第48話 エキシビジョンマッチ②
アリエスさんが風魔法の準備をしているのに気づき、ボクも風魔法を使う為に集中力を高める。
他の行動をしながら集中力を高めるの事については、上級生であるアリエスさんが一枚上手だ。
風属性魔法は氷属性魔法や雷属性魔法よりはそれほど集中力は必要としていないので、【エアシュート】なら牽制にも本命にも使えるからね。
「【エアシュート】!!」
(来た……!! ここだ!!)
「なんの! こっちも【エアシュート】!!」
「えっ!?」
アリエスさんがファイアボールを回避したボクに向けてエアシュートを放つ。
流石はナンバー1と言われるだけあり、向かってくる風の弾丸は大きめだ。
だが、ボクも同じタイミングでエアシュートを使ったのだ。
しかし、向けている相手が違うだけだ。
「お、おい……!!」
「エアシュートの風圧をジャンプ台代わりにして!?」
そうなのだ。
観客のみんなの言うように、ボクはエアシュートを地面に向けて放ち、その反動でジャンプ台代わりにしてアニエスさんの頭上を飛んでいたのだ。
「くっ、【グレイブ】!!」
「わわっ!」
しかし、そこは流石にアリエスさんだ。
ボクの着地を狙って、こっちは最近教えてもらったばかりの大地属性の初級魔法【グレイブ】を放ち、着地を防ごうとした。
突起する岩を咄嗟に【ファイアシールド】で防いでからその反動を利用して何とか着地する。
「流石はアリスさん。 エアシュートをあんな使い方をするなんて」
「そっちこそ、ボクが習ったばかりの【グレイブ】で着地狩りを狙うなんて予想してなかったですよ」
大地属性の魔法は雷属性と同様の集中力を要する。
ブレると地面からの突起が術者を襲うのだ。
なので、習ったばかりのボクはうかつにそれは使えない。
(こうなるとボクも切り札を使うしかないか)
エアシュートの反動を利用してアリエスさんの頭上を飛び越えて攻撃しつつ着地しようとしたが、その合間に対応されたのでそろそろ切り札を着る時なのかもしれない。
「行くわよ! 【ブリザード】!!」
「ひゃっ! さ、寒っ!!」
そう考えてる間にアリエスさんが氷属性の初級範囲魔法【ブリザード】を放ってきた。
急に空気が冷えて、ボクの身体が寒さに震える。
「今ッ! 【エアシュート】!!」
「しま……っ!! あうっ!!」
寒さで震えた一瞬のスキを突かれ、エアシュートがボクを襲った。
今回はエアシュートを防ぐことが出来ずに、風の弾丸を受けてしまい、風圧で吹き飛ばされた。
「【グレイブ】ッ!!」
「あぐっ!!」
吹き飛ばされて転倒するボクを、アリエスさんはそこに追い打ちをかけるように、グレイブを放ち、そのまま地面からの岩の突起が直撃する。
ボクは上手く受け身を取れず、地面に背中を強打してしまった。
(あたた……、模擬戦で回復の結界があるとはいえ、これは流石に痛いかも……。 でも)
「まだまだ!!」
「ここだ! 【ファイアボール】5発同時!!」
「な……!? きゃああぁっ!!」
さらに追撃をしようとするアリエスさんにボクは密かに準備していたファイアボールの五発同時撃ちを痛みを堪えて起き上がる過程で放った。
アリエスさんはそれに対応できず、五発全て直撃を受けた。
流石に制服の結界効果があるとはいえ、アリエスさんでもファイアボールを五発全て直撃したので、袖とかスカートの一部とかが焦げてしまっている。
幸い、スカートの中が見えてないのが救いかな。
「起き上がる過程でそれを使われるとはね……。 一気に大ダメージを受けてしまったわ……」
「こっちもさっきのコンボで背中を強打しちゃってるんで……ここいらで決着でしょうか」
「そうね……。 時間もいつの間にか迫ってるし、この一回が勝負ね」
この模擬戦はバトルフェスタ本線と同様の5分勝負。
そしていつの間にか残り時間が2分を切ってしまった。
つなりお互いがこの一回で勝負となるのだ。
そう、このエキシビジョンマッチも正念場を迎えたのだ。
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