第59話 前期バトルフェスタ~ワルジール戦(アウェー)③~
さて、二巡目に入り最初はジョージという上級生の男子、そして次はファナの順でワルジールの生徒を蹂躙していった。
ジョージさんもファナも努力で魔力を高めたり、魔法の精度を高めたりしているのだけど、ワルジールは二巡目前の抜き打ち検査で制約結界が使えなくなったので、努力の差がこちらと開く形になったのだ。
「初期魔力が優秀でも、磨き上げなければ意味がないですからね」
「そうですね」
小型の魔導モニターによる試合内容を見ながらフレデリカさんがそう嘆いたので、ボクも同意した。
「さ、次はアリスさんだな」
「相手は向こうの生徒会長だけど、向こうの魔力の磨き方からしてアリスさんの敵じゃないと思うわ」
「思いっきりぶちのめせ!」
「今までの恨みを晴らしましょう、アリスさん!」
「うん!」
ジョージさん、アリエスさん、そしてボクの次の上級生の男子のニールさん、ファナの順でボクを激励してくれた。
ボクも両手で顔を叩いて気合を入れて、あの生徒会長を倒すためにアリーナに向かった。
「待たせたね、生徒会長さん」
「ぐぐ……、あんたが……私達の思想を……! 無能のくせに……」
「制約結界が使えなくなった今、その発言はブーメランだと思うけどね。 アクミ・アクマールさん」
余裕そうなボクを見てか、歯ぎしりをしながら罵るアクミ。
だけど、今となってはそれはブーメラン発言でしかない。
「でも、調子に乗ってるのも今の内よ! 私の本気を見せてやるんだから!」
アリエスさんとの戦いでは何も出来ずに敗北したからね。
ボクでリベンジしたいのだろうけど、そうはさせないよ。
『それでは、アリス・パリカール対アクミ・アクマール! 試合開始!!』
「【ファイアボール】!!」
「なぁっ!?」
試合開始と同時にアクミが仕掛ける前にボクが先にファイアボールを放った。
三発同時に放ったファイアボールは、自重しない威力を保ったまま……。
「きゃあぁぁぁぁっ!!」
アクミに直撃する。
その間にもボクは次の魔法を放つために脳内詠唱を完了させた。
「【グレイブ】!!」
「あぐっ!!」
習ったばかりの地属性の初級魔法でアクミの足元から岩の突起を発生させた。
上手く行ってくれたようで、アクミの背中に突起が直撃し、上方に打ち上った。
「ま、まだ……!」
「悪いね。 もう一つあるんだよ」
「な……!?」
ファイアボール三発同時攻撃とグレイブのコンボでのダメージを落下しながら体勢を立て直そうとしたが、ボクはそこを狙いすまして……。
「【エアシュート】!!」
風属性の初級魔法を弾丸のように放った。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
風の弾丸がアクミを直撃させ、そのままフェンスまで吹き飛ばした。
「あ、あぐ……」
その際にアクミはフェンスに激突したようで、激痛で立ち上がれない。
だが、まだ戦意がある。
止めを刺してしまおうか。
「【ストーム】!!」
「あぎゃあぁぁぁぁぁっ!!」
止めの風属性の初級範囲魔法でアクミを再度上空へ打ち上げ、そのまま落下した。
一応、王国の手による回復の結界が張ってるので、痛みは回復するだろうけど、気を失ったままだ。
『勝者、エトワール魔法学校のアリス・パリカール選手!!』
無観客の中で、ボクはアクミに何もさせずに勝利を収めた。
気を失っているアクミを見下すボクは、こう言い放ってから控室に戻った。
「初期魔力が優秀だからって努力を怠ったのが敗因だよ」
……と。
その後もアリエスさんとニールさんが順調に勝利を収めて、最初の戦いはボク達エトワール魔法学校がアウェーの地で勝利したのだった。
フリスクに絶望を与えるのはまだこれからだけどね。
ホーム戦やタッグ戦もあるからね。
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