第16話 幕間~その頃のワルジール魔法学校④~
今回も幕間の話です。
ご了承ください。
「君達、大丈夫か?」
「ちょっと衝撃的過ぎたかしら? 主席とナンバー2が退学するという宣言は」
「あ、は、はい!」
キルスとルリルラの退学宣言を聞き、時間が止まったかのように固まったミーナ達。
そこで先に我に返ったミーナが二人に質問をした。
「あの……、あるきっかけとおっしゃいましたが、それって……?」
「アリス・パリカールさんだよ。 3日前に今の校長によって退学処分にされた……ね」
「アリスちゃんが……きっかけですか?」
「ええ、そうよ」
ミーナの質問にキルスが答える。
二人の言っていた『あるきっかけ』とは、3日前に退学処分されたアリス・パリカールの存在だった。
「彼女は確かに初期魔力が低かった。 だが、彼女は腐らずに試行錯誤しながら必死で努力していた」
「キルスさん達も見てたんですね」
「うん。 でも、今の教師陣によって仕込まれた制約結界によって初期魔力に抑えられ、実力が発揮できず、テストでも下の順位だった」
「流石に俺達も声を掛けてやりたかったよ」
「という事は……、それも教師陣に邪魔されたと?」
「そうよ。 教師陣が皆持っている強制引き寄せ魔法【ギャザー】によって教師陣のいる場所に引き寄せられ、無能と話すなと言われたわ」
「酷すぎます……」
キルスとルリルラの説明をミーナが代表して聞いている。
彼らから聞いたアリスの扱いに、ミーナはこの学校に対する怒りと失望が垣間見えた。
「俺達はその教師陣に気に入られた形での主席やナンバー2だ。 だから努力を認めないこの学校には居たくはなくなったのさ」
「中から変える事はできないんですか?」
「無理だ。 要の生徒会も今の校長の思想に同調している奴らが牛耳っている。 いくら主席でも生徒会は別だからな」
「だから退学を選択したと……」
「ええ、中から変える事すら不可能だから、退学なりして一度学校の立場を堕とすしかないのよ」
ミーナ以外の生徒から中から変える事はできないのかと聞かれたが、キルスは生徒会が現校長の思想に染まった者達で牛耳られている以上、不可能と断じた。
ルリルラも退学者を増やすなどしてワルジール魔法学校の立場を堕とす必要があると言った。
「今、ここにいる君達には【ギャザー】対策の魔法を掛けさせてもらった。 だが、無理強いはしない。 両親やお金と相談したうえで決めて欲しい」
「私はキルスさん達と一緒に退学をしたいと思います」
「ミーナさんはそれでいいの?」
「はい。 両親にはアリスちゃんが去った後で相談しました。 頃合いを見て退学していいと言ってくれました」
「そうか。 ミーナ君はそれで決定だな。 他のみんなはさっきも言ったようにお金との兼ね合いや両親に相談をした上で決めて欲しい」
今の学校の校風に不満を持つ者の中で、ミーナがやはりキルス達と同様に退学する決意をした。
アリスが去った後ですぐに相談したらしく、退学をしてもいいと言ってくれたそうだ。
これで退学を決意した者は三人に増えた……。
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