第38話 観戦中に聞いた情報
「やっぱり上級生は強いね」
「そうですね。 同学年ではファナさんとアンナさんが出場権を得ましたね」
「ミルト君はまだこれからだしね。 今日の放課後はダンジョンに一緒に向かうけど」
「あ、ライネスさんが上級生を倒して出場権を得ましたよ」
「うそっ!? あ、ファルミアさんも!」
ボクのバトルフェスタ出場と言うネタバレを食らって翌日。
今日から数日間に分けて、残り19枠を掛けての模擬戦が行われる。
今回来たのは、授業で使う闘技場とは別の大会で使う広めの闘技場だ。
大会用の闘技場は三つあり、それぞれ二つのブロックに分けて勝ち抜き戦で戦う形だ。
別の闘技場での進行状況は、魔導モニターでお知らせしているとのこと。
下級生とか上級生を問わず、無差別にかつ一対一で戦うのがルールなので、みんな張り切っている。
本来は20枠なんだけど、その一つをボクに決めたという事をみんな聞いたらしいが、こぞって『アリスさんなら仕方がない』、『まぁ、ファイアボールを十発同時に放つアリスさんだしなぁ』とか納得されてしまった。
解せぬ……。
なお、ボクは出場権を得た人物の中から一人とエキシビジョンマッチを行う事になった。
本気を出したボクの強さを見せつけてやれと言うクレス校長の指示だ。
しかし、エトワール魔法学校に入ってからまだそんなに経っていないのに、いきなりバトルフェスタに出場とかね。
まだまだボクの頭は混乱しっぱなし。
「それにしても、ワルジール魔法学校でしたか? アリスさんを無能の烙印を押して退学させたという」
「ミルト君?」
観戦中に思い出したかのようにワルジール魔法学校についての話題に触れ始めたミルト君。
何か新しい情報でも聞いたのかな?
「ボクがトイレから出た後にラビ先生に聞いた話ですけど、どうもあそこで退学者が続出しているみたいですよ」
「退学者が?」
「しかもそれがほとんど上位の者が」
「え、え……!?」
ちょっと待って!
退学者が出ているのはある程度予想はしていたけど、上位者が!?
何で……!?
「学校運営における定期報告を受け持つ担当の大臣の息子が主席なんだけど、彼も退学すると」
「主席……キルスって人が!?」
「そうですが、知ってるんですか?」
「名前だけは……まさかあの人が……」
ワルジール魔法学校の主席を得ていたキルスという人も退学の決意をしていたなんて……。
ボクはあそこでは無能扱いされていたから、名前だけしか知らなかったけど、それでも衝撃がすごい。
「この情報、本来はアリスさんにも話す予定だったみたいですけど、観戦にのめり込んでいる時に話をした方がいいと言われたので」
「だからこのタイミングでかぁ。 いや、ありがとね。 おかげでいい情報が聞けたよ」
なんだかんだで、上位の人もフリスクの思想に疑念を抱いていてくれていたのが嬉しかった。
大概は上位の人って、その思想の犬のようなイメージだったし。
退学を決意したキルスって人が父親の大臣に報告したんだろうね、きっと。
「あ、本日最後の枠が決まったみたいですよ」
「本当だ。 早いねぇ……」
色々考えているうちに19枠の内の6枠分が決まったようだ。
闘技場の枠から考えて、今日はここまでになる。
明日には6枠分が、明後日には残りの7枠分が決まる形だ。
「じゃあ、ボク達はトイレに行ってからダンジョンに向かおうか」
「あの町中にあるダンジョンですね。 いいですよ」
なんだかんだでミルト君もいい表情になったみたいだし、後は戦い慣れてもらう事だしね。
まずミルト君と組むことが決まったが、後はどうしようかな……?
「あ、いたいた。 アリスさんにミルト君」
「えっと、ライネス君とファルミアさん? あ、ファナも」
「私はついでですか!?」
色々考えていたら三人に声を掛けられた。
ファナはともかく、ライネス君とファルミアさんが声を掛けてくるのは珍しいな。
この二人、付き合っていて大概二人だけの空間が形成されてるんだけど……。
「二人ともダンジョンに行くのなら俺達も一緒に行っていいかな?」
どうしたのかと思ったが、思いもよらない形で同行申請が来た。
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