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【BL】四季島親子は無敵すぎる  作者: LLX


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48/49

48、花火大会の日はソワソワする

翌日、朝ご飯食べてたら、また社長さんから電話がかかってきた。

モデルの話を進めたいから、契約しない? って。


「あー、モデルは受けたいよねー 」


『でしょ? 仕事の依頼は来ると思うから、契約してプロフィール写真を何枚か撮りたいの。

明日、ダンススタジオの後、うちに寄ってくれない? 』


「明日の夜は駄目だなー、花火大会行く約束してるから。彼と! 」


ドンッ


て、パパりんが思わず乱暴にコップを置いた。

顔見ると、ギリギリ歯を剥いている。

キャハハ!


じゃあ今日、午前中来なさいって。青井さんが迎えに来るらしい。

今夜から明日まで忙しいからってさ。


「パパりんも行くからね。保護者だから。事務所には用もあるし。」


「えーー、来なくていいのにぃ。」


ブーブー言ってると、時間はどんどん過ぎてくる。

食洗機に食器入れて、急いで身支度開始!

僕はとっておきのワンピース! だって、僕の初めてのお仕事の入り口だよ?

気合い入れなきゃ!

ピンタックの沢山入った小花柄のコットンに、裾に沢山のレース。

そうなんだよ〜、僕はレースが大好きなんだ。

特にこの、繊細なケミカルレース。

これがあるだけで、グッと高級感出るし、まるで僕までレベルが上がったようで気分が上がるんだ。

下はどうしようかな。

黒のスパッツもいいけど、ドロワーズはいていこう。

パパりんは相変わらずスーツ着て、まるで会社行くみたいな格好で笑った。



事務所行くと、早速契約に際しての書類、決まり事を延々聞かされて、同意にサインして、契約書にサインして、20才以下だからパパりんもサインして、なんだかあっさり終わった。


「写真はカメラマン頼んでるから、もうすぐ来ると思うわ。

写真をプロフページに上げて、それから…… 」


社長さんが言うと、パパりんが手を上げた。


「駄目。駄目です。反対です。

お仕事はツテにして。公式ページに載せるのは許可出来ません。」


「「 えーーーーー! 」」


「なんで?! パパりん関係しか仕事来ないなんて、めっちゃイヤ! 」


「なんと言われても、学校行ってる間は駄目。息子だってバレたら危険だから駄目!

なんで駄目かは社長わかってるでしょ?

以前モデルの子が、通学路で待ち伏せされてストーカー被害に遭ってたじゃない。

今通ってる高校、バスが無いから駄目だよ。」


「え〜〜〜 」


今更それは無いよ、がっかり〜

でも、メグミさん、うんと利用してやれって言ってたなあ。

ここで言うってことは、パパりんも色々考えて、やっぱり駄目って事だろうし。


「もう、仕方ないなあ。いいよ、パパりん関係のお仕事でも、なんでもいいや。

綺麗な服が着られるならなんでもいい。

そうだなぁ、顔かくして写真撮ればいい? 」


ブフッと社長さんが吹いた。

そんなんで仕事来るわけないし。

パパりんが腕組み、うーーーーん、と考える。


「いいよ、顔見えないならいい。」


「やた! じゃあ写真撮ってくる! 」


「困った子ねえ。

塩田! 花買って来て! そうね、ヒマワリの小さめの。

5本くらい。可愛いリボンでまとめて貰ってきて! 」


おお! さすが社長さん気が利く!


「10本! 」パパりんが本数増やしたw


「はーい! はい、はい、10本ね。」


そんなわけで、モデルなのに花でほとんど顔を隠すという前代未聞のプロフ写真撮って、名前は「umi」になった。



その日の夜LINEを開くと、雅史から明日の花火、ちょっと離れたとこに車止めて歩くか、電車で行くか、どっちにする? って連絡来た。

僕は下駄に慣れるために、最近ずっと下駄履いているから、ちょっとくらい歩いて大丈夫かなと思う。

車で行こう!って返事した。

やっぱり、二人っきりになりたいなー


『 会場までは靴を履きなさい。

履き替えた後のバッグは僕が持つから 』


おおおおお! 気遣いの男、ザンジバルがパワー全開してるう!


うん! って書いて、ハートのイラストいっぱい送っといた。

青ざめたうさぎの絵が返ってきたけど。



そうして翌日、

花火大会の日、僕はレッスンお休みしてソワソワして過ごした。

金曜だから、雅史はお仕事がある。

6時に待ち合わせだけど、それまでに、お風呂入って着付けしなきゃ。

とっておきのシャンプー出して、下着はどれにしようかな?

帰りにどこか寄ろうって言っても、きっと帰宅直行だよね。

ほんと雅史ったらイケずぅ〜





時計をチラリと見る。

ああ、3時か、まだ終業まで2時間もある。

机の下で、スマホ取り出してLINE見る。


『 6時ね、楽しみ〜 コンビニの前で待ってるね 』


ふふっ やっぱまだガキだな〜、 花火大会でこんなに喜ぶとか。


はあああ、俺はなんでこんなに胸がキュンキュンするんだ。付き合ってないのに!

え? 俺、心臓? まさか、心筋梗塞では? 

もういいや、一緒に花火見たら死んでもいい。


ああ、きっと綺麗な浴衣姿だろうな。

はっ! 女の子と間違われてナンパされるのでは?

怖いお兄ちゃんに囲まれたらどうしよう。ミカエル様に殺される!


『 家まで迎え行くから待ってて 』


『 ほんと?! うん! お風呂入って、お尻の中まで洗って準備するね! 』


なん、なんだってーーー!


『 お尻の中まで洗わなくてよろしい 』


『 いけずぅ〜 』


ふう、ドキドキするぜ。

襲われないように、人の多いとこ歩かないとな。

抱きつかれたら、俺のが元気になっちゃう。

人様にご迷惑のかからないようにしないと……


「高瀬! 今夜残業いいか? 今夜中に回答しときたい案件があってだな。」


部長が声をかけてきた。

俺は、いつもならニッコリ笑ってもちろん!と言うのだが、うむ、それが処世術だ。


だが、駄目だ。


今日は駄目だ。

俺は、おれは〜〜〜!!


「あ、あの、今夜は…… ちょっと、用が…… ありまして…… 」


「はあ〜〜?? 何言ってんだ。」


「部長! 俺がやります! やらせて下さい! 」


彼女いない歴15年の、吉岡が手を上げてくれた。

こっちに向けて、Vサイン送ってくる。

はああああ〜〜〜 、よ〜し〜お〜か〜〜〜 、お前の査定上げるように申請するよおおお!


「部長、今夜は花火大会ですよ〜、残業無しにしましょうよ。」


隣の課の、柚原君が声を上げた。

柚原ああ! よく言った、今度ごはんおごるから!


「あーー! そうだったな。単身赴任だと、そう言うの忘れちゃうなー 

仕方ないなー、先方にも迷惑になるか。わかった、来週に回すか。」


パチパチパチ

なんか知らんが、拍手が沸き起こった。


は〜〜〜〜〜〜〜〜、良かった。

まあ、残業、俺だけじゃ終わらんよな。部長の案件は。


「彼女とデートでしょ? ずっとコソコソスマホ見てるじゃないですか。」


吉岡がデスクに来ると、耳元にささやいた。

あーバレてる。


「悪い、そうなんだ。ずっと楽しみにしてるようだから、断ると可哀想でね。」


「何言ってるんですか課長、今日は朝からニヤニヤしてますよ。わかりやすいの! 」


「え〜、そうなの? 」


慌てて鏡見る。

あ〜〜〜、堪えても、堪えきれないこのにやけ顔。

マリンが可愛すぎるから〜


そうして、ニヤニヤしている間に終業時間が来て、俺は光の速さで退社すると家へ着替えに帰った。

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