花作ってます。味見します?」
「くれ」
だし殻も甘辛く煮込んで佃煮モドキ。イカのわたとゲソと味噌で軽ーくゲソ焼き。海老の殻を軽ーく炙って、頭と一緒に鍋にいれて、お酒少々とだし汁の残りで煮込んで、濾してから味を調えて、別で下茹でした人参と山菜、お豆腐を器に盛って海老の殻だし汁を注ぐ。持ち込んでいたパンを温めて添えて。卯の花と天ぷらを出して。
「いっただきま~す♪」
「それはなんですか~」
「余り物で作ったから賄いですね」
食べれるものを捨てちゃもったいないですもの。村の常識ですとも。
「あら、イカのゲソ美味しい。鮮度がいいと味も違うわね」
「う~ん、このスープもうちょっとひねりが欲しい」
「卯の花美味しい、私好きよこれ」
「佃煮ならお茶請けにもいいかしら」
「やだ、この天ぷら歯ごたえすごくいいわ。油が違うから?」
おばちゃん達と一緒に試食会の方々も味見してます。海老の殻を焼いた匂いはかなり香ばしかったみたいです。天ぷら以外は大皿に盛ってセルフサービススタイルしてます。
「スープは味噌を入れたらいいかもね」
「かなり濃厚だな、具が淡白だからちょうどいい」
「ポー豆の調理ってこんなに幅あったんだな」
料理人さん達のご意見はかなり具体的。おばちゃん達と意見交換が凄まじいわ。うまうま。あ、
「お兄ちゃん殿下~」
「「「ブフt」」」
「…、それは私のことか?」
「そう。ひめちゃんのお兄ちゃんで王太子殿下だから」
「…ファラット=ハイト=カーバイトだ。」
「おーひさまとおーさまと、ひめちゃんとレン君とセス君、セス君のおかーさんとおとーさんには逢った事あるけど、お兄ちゃん殿下にはなかったからちゃんと言おうと思ってたの」
「なんだ?」
「定期的に海産物詰め合わせセットをありがとうございます。物凄く有難く美味しく大事に頂いてます」
「「「「私達も恩恵頂いてますよ~」」」」
お兄ちゃん殿下、ちょっとだけ顔赤いよ? あ、そっぽむいちゃった。
「そうか」
「んで、村でも欲しいので流通回してほしいんですけど、誰に交渉したらいいですか?」
「私の権限で宰相に話を通しておく。優先的に欲しい物はリスト化して置いてくれ」
なんだかんだ云いながら「お兄ちゃん殿下」呼びは私限定でお許し出ました。但し王様になったらやめること、と釘も刺されましたけどね。
「分かりました。あとこの中で穀物に詳しい方いらっしゃったらお知恵をお借りしたいんですが」
「穀物に詳しいか。なら特級調理師に聞くか?」
「お願いします。麦以外の穀物について知ってれば教えてほしいんです」
お兄ちゃん殿下の紹介して下さったのは二人の調理師さんで恰幅がいいおっちゃんとガタイのいいおっちゃんでした。
お酒になるような白い実の穀物で、お米もしくはそれに近いものを知りませんか。って聞いたらちょっとだけ黙った後、恰幅のいいおっちゃんが
「俺の知っている限りでは二つほどある。厨房にある筈だからもってこさせよう」
「うえぇぇええ!? あるの?」
「ああ。ちょっと待て」
と部屋を出て行った。うやぁ、何でも聞いてみるもんだわ。
「えと、因みにそれ。どうやって調理するものなのか聞いていいかな?」
「うや? もみ殻取って、糠とって、お米にしたものをお水で炊くんですよ。」
「ぬか? たく?」
「ええ、はじめちょろちょろなかぱっぱ、赤子泣いても蓋取るなって、極意がありますけどね」
「食べたことあるの?」
「私にとっては魂が欲する食材です。食文化の根源に居ます。お米は無くてはならない愛すべき存在で、主食は勿論の事、お酒も菓子も作れる生活の一部とも言える大事な食材です。野菜にも肉にも魚にも海藻にもあいますが、なんといっても味噌と醤油の相性は特にいいですよ。おすすめは炊き立てご飯に生卵と醤油。もしくはお味噌汁を付けたら私は天国です!」
むふ~、まさか王城ここにあるなんて知らなかったわ。待ってて私の白いご飯。直ぐにそのふっくら艶やかもっちりご飯にしてあげるからね~。うふふのふ~♪
「…。うわぁ、すっごいドヤ顔」
「…、あんな顔出来たんだ」
「…、年相応のはしゃぎ具合って感じね」
「火吹き竜って、米が好物だったんだ…」
周囲のひそひそ話なんざ今の私には蛙の面に小便。
♪まっだかな~、まっだかな~、白ーいお米はま~だかな~?
そんな私の上がり切ったテンションは、おっちゃんの持ってきたお米が長粒米と呼ばれる細長いものと、酒麦と呼ばれる小粒の麦だったので一気に失速。最果ての底まで叩き落された気分でした。
参考までに聞くと、酒麦はハーブと合わせてお酒にするし、長粒米は茹でてサラダやスープにいれて食べるんだそうです。
「へえ、こんなのちびちゃん欲しかったの?」
「私の求める米はもっと丸くてふっくらして白味がかってます。ほのかな甘味とうまみがあってもっちりした触感はこの米では出せないものです。逆にこの米はぱらりとした仕上がりになるので煮込み料理と一緒に食べたいです。炒めて魚や野菜と一緒に炊いても美味しいですよ。個人的には旨辛見のあるスープと一緒に食べたいですね。あまり辛いのは苦手ですけど」
「成程、これ自体に然程味がなかったのは他を引き立てる食材だったのだな」
「違います、ご飯は何にでも合う主食です。おかずを引き立て尚且つ飽きが来ない素晴らしい食材です。しかもそのバリエーションは幅広く奥が深い。主食からお茶請けまで私の魂を魅了してやまない究極の一品です」
—――日本人なら忘れちゃなんねぇ 米と故郷と味噌汁を。
それに長粒米はがあるならば、ほかのお米だってもしかしたらあるかもしれない。古代米とか糯米とか。麦だってあったんだもの、あきらめるにはまだ早いわ。
「すいません、ちょーっとお聞きしたいんですけど」
と思って尋ねたらビンゴ。使い勝手と食べやすさから長粒米を流通させているけど、他にも種類はあるんだそう。詳しくは分からないけど、匂いとか保存方法が独特で調理までの手間が結構かかるんですって。なんか怪しくない?
折角のお米を目の前にしておめおめ引き下がる私ではありません。使えるものは使うべき。ここでの最高責任者のお兄ちゃん殿下に長粒米の産地と価格を聞き出して、出来れば一キロはお土産に頂きたい。んで、その手間のかかるお米の生産地を是非とも聞き出して、現物をこの目で、この鼻で、この舌で、じっくりしっかりがっつり確かめたい!
私の野望プロジェクトに関わるならば私の全力でおねだりしますとも。それに味が納得いくなら五平餅も米粉団子もきりたんぽも作れるかもしれません。
「旨いもの作るなら持っていくか?」
「調理師さんくれるの、ほんとにいいの?」
「但し、レシピくれるならな」
「ご存知の穀物に関しての知識も下さい。取り扱いのある穀物なら産地と取扱業者、それに出来れば価格もお願いします。ああ、穀物を使って作られた酒類に関しても教えて下さると料理の幅が広がるんでお願いします。あと、料理用の酒類調味料に関して質問あるんですけどいいですか? こちらの調理方法に関して質問したい事がありまして」
「ちび竜ちゃん落ち着いて、そんなぽんぽん質問をしたって一気に答えられないわよ」
今日はあくまでも試食会。一応先程提供した料理の山菜に関しては既に数は揃えてあります。変更するなら早めがいいからね~。今日は時間がないので、私の聞きたい事は後日改めて教えて下さると調理師さん達を始め、お兄ちゃん殿下も確約してくださいました。しかも長粒米の30キロのお土産付きで。




