第51話 ミーナ・ファーウェイ
「でも、何でミーナはここに? ワルジール魔法学校はどうしたの?」
ミーナと再会したボクは喜びよりも先に疑問が湧いた。
何故なら、ミーナはワルジール魔法学校内では、ボクより上位にいる子だったからだ。
しかも、彼女には彼氏がいたはずだし……。
「あそこなら四日前に退学したよ」
「退学したぁ!?」
「両親にも相談し、退学してもいいと言ってくれてね。 さらに私だけじゃなくもうすぐ来る私の彼氏、主席のキルスさんやナンバー2のルリルラさんも退学してるよ」
「上位陣が退学しているって話は一応聞いてるけどね。 やはり理由は……」
「もちろんアリスちゃんの強制退学がきっかけだよ」
「そっか……」
キルスという人の退学は情報で知っていたが、ミーナやその彼氏まで退学していたのは驚いた。
かつてミルト君経由でラビ先生からの情報で上位の者が退学をしているというのを思い出したはいいが、ミーナまで退学していたなんて思わなかったからだ。
聞いた話じゃ、彼女の両親は意外と理解を示してくれていたのかもね。
「じゃあ、向こう隣にはミーナとその彼氏が入るんだね?」
「うん。 クレス校長先生曰く、アリスちゃんが事情を抱えた男の子と一緒に住んでいるからって」
やはり、今ボクとミルト君がいる部屋の隣にはミーナとその彼氏が住むことになったようだ。
見た限り、もう一つの部屋も完成間近なので、その時に誰か来るのかな?
ミーナとそんな感じで話していると、ミルト君が声を掛けて来た。
そうだった、ミルト君にミーナの事を紹介しないと。
「アリスさん、この人が?」
「あ、うん。 向こうでの友人のミーナ・ファーウェイだよ。 ミーナ、この男の子がその事情を抱えているミルト・ファガーソン君だよ」
「ミルトと言います」
「よろしくね。 しかし、ファガーソンかぁ。 あそこは確か生まれつきで攻撃魔法を取得していないと無能扱いにする家系だっけ」
「はい。 僕はそこで無能扱いにされて暴力を振るわれて捨てられました」
「酷い事するのね」
「まぁ、今となってはファガーソンは壊滅してるんだけどね」
ミーナにミルト君を紹介した際に、ミーナもファガーソン家の事はある程度は知ってたみたいだ。
だが、実際にミルト君自身が受けた暴力の事を話すと、怒りを露にしていたが。
「私は明後日から1-Bにて改めて授業に参加する事になってるよ。 彼氏も同じくね」
「隣のクラスかぁ。 まぁ、ダンジョンに行く時に誘うかも知れないからよろしくね」
「それに関しては私もびっくりしたよ。 一足先に冒険者のシステムの一部を体験できるって……。 ワルジールにはなかったものだしね」
そしてミーナは、明後日から1-Bのクラスで授業に参加するようだ。
放課後のダンジョンには彼女も誘ってみようと思うが、エトワールのシステムに驚いてるっぽいからねぇ。
慣れてからがいいかな?
「お待たせ、ミーナ」
「あ、ジャック君」
そうしている内に、ジャックと呼ばれるミーナの彼氏が荷物を持ってこっちに来た。
彼氏がいるのは前々から知ってるけど、実際に会うのは初めてなんだよね。
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