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第53話 幕間~その頃のワルジールと……?~

今回は幕間の話です。

 アリス・パリカールが模擬戦でエトワール魔法学校のナンバー1の生徒に勝ち、その後でミーナとその彼氏のジャックという少年がワルジールを退学して、エトワール魔法学校に中途入学した一方で……。


「生徒会長。 何とかバトルフェスタに出場するメンバーを揃えました」


「ええ、ご苦労様」


「まさか、フリスク様の下で主席になった者を含めて上位陣が総じて退学していくなんて思いませんでした」


「全くね……。 あの無能女のどこがいいのかしら……」


「そうですね。 努力など無意味なのに」


 ワルジール魔法学校では、開催が近づくバトルフェスタの出場メンバーを何とかそろえたようだ。

 キルスやルリルラ、そしてミーナなどの上位陣が総じてワルジール魔法学校を退学したことで、計画に狂いが出たからだ。

 その原因は、生徒会が無能女と未だに蔑むあの少女……アリス・パリカールの存在だ。

 彼女がフリスクによって退学させられた後は、彼女の努力を知る上位陣やミーナがフリスクの考えへの不満が爆発し、時間差があれど上位陣のほぼ全てが自主退学をしたのだ。


「とにかくバトルフェスタに関する対策は早急に練らないとね。 どうも王国が私達やフリスク様への調査の手が回ってくる可能性があるって知らせもあったし」


「ほ、本当ですか!?」


「ええ、ファガーソン家が王国に潰されてから、そこに繋がる者として私達やフリスク様に疑いをかけてるの」


「つまり、何とかして隠滅を図ってくれと」


「そうなるわ。 王国には憎き大賢者の妻もいるから、奴に見つかる前に何とか隠しておくのよ」


「了解しました」


 何とかメンバーを揃えたはいいものの、未だに生徒会長の女は不安を隠せない。

 その理由として、どうも自分達やフリスクに対する王国からの調査の手が回ってくるからだ。

 生徒会長の女が憎むあの大賢者クレスの妻も調査に動いているという事もあり、何としても隠蔽を図らないといけないのだ。


 しかし、それも無駄に終わる。

 何故なら……。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「カティアさん。 やはりフリスクの引き出しから毒薬がありました。 あと……」


「これは……、フリット前校長の毒殺の為の依頼書ね。 確かにファガーソン家とフリスクが繋がっていたというわけね」


「はい。 後、バトルフェスタ本戦での仕込み役の人員の資料も入手しました」


「なるほど。 アリスさんを何としても無能であり続けたいが為に、王国の結界の精度をこっそり調べてたのね。 強化された制約結界を使える人員がリストに載ってるわ」


 王国にある一室で、大賢者クレスの妻のカティアとフレデリカ・ワルジールが証拠となる幾つかの資料を持って話をしていた。

 フレデリカが部下と共にこっそり忍び込んで校長室やいなくなった生徒会室などを調査したところ、隠し金庫などからこの資料や毒薬が見つかったのだ。

 それらを早急に回収し、今日の昼にカティアに見せていたのだ。

 カティアもその資料や毒薬を見て、フリスクの手段にため息が出た。


「フレデリカさんも辛い役目を背負わせて申し訳ないわ」


「いえ、兄のフリットを毒殺してまで自分達の思想を植え付けたいフリスクの考えに怒りが湧いてますから」


「しかも、そのためのクーデターも計画していたとはね。 先にファガーソン家を潰して正解だったわ」


「でも、フリスクの取り巻きはワルジール魔法学校にまだたくさん巣くっています。 制約結界を不意打ちで掛けさせられたら厳しと思います」


「そうさせないためにも、私や夫が動くしかないわね。 ワルジール以外の各学校にも対策をしてもらいましょう」


「では、私は国王様にも報告してきます」


「ええ、お願いしますね」


 そう言って、フレデリカはお辞儀をしてから部屋を出る。

 カティアはクーデター計画書の書類をもう一度見る。

 フリスクの初期魔力による優劣を決める思想を持つ者は王国内にまだ巣くっているのが悩みの種だ。

 ファガーソン家を潰したとはいえ、まだフリスクの取り巻きは多数いるので油断は出来ない。


「さて、夫にも連絡しないと……」


 フレデリカが国王に報告に行く間に、カティアも立ち上がり、クレスに連絡を取るのだった。



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