表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/105

第46話 アリエスさんとの遭遇

(はぁ……、恨むよクレス校長……)


 ミルト君にトイレの入り口まで付き添ってもらい、ボクは女子トイレで用を足しながら頭を抱えた。

 何せもうすぐ校内でナンバー1の上級生、アリエス・ファルーナさんと戦うことになるからだ。

 あの人の戦いぶりは昨日の模擬戦で見ているから尚更不安が燻る。


 あそこまで練度の高い戦い方は、中途入学のボクではまだ出来そうにない。

 一部の初期魔法の制御すらままならない中で、何とか高い魔力で押していくしかないからだ。


(時間が迫ってるし、ミルト君も待ってるはず。 いい加減に出よう)


 時間的に後10分でエキシビジョンマッチが開始される。

 いつまでもウジウジするわけにはいかないので、個室から出ようとした。

 

「「あ……」」


 個室から出た時に、同時に隣の個室から出て来た女性と目が合った。


「もしかして、貴方がもうすぐ私と戦うアリスさん?」


「そ、そうです。 じゃあ、あなたが……?」


「ええ、アリエス・ファルーナよ」


 こんな所でまさかの対戦相手となったアリエスさんと遭遇した。

 向こうもまさかボクと遭遇するなんて思わなかったのだろうね……。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「そう……。 私と戦う事になって自信を失ってるのね」


「昨日の戦いぶりを見てですね。 あそこまで練度の高い立ち回りは見たことないので」


 トイレの手洗い場で手を洗いながら、ボクはアリエスさんに不安を暴露した。

 彼女は穏やかな感じで話を聞いてくれた。

 その後で、アリエスさんはボクにこう言ったのだ。


「私からしてみれば、自分の強さでアリスさんと渡り合えるのかは不安だったのよ」


「どういう事です?」


「実技授業の時の貴方のファイアボールの十発同時撃ちに対応できる術がないからよ。 五発同時でも、私には出来ないのにね」


「あ……」


 忘れてた。

 初めての授業においてファナとの模擬戦でファイアボールを同時撃ちしていたのを。

 この人は提供された映像ではあるが、ちゃんと見ていたのだ。

 そして、ボクのファイアボール十発同時撃ちに対応できない為に、アリエスさんも不安を抱えていたようだ。


「それに、貴方はキングフロッガーとも戦ったんでしょ?」


「アクシデントだったし、仲間が五人いたおかげで勝てましたけどね」


「それだけでもすごい実績なのよ。 他の学校でもキングフロッガーに勝てたことがないしね」


「そうなのですね」


 彼女の銀色のロングヘアーの揺らめきが儚く映る。

 アリエスさんですら経験のない事をボクはすでに経験をしているんだった。


「私も貴方の事は認めてるの。 その上で、もうすぐ始まるエキシビジョンマッチでいい戦いをしましょう」


「はい、こちらこそお願いします」


 手洗いを終え、ハンカチを拭き終わった後で、アリエスさんと握手を交わした。

 この人との話のおかげでボクは吹っ切れた。


 ボクは軽やかな足取りでミルト君と合流。

 待機中に伝言があったようで、その伝言内容を聞いたボクはそのまま試合会場に向かったのだった。



よろしければ、広告の下の評価(【☆☆☆☆☆】のところ)に星を付けるか、ブックマークをお願いします。


作者のモチベーションの維持に繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ