第58話 前期バトルフェスタ~ワルジール戦(アウェー)②~
「流石はアリスさん。 ファイアボールで一発でKOとはね」
「でも、相手のファイアボールに制約結界の効果を持った何かを仕込んでたみたいですよ。 主審が教えてくれました」
「ああ、やっぱり……。 フリスク一派の教員が教えていたのかもね」
一旦控室に戻ったボクをアリエスさんとフレデリカさんが出迎えてくれた。
ボクは主審から相手の魔法に制約結界の効果を持った何かを仕込んでいたと教えられた事を伝えるとフレデリカさんが呆れかえる。
初期魔力で優劣を決めるべきと言う思想を持った教師が出場者に教えていたのだろうと予測もしていた。
「努力の成果を見せるための大会に制約結界は反則なのにね。 聞いていなかったのかしら?」
「多分、都合の悪い者は耳を塞いでるんでしょうね。 さっきのように審判に感知されるのに」
「あ、ファナ。 もしかして次はファナの番?」
「はい。 次は私でその後でアリエスさんですね」
アリエスさんの発言にファナがそう言いながらボクの方に来た。
どうやら次はファナが戦うようだ。
ボクが対戦した時みたいに制約結界は使わないだろうけど、油断はしないようにしてほしい所。
「ボクが戦う時以外はありえないだろうけど、気を付けてね」
「はい。 徹底的に懲らしめますよ」
「私も次に備えて準備運動でもしようかしら」
ファナが懲らしめると言いながらアリーナに向かい、アリエスさんも準備運動を始めた。
ボクはフレデリカさんから貰った小型魔導モニターでファナの戦いを見守る。
『それでは、ファナ・エトワール対ゲズー・オズワルド! 試合開始!!』
アナウンスと同時にファナがエアシュートで仕掛け、その後にアイスニードルを連射して足を固め、止めにインスパイアを撃ち込んで相手に一切の行動をさせずに勝利した。
ゲズーという男もボクを嘲笑っていた者の一人だが、ファナの華麗なる攻めで完封される様子を見て内心スッキリした。
「ファナ、お疲れ。 パーフェクトだったね」
「はいっ! アリスさんの恨みを少しでも晴らさせたかったので」
そんなファナをボクはハイタッチで出迎える。
ファナも心なしか表情が輝いてるなぁ。
「じゃあ、次は私ね。 今回の対戦は後二人の後に順番を変えて二巡目の流れになるわ」
「という事はボクを含めて5人という事ですか」
「そうね。 各校の出場枠20名は、個人戦では対戦校によってメンバーを変えたりするし、タッグ戦の為の人数でもあるしね。 じゃあ、行ってくるわ」
アリエスさんの話だと、個人戦は各校5人ずつ出し、その5人で順番に戦った後、再度順番を組み替えてもう一度5人で順番に戦うという。
各校の出場枠20名は、対戦相手によって色々変えやすくするのと、タッグ戦用でもあるみたい。
ややこしいなぁ……。
『きゃあぁぁぁぁ!!』
あ、そうこうしている間にアリエスさんも圧倒的に相手をねじ伏せた。
ブリザードとグレイブとインスパイアの三点セットで同じく相手を攻撃させる隙を与えなかったみたいだ。
ファナといいアリエスさんといい、仕掛けるスピードも速いね。
しかも、アリエスさんの対戦相手はワルジールの生徒会長だったから、尚更スッキリしたよ。
後の二人は男性の上級生だったが、一人は何故か相手が制約結界の効果を含んだ魔法を放った為に、ワルジールの反則負けとなり、もう一人は土と氷の魔法であっけなく片付いたようだ。
さて、もうすぐ二巡目に入るんだけど、今度はボクが三番目になる。
どうやらアリエスさんがボクをあの生徒会長に照準を合わせたみたいだ。
生徒の中ではフリスク一派の長みたいなものだし、やられる前にやっておきたいね。
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