前へ目次 次へ PR 5/20 第五章 雨の日の通報 翌週。 激しい雨が降った。 午前二時十三分。 電話が鳴る。 『助けてください』 女性の声。 「場所は?」 『駐在所の前です』 佐伯は外を見る。 誰もいない。 「今、外に出ます」 『出ないで』 「え?」 『外にいるのは、私じゃありません』 その瞬間。 窓ガラスに、 ドン。 手形がついた。 外には誰もいない。 もう一度。 ドン。 今度は反対側の窓。 そして三度目。 ドン。 駐在所の屋根から音がした。 佐伯が上を見る。 天井裏から、 「……佐伯さん」 と声がした。