第85話 幕間~クーデルカ国王と王子の会談~
今回は幕間の話です。
「ふむ……、アリシアだけでなくアリス君にも目を付けたか……」
「どうやらそのようです。 ブラッドの分身体が闘技場に潜んでいたようで……」
時は少し戻り、クーデルカ王国の王城内。
そこで第一王子のロランが国王と話をしていた。
どうやらブラッドの分身体にアリシアだけでなくアリスにも目を付け、襲撃をしたようだった。
「おそらく奴の分身体がいくつもの魔法学校に張り付いてる可能性もあります」
「禁忌のステルス魔法を使って……だな?」
「はい。 アリス嬢を目に付けたのは、彼女がミルト君と言う男性と付き合ってると知ったようです」
「やはり奴は先に付き合いをしている女性を目に付けているか」
「無理やり寝取らせて自分の物にするつもりでしょうね」
ブラッドがアリスを目に付けたのは、アリスがミルトと付き合っているという情報を分身体経由で耳にしたのだろう。
国王曰く、ブラッドは付き合っている男性の前で無理やり寝取らせてくるという性格の悪さを抱えているのだとか。
「彼女の……アリス嬢の護衛も増やさねばならんかな」
「そうですね。 ブラッドに目を付けられた女性たちの護衛は複数の方がいいでしょう」
アリスがフレデリカを護衛としているように、他の女性も一人を護衛として同行させているが、今回の件もあってか護衛を複数にしたほうがいいとロランは言う。
「それで、バトルフェスタはどうします」
「このまま続行とする。 分身体目を付けられたらその都度対応するように大会を警備する騎士にも伝えておく」
「分かりました」
色々と不安は絶えないが、バトルフェスタに関してはこのまま続行を明言した。
ただ、ブラッドの分身体がどこに張り付いているかはわからないので、その都度大会を警備している騎士達にも対処するように命じた。
「それにしても、アリス嬢はなかなかの活躍ぶりですね」
「ああ、ファイアボールを十発同時に放つなど、我々でも出来ぬ芸当だな。 流石は『聖魔女』と評されたイリスの娘じゃな」
「なるほど、彼女の血が濃く受け継がれてるわけですか。 そこに彼女の努力の成果として発揮されたと」
「うむ」
イリス・パリカール。
かつて大賢者クレスと他の仲間たちと共に活動していた魔法使いの女性。
魔法使いの素質を持つが、僅かながらの回復魔法も使える事で有名だ。
回復魔法主体の『聖女』とまでは行かないが、僅かに回復魔法を使えることと、多数の攻撃寄りの魔法を得意とする事から『聖女』と『魔女』を合体させた『聖魔女』という称号を国王から与えられたのだ。
当時は不満タラタラな彼女も、次第にこの称号が気に入り、結婚前まで自らそう名乗った事もあるという。
国王とロランは、それを思い出しながら壁の時計を見た。
「さて、我が娘ふが通う【クロノクル魔法学校】と【エトワール魔法学校】の二戦目は明日の個人戦最終日じゃったな」
「ですね。 妹とアリス嬢の試合を楽しみにしたいですね」
二人は既にアリシアと『聖魔女』の娘のアリスが試合をする事前提で話を進めていたのだった……。
次回も2日後に更新します。
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