第33話 幕間~その頃のワルジール魔法学校⑤~
今回は幕間の話です。
久しぶりのワルジール魔法学校視点です。
一方、ワルジール魔法学校ではバトルフェスタ開幕まで一か月を切ったにも関わらず、多数の人間が慌てていた。
「ルリルラさんが退学するですって!?」
「そんな……! 優秀なルリルラさんがここを退学するなんて……!」
「おい、主席のキルスが退学するってマジか!?」
「ああ、そうらしい。 教師が止めようとしたが振り払われたらしいし、【ギャザー】も効かなかったそうだ」
「うそだろ……!? フリスク校長の理念の下で主席になったのに捨てるっていうのか……!」
どうやら主席のキルスとナンバー2のルリルラが退学をするという話がフリスク・ワルジールの思想に同調する生徒たちにも伝わっていた。
教師たちが止めようしたが、振り払われた上に【ギャザー】という引き寄せ魔法も受け付けなかったという。
騒いでいる彼らや教師たちに気に入られる形での主席ならびにナンバー2となったキルスとルリルラの退学が実行されれば、ワルジール学園はバトルフェスタどころではなくなる。
下手をすれば。彼らやフリスクの思想……初期魔力で優劣を決めるべきという思想を否定されるからだ。
「え……!? ここで上位の子たちも大半が退学の意思を示してるですって!?」
「ほ、本当なのですか!?」
「さ、さっき入った情報よ。 上位に位置する生徒もこの学校を辞めるって……」
「そんな!! じゃあ、バトルフェスタはどうするの!?」
「もう一か月切ってるんだぞ!!」
「何かないのか、生徒会長!!」
次々と入ってくる上位陣の退学情報。
それによって生徒会長の女子は、悔しそうな様子で歯ぎしりをしていた。
ワルジール魔法学校の生徒会は、みんなフリスク・ワルジールの思想に同調した者ばかりで牛耳っている。
学校別バトルフェスタを主宰する【クーデルカ王国】の王族は、努力を評価する考えをもっているが、意外にもフリスクを始めとした初期魔力で優劣を決めるべきと言う思想を持つ者は多い。
ワルジール魔法学校はまさにその思想に染まっていたのだ。
「こうなったら、バトルフェスタの会場に制約結界を張ってもらうわ」
「それしかないな。 それならば、俺達の思想の正しさを広めやすくなる」
「努力など無意味だという事を何としても思い知らさないと。 フリスク校長の命令でもあるんだから。 その上で出場メンバーを決めましょう」
「了解!」
生徒会長の女子は、制約結界を使う教師たちにお願いをし、会場に結界を張ってもらう事にした。
その上で、まだ優秀な生徒から出場メンバーを決めるという流れになった。
すべてはフリスク・ワルジールの思想のために。
しかし、彼らは知る由もなかった。
既に予定されてる会場には、その制約結界に対する対策が施されていたことに。
そして、その後に自分達が無能扱いにした少女によって蹂躙される事に……。
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