第54話 開幕前日の出会い
「いよいよ明日かぁ……」
バトルフェスタ本戦がいよいよ明日開催される。
今日はミーナとジャック君の授業開始の日であると同時に、ワルジール魔法学校では主席だったキルスさんと、ナンバー2のルリルラさんが中途入学の為にここに来るようだ。
クレス校長からの話では、向こうもアンチ制約結界に対する策を得ているらしいので、今日中にそれを越える対策を仕込んでくると言った。
また、ボクには王国からの護衛が付くらしい。
その一人がフレデリカさんだという事も聞いた。
「しかし、ボクがバトルフェスタに出るだけでここまでするとはね……」
「それだけ、今のワルジール魔法学校はアリスさんが無能であり続けなければならないんでしょうね」
「あいつらはそれでマウントを取ってたんだしね。 自分自身のプライドを維持したいんでしょ」
「最悪、アリスさんを出させないようにするという事もありえそうですね」
「ああ、だがその為のフレデリカさんだろうな。 あの人は不本意ながらもフリスク達の思想を知ってるから」
バトルフェスタに向けた話で色々言われてるけど、まさかボク自身もここまで大きくなるとは思わなかったんだよね。
しかもボクには護衛が付くわけだから。
でも、ミーナが言うようにボクが無能扱いになる事でマウントを取って来た連中が多数を占めるワルジールが、ミルト君の言うボク自体を試合に出させないようにする可能性も懸念している。
フレデリカさんがボクの護衛の一人に選んだ理由も、フリスクの思想を知っているから。
「アリスさんはタッグ部門にもに出るんでしたっけ?」
「そうだねぇ。 タッグの相手はアリエスさんみたい」
「今度は共闘だね。 聞いた話じゃ相当強いんでしょ?」
「うん。 この学校内のナンバー1の実力の持ち主で、結構強くて戦い方も上手いからね。 あの時の模擬戦は何とか勝てたけど」
「ナンバー1に勝てる実力を持つアリスさんが言ってもなぁ」
「でも、魔法のコンビネーションは向こうが上でしたし、アリスさんはごり押しでしたしね」
「ファイアボール十発同時撃ちまでさせたからねぇ」
「「十発同時!?」」
あ、ミーナとジャック君がファイアボール十発同時撃ちに驚いてる。
やはり、基本的にはあり得ないんだろうね……ボクの荒業は。
話が前後しちゃうけど、今回のバトルフェスタでボクはいつもの一対一の戦いだけでなく、タッグ戦も出る。
しかもタッグ戦の相棒はアリエスさんと来た。
でも、あれだけ手ごわかったあの人と味方で一緒に戦えるのは正直嬉しく思う。
「お、なんか盛り上がってるな?」
「私達も混ぜてもらおうかしら?」
「ん?」
「あっ」
そんな感じで話が盛り上がっている最中に、二人の男女の声が聞こえた。
ボクは驚いたが、ミーナはどうもこの男女を知っているみたいだ。
ひょっとして……?
「ミーナ、この人たちが?」
「うん。 向こうでは主席だったキルスさんとナンバー2だったルリルラさんだよ」
「ハリボテの……だけどな。 こうして君と会うのは初めてだね、アリスさん。 キルス・アリアンロッドだ」
「私はルリルラ・キリートよ。 同じく向こうじゃハリボテのナンバー2だった者よ。 今日からこのエトワール魔法学校に中途入学することになったわ。 よろしくね、アリスさん」
「あ、はい。 アリス・パリカールです。 こちらこそよろしくお願いします」
ここで今日からここに入るキルスさんとルリルラさんと、ここでついに顔を合わせることになったのだ。
初っ端から緊張した形になったけど、大丈夫だよね?
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