その11。
前方に渦潮がある。しかも複数の
渦潮である。直径は約100m程
あろうかと言う渦潮が前方にある。
情報が表示された画面から
最適な航路を、導き出す。
そしてタブレットに入力する。
「左舷前ウォータ―ジェット
スラスター
右舷後ろウォータ―ジェット
スラスター起動。
右舷バラストタンク注水。
左舷バラストタンク排水。
左舷魔導ウォータ―ジェット
エンジン全開
右舷魔導ウォータ―ジェット
エンジン停止
面舵45度転舵みんな掴まれ。」
速力約35ノットからの急旋回に
船体は約45度近く傾く。だが
倒れない。それどころかその
巨艦とは思えない旋回性能を、
発揮する。次に
「右舷前ウォータ―ジェット
スラスター
左舷後ろウォータ―ジェット
スラスター起動
右舷バラストタンク排水
左舷バラストタンク注水
右舷魔導ジェットウォータ―
エンジン全開
左舷魔導ジェットウォータ―
エンジン停止
取舵57度転舵」
今度は約30度程船体が傾く。
だが船体は横転はしない。
住民や国王陛下達も呆気に
取られている。何しろまるで
動く小島の様な巨艦を、
まるで自分の手足の様に扱う
信濃宮司に皆が驚愕していた。
森羅万象2号には4つの舵が
ついていてこれが巨艦とは
思えない旋回性能の秘密で
あった。こうして
右左と旋回しながら渦潮群を、
きり抜けたあと速度を、
落としてから自分達がいた
オウキナン島を、
見ると島が沈んで行くのが
見えた。島が沈んで行くのを、
見て住民達は
「森羅万象2号がなかったら
俺たちは海の藻屑になっていた。」
皆がそう思った。国王陛下達は
魔石を、くれた
姥枝下桜の巨木に改めて
「ありがとう。」
心の中で感謝していた。その後
森羅万象2号は目的地の
ハウワイン島に向けて出港した。
目的地までは約3000キロと
思われる。途中迂回する
海域やら海棲魔獣がいる
海域など通る事考えると日数は
約半年はかかるだろう。
だが故郷の島は沈んだ。
もう後戻りはできない。
森羅万象2号は1万人の住民を
乗せて旅立つ。
新天地の島に向けて今
動き出した。
だが先は長いのでどのような
ことが待ち受けているか
信濃宮司にもわからない。
まあ何とかなるさと
目的地をセットして
自動航行システムを起動して
一休みするのであった。
その頃国王陛下は
「長い旅になるのう。
不平不満等が
でなければよいのだが?」
楽天家の信濃宮司と違い
心配性の国王
チュラ・カウント・レイモンドは
悩んでいた。だが王妃の
シンナ・レイナ・レイモンドは
大丈夫ですよと声をかける。
考えすぎかと思う国王であった。




