第36話 校長室に居た女性は……?
「お父様ッ!!」
「ぬわっ!? ファナ!!」
ラビ先生から聞いた話に怒りを覚えたファナが勢いよく校長室のドアを開ける。
しかも、ノックをせずに……。
それ故にクレス校長は、突然の来訪に驚いたようだ。
なお、ファナは校長室までボクを連れて来たんだけど……ミルト君まで巻き添えにしてしまいました。
「どういう事ですか! メンバーを決める模擬戦を始める前に一つの枠をアリスさんにはめ込むなんて!!」
「い、いや、落ち着けファナ」
「落ち着いていられますか!!」
クレス校長の胸倉を掴んで罵声を浴びせるファナ。
何とか宥めようとするクレス校長だが、ファナの剣幕に圧されっぱなしだ。
あー、大賢者のイメージが崩れてしまう……。
「あ、あのー……」
「あ、えーと」
その傍らで校長室に居た女性がボクとミルト君に声を掛けた。
「アリスさんですよね?」
「あ、はい」
「あの馬鹿がやらかしたようで本当にごめんなさい」
「え、えーと、あなたは……?」
相変わらずのファナの罵声という雑音が気になるが、ボクは女性に尋ねた。
ボクの名前を何で知っているのかも気になるし、『馬鹿がやらかした』というのも……ね。
「私はフレデリカ・ワルジールと申します。 アリスさんには辛い目に遭わせたようで本当に申し訳ありません!」
「え? ワルジール!?」
「え!?」
女性が自己紹介した途端、ボクは固まった。
ワルジールのファミリーネームを持った女性が、校長室に居たという事はクレス校長に面会していたという事になる。
同じくファミリーネームを聞いたファナも彼女のいる場所に振り向き、固まった。
でも、クレス校長はいい加減解放してあげないと。
泡が噴いてるし……。
ともかく、ボクがバトルフェスタに先行して出場確定させたのも、フレデリカという女性の存在があるからかな?
ファナから解放されたクレス校長はまず、彼女について補足した。
「彼女は……フレデリカ君はフリット・ワルジールならびにフリスク・ワルジールの妹なのだよ」
「フリスクを兄とは思っていませんよ。 あの男はフリット兄さんを毒殺した疑惑があるんですから」
「ええ!?」
さらなる衝撃の発言に、ボクは口を開けたまま固まってしまった。
毒殺!?
どういう事なの!?
「まず、ワルジール家は本来は初期魔力で優劣を決める思想は持っていません。 フリスクとその取り巻き以外は」
「取り巻き?」
「はい。 フリスクは生まれつき私やフリット兄さんより魔力が高かったのです。 それで取り巻きの貴族らが優秀な子供が生まれたと騒いでましたよ。 うちの家訓とは真逆で」
「じゃあ、あの魔法学校にフリスクが就任したのは前校長を毒殺してでも自分の思想を浸透させたいと?」
「そうです。 その被害にあったアリスさんをバトルフェスタに出場させた理由は、無能扱いした者に本気を出されて思想を否定された状況を作り出して欲しいんですよ」
(うわぁ……)
思った以上に厄介な理由でボクを出場させたいみたいだった。
確かに今のワルジール魔法学校に仕返しはしたいけど、それは来年になってからだと思ったんだよねぇ。
よろしければ、広告の下の評価(【☆☆☆☆☆】のところ)に星を付けるか、ブックマークをお願いします。
作者のモチベーションの維持に繋がります。




