第70話 前期バトルフェスタ~クロノクル戦⑤~
(残り2分を切ろうとしてる……! となるとお互い次の手で決めないといけない)
もうすぐ残り時間が2分を切ろうとしているので、お互いが次の一手で決めないと今のままではかなりの確率で引き分けになる可能性がある。
ただ、ボクは一巡目でのオレギさんの試合で無理した影響であまり多くの手は使えない。
ファイアボール同時発射も最大でも五発しか放てないだろう。
(ファイアボールを五発同時に撃った後で、あの魔法を使うしかないか、それとも……)
ファイアボールとアイスニードルで牽制しながらボクは機会を伺う。
トキアさんも同様だろう。
しくじれば負けるか引き分けになるからだ。
(仕方ない……! これで行こう!!)
残り時間がもうすぐ1分を切る。
時間はない。
だからボクは決心した。
「【アイスニードル】!!」
「くっ! 【ファイアボール】!!」
まず、アイスニードルを放つ。
トキアさんがファイアボールで、氷を溶かそうと試みるが、ボクのアイスニードルは威力は高めなので、溶かしきれずにアイスニードルによるダメージを受けた。
その間にボクは集中して魔力を集めた。
残り時間は、あと……50秒!
「うぐ……」
「【インスパイア】!!」
「なっ!?」
トキアさんが立ち上がっている間を狙って、ボクはインスパイアを放った。
「きゃあぁぁぁっ!!」
彼女はそれに気付き、辛うじて回避するも、ボクの雷が落ちた時の衝撃波で吹き飛ばされる。
その間に、ボクはこの試合最後の魔力集中を行う。
(うぐっ! もう少しだけ保って……!!)
残り時間は30秒を切っている。
だが、ここでボクは頭痛を引き起こしてしまう。
でも、ここでしくじるわけにはいかない。
トキアさんが起き上がろうとするまでに、もう一度使うのだ。
「【インスパイア】!!」
「あ……!」
立ち上がろうとしたトキアさんの頭上に再び雷が落ちる。
「きゃあぁぁぁぁっ!!」
今度は避けられずに、雷がトキアさんを直撃する。
アリーナに二つのクレーターが出来たけど、すぐに直るしいいよね……。
『勝者はエトワール魔法学校、アリス・パリカール選手です!!』
直撃を受けて気を失ってるトキアさんは救護班によって回復魔法を掛けながら担架に運ばれていった。
ボクもふらつきながら、控室に戻る。
「アリスさん、お疲れ……?」
「アリエスさん?」
「あの、アリスさん……血が……鼻から……」
「え……?」
控室に戻ったボクを出迎えたアリエスさんとファナが、ボクを見て固まった。
そこにファナから血が出ていると言われたので、鼻に触れると本当に血が出ていた。
一巡目のオレギさんと二巡目のトキアさんで無理をしたのだろうか?
「あ……れ……?」
「あ、アリスさん!?」
「先生を呼べ! 保健室へ連れて行くんだ!!」
急に周りが歪んだと思ったら、ボクはすぐに倒れた。
意識を失う直前に、先生を呼ぶルミアさんと指示を出すルドルフさん、ボクに声を必死で掛けるファナを見たのだった。
よろしければ、広告の下の評価(【☆☆☆☆☆】のところ)に星を付けるか、ブックマークをお願いします。
作者のモチベーションの維持に繋がります。




