第12話 実技授業②
「【インスパイア】!!」
ボクは杖に魔力を集め、さらに精神を集中させた状態で【インスパイア】の魔法を発動させた。
「あっ!」
落雷はちゃんと発生し、的に当てたものの、如何せん威力が高すぎだ。
「うおおっ!?」
「きゃあっ!?」
ドォンという大きな音を立てて落雷したので、トッシュ先生や他の生徒は即座に退避した。
そして、ミスリル製の的はというと……。
「マジかよ……」
「的が消し炭に……」
「【インスパイア】の威力じゃないよ、これは」
クラスメートのざわめきからして、やっぱり消し炭になってしまったようだ。
威力の調整、今後はやっていくべきかなぁ……。
「クレス校長先生から、アリスの魔力の凄さを聞いたが、ここまで凄いとはな」
「すみません……、的を消し炭にしちゃって」
「ああ、気にしないでいい。 ミスリル製の的自体は安いからな。 ただ、もう少し威力を調整した方がいいな」
「ですよね……」
トッシュ先生からも言われる程にやらかした感が強い。
やはり、これからの為に威力を調整しないといけないなぁ。
「アリスさん、ドンマイ」
「まぁ、雷魔法は威力の調整が難しいですし、アリスさん自身に落雷しなかっただけマシですよ」
アンナさんとファナの励ましで、ボクは少し安心する。
しかし……。
「言っておくが、調整が必要と言ったのはあくまでも実技授業ではだ。 1か月後にバトルフェスタが行われるが、そう言った催しでは自重する必要はないぞ」
「「「ええ……」」」
トッシュ先生のこの後の発言で、ボク達はドン引きした。
というか、さりげなくネタバレしてませんか!?
1か月後にバトルフェスタが始まるって……。
「アリスの事情は教師陣にも共有してるのさ。 今後のバトルフェスタのような催しで、実力を発揮させて、ワルジール魔法学校の鼻をへし折ってやろうと言う教師もいるくらいだ」
「うわぁ……」
他の先生達にも、ボクの事情を共有していたのかぁ。
多分、クレス校長なんだろうなと思ったが、ファナの怒りから見て確信に変わった。
「さぁ、次は風の初級魔法【エアシュート】を実演する。 新しい的を用意できたしな。 みんなは離れて見てくれ」
どうやら新しい的が用意されたみたいで、次は風の初級魔法を実演するようだ。
これも精神を集中させて放たないと、風が無差別に巻き起こし、吹き飛ばされたり、女子は下手すればスカートが捲れてしまう奴だ。
トッシュ先生が、離れるように言ったのもその為だろう。
ただ、雷魔法よりは調整しやすいかな?
ストームは範囲魔法だから難しいけど。
トッシュ先生の実演の後、順番にやってみたが、やはり数人は精神にブレがあった模様で、吹き飛ばされなかったが、何回かはスカートが捲れてしまい、スカートを押さえる羽目になった。
男子が申し訳なさそうに顔を赤くして目を反らしていたしね。
ボクも何とか威力の調整にも成功し、的を倒すだけに止める事が出来た。
「よし、次は火属性縛りの模擬戦を行う」
そして、いよいよ火属性縛りだが、模擬戦を行うとトッシュ先生が言った。
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