第83話 前期バトルフェスタ~ラウル・アカデミー戦⑤~
「そこっ!!」
「なっ!?」
最初のアイスニードルを最小限の動きで回避したボクを待っていたかのように、止めていたもう一発のアイスニードルを発射させた。
しかも、初発と比べてスピードが上がってる。
「【ファイアボール】!!」
「くっ!!」
すかさず、ボクはファイアボールを二発放ち、アイスニードルを溶かした。
ガイルさんも流石にボクのファイアボールの熱で次の動きが出来ずにいる。
「噂通りですね。 今のファイアボールも一発だけでもクリメイションクラスの威力なのに」
「色々ありまして」
「アリスさんの境遇を知ればそれも納得しますよ。 でも……」
「ん?」
「これならどうです? 【ファイアボール】!!」
「え……! わわっ!!」
何と、ガイルさんはファイアボールも初回のアイスニードルと同じように自分のタイミングで仕掛けられるようにしていた。
どれだけの集中力を持っているの、この人は!
「【ブリザード】!!」
攻め手を欠いたボクは一旦ブリザードでファイアボールをかき消す。
それでもまだ数発は彼の周りで漂っては、ボクが動くタイミングでファイアボールを操ってくる。
(くっ! 避けてばかりじゃ……!)
このままでは流石にジリ貧になるし、体力も持たないし、服も少しずつ焼かれている。。
かなり無茶なやり方だが、やるしかない。
「それそれそれ!!」
「なんのぉぉぉ!!」
「何っ!?」
ファイアボールをガイルさんのタイミングで自由自在に放ってくるのを止めるためにボクが行った事は……。
「ぐわあぁぁぁぁっ!!」
「ちょっ、アリスさん、マジで!?」
「ファイアボールを……蹴り飛ばした……だと!?」
観客席からもざわついているが、何を隠そうボクはガイルさんのファイアボールを蹴り飛ばしたのだ。
もちろんその先はガイルさん。
彼もボクの行動に驚いて回避が出来なかったようで、そのままファイアボールを食らったようだ。
「あちちち……! でも、これで止められた。 このまま仕掛ける!!」
「くっ! させな……!!」
「【エアシュート】!!」
「おわあぁぁぁぁっ!!」
今度はボクの方が先に仕掛ける事が出来た。
風属性の魔法【エアシュート】の弾丸をガイルさんに直撃させ、そのまま上方へ打ち上げる。
(一回くらいなら……大丈夫なはず)
病み上がりなので安易には使えないが、ここで決めるために一回だけ使わせてもらおうかな。
「【グレイブ】!!」
「がふっ!!」
落ちてゆくガイルさんの真下から岩の突起を出現させてダメージを与えた。
それが決め手となり、ガイルさんは地面に打ち付けられたと同時に気を失う。
『勝者、エトワール魔法学校のアリス・パリカール選手』
ボクの勝利を知らせるアナウンスが入り、救護班も駆けつける。
彼が無事なのを見届けながら、控室に戻った。
これでラウル・アカデミー二戦目は5勝にとどまったが、首位はキープできたと思う。
ボクは今日ラストのクロノクル魔法学校の二戦目に向けて一休みしないとね。
次回も2日後に更新します。
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