第34話 ミルト君と町巡り~本屋~
「いらっしゃいませー」
(うわぁ、意外にも品揃えがすごい……)
ミルト君と一緒に本屋に入ったボクは、見た目とは裏腹に品揃えの凄さに驚いた。
初級クラスの魔導書を始め、娯楽用の本だったり魔法の制御や物理攻撃関連の書物がズラリとならんでいた。
「アリスさん?」
「あ、ああ、ごめんね。 凄い品揃えに驚いてたから。 まず、ミルト君の欲しい本の場所に行こう」
「はい!」
固まったボクを心配そうに見るミルト君の視線に我に返ったボクは、まずミルト君の欲しい本の場所を探すことにした。
それにしても、心配そうに見ている様子のミルト君、可愛いよね。
しかも儚げで。
「あ、ここです」
「へぇ、どれどれ?」
ミルト君が目的の本がある場所を見つけたので、一緒に行ってみる。
そこに並べられていたのは、小難しい書物ではなく、取っつきやすいタイプの小説本だった。
しかも、ミルト君が手に取ったのはボクがよく読む最強系の中の別の作品だった。
「ミルト君、その手の作品が好きなんだ」
「まぁ、僕は前の家では無能扱いされていたから……こういう話に渇望してるんです」
「へぇ……。 お、こんな所に」
「アリスさんはそれなんですね」
「あはは、まぁね。 主役が男の子か女の子かの違いだけどねー」
実を言うとボクは女の子が主役の最強系の話が書かれた小説をよく故郷の町で読んでいた。
しかし、続刊が故郷の町では売られていなかったので、念願の続きが読めるのだ。
ただ、ボクは男の子が主役のお話も好きなので、せっかくだからミルト君の選んだ小説も購入しよう。
「あ、アリスさん、それも買うんですか?」
「せっかくだしね。 丁度一巻が二冊も置いてたから。 さて、後は魔法関連の本を買おうかな」
「制御の方法とかですか?」
「うん。 トッシュ先生やラビ先生が教えてくれるとは思うけど、それだけに頼れないからね」
「ああ、確かに」
籠に小説本を入れたボク達が次に向かうのは、魔法関連の本が並んでいる場所だ。
そこには、魔法の制御の方法等が記された本がならんでいた。
学校の授業等でも教えてくれるし、自主訓練にも先生に声を掛ければ付き合って貰えるのだが、その分の負担が先生にのし掛かる為、自分だけでも制御の方法を身に付ける必要があるので購入しようと決めた。
「ここだ、ここだ」
「いろんな魔法の制御方法を記した本が並んでますね」
「まず、属性魔法の制御方法を記した本を買わないと……。 何せボクはほとんど威力の制御ができてないからね」
「ファナさんから聞きましたけど、ファイアボールがクリメイションレベルの威力だったり?」
「うん、そんな所。 殲滅ならそれでいいけど、場所によっては制御しないとマズイからね。 ダンジョン崩壊の可能性とか」
「ああ……」
そうなのだ。
密かにトッシュ先生にも言われたが、ダンジョンなどではある程度威力を抑えつつ魔法を使わないと、最悪ダンジョンの崩壊を招く可能性があるという。
そうなってしまえば、下手をすれば『スタンピード』の発生にもつながりかねない。
いわゆるダンジョンのおかげで魔物は外に溢れ出ない状態になっているのだ。
広大な場所での殲滅戦なら威力は高くてもいいのだけどね……。
「それじゃあ、これくらいにして会計に持っていこうか」
「はい」
こうして、買う本が決まったボク達は会計に持ち込んでお金を払った。
占めて四千ガルドだった。
魔法関連の本がやや高めだったらしい。
その後はもうすぐ夜になるので、よろず屋で今日の食料などを買ってから寮に戻った。
帰った後はいつも通りに一緒に風呂に入ったり、魔法の制御方法の本を読んだりして夜を過ごした。
ミルト君の精神状態は良好になってるし、一緒にダンジョンに行けるかもしれないね。
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