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【BL】四季島親子は無敵すぎる  作者: LLX


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33/35

33、俺はマリンを傷つけていたのか

会社の公示に、9月の人事異動があった。

これは毎年のことで、ずらりと名前が並んでいる。

本人は黙って普通に仕事してるけど、“四季島 海”の名前も埋もれるようにあった。

あー、どっか行くのか。

あれ? でも、出向になってるぞ?


「あれ〜? 」


海? あの人確か、カイって読んだよな。

息子は同じ字でマリンかよ。

母親、遊んでるだろ。

いや、息子にあの父親投影してるな。


まあ、似てるよな。

並んで座ってると、同一人物の20年後って感じだもん。

マリンは気がついてないみたいだけど。

お前がミカエル様ディスるってことは、お前、自分の20年後ディスるのと同じなんだぞ?

って言いたいけど、胸にしまっとく。


休憩時間に自販機コーナー行って、コーヒー飲んでるとポンと肩を叩かれて振り返る。

親会社の同期の高田だ、久しぶりに顔を見た。

結婚したって話聞いたけど、身内だけで式したらしい。

うらやましい、早く家庭持ちたい。

一人暮らしが寂しい。


「よお、久しぶり。」


「あれ? お前までこっち来てるの? 」


「こっちに再就職。希望募ってたから手を上げたんだ。

向こうは業績やばいって話だろ? 

親と子の業績逆転してて、なんか変な感じ。合併も想定してるらしいよ。」


「逆合併か。まあ、変な奴に買収されるよりマシだよな。

結婚したんだって? いいなあ。」


高田は勝ち組かと思ったけど、ちょっと影のある顔で笑ってコーヒー買うと横に並ぶ。

新婚なら、今が一番楽しいと思うんだけどなあ。


「お前、彼女は? いたんだろ? 」


「あ、ああ、いたけど、二股かけられてた。」


笑われるかと思ったら、大きくため息付いてコーヒー飲む。


「女は怖いよなあ。」


あれ?何か元気ない。


「なんかあった? 」


「いや、俺なんか、毎日ほぼ無視されてるからさ、結婚して良かったのかわかんなくなってる。

まあ、家事分担は最初から決めてたけど、彼女思った以上に潔癖症でさ、俺が洗った皿もまた洗い直すんだ。

掃除しても掃除し直すし、もうさ、どうしたらいいのかわかんないんだ。」


涙声になっちゃって、メチャクソ重いこと言ってきたーーー!

マジか、こいつの彼女って、そう言えば会ったこと無かった。

怖いなあ、、 逃げたい

何か言わなきゃ、でも、軽く流すなんて出来ない。

どう返そう。


「でも、でもさ、ちゃんとやってるんだな、家事。お前偉いな。」


「そう言う契約だから。

子供できたら、もっと怖くなりそう〜 

離婚歴多いの、そう言う事だったか〜 早まったなあ。」


うるうるした目で言うなーーーー


俺に助け求められてもさ、  困るんだよお〜


「美人なの? 」


「ゴージャスな美人。

結婚式も自分は何度目で恥ずかしいから、身内だけでって言ってくれたし。

いまどき倹約するんだって感動したのに、カードの支払い限界まで使い切るときもあるし、全然家にいないし、離婚してえ。」


「あー、でもそう言う女、何か別れると、がっぽりむしり取られそうだなー 」


「だからさー、怖くて言い出せない。

付き合ってたとき、どこか資産家の娘さんかと思ったもん。」


「なあ、それって…… 奥さんの家族にはその後会った? 」


怪訝な顔で、2人見合わせる。


「…… 実は、海外にいるとかで、式以来会ってないんだ。」


「まさか、雇われ家族だったりして。」


見る間に、高田が真っ青になって、大きくため息付くとガックリ肩を落とした。


「はああああ、結婚詐欺かな、まさか、引っかかったのかな? 俺…… 」


うわあああ、マジで犯罪か。

結婚には夢持っていたいのに、そんな話持ってくるなよ〜


「で? 俺はいいとして、さ、お前はどうよ? 」


お? 何か落ち直したぞ。きっとどことなくこいつは気がついてたんだなあ。


「いい子、いないのかよ。」


「いい子って言えるか知らんけど、男の娘から言いよられてる。」


「男の子? ショタかよ。」


「違う違う、女の子のカッコした男の子だよ。

俺はノーマルって言ってんのに、全然話聞かないの。迷惑してる。」


「ちぇっ、可愛いんだろ? 」


「それがなあ、そこらの女子より可愛い。」


「ちぇっ、ちぇっ、なんだよ、ごちそうさまかよ。うらやましい奴。」


「うらやましくないだろ、チンチン付いてる女の子だぜ? 

セックスだって入れるとこ、アレだし。じょーだん。」


同意かと思ったら、何か、いやーな顔して睨まれた。


「やな奴だなー、デリカシーが無い。そう言うので恥ずかしいのは相手の方だろ。

お前ズバズバ言うから、もうとっくに嫌われてるのが普通だぞ?

許してくれてるなんて、すげえいい子だろ。お前には勿体ない。」


「えっ? 」


俺は言われて驚いた。

俺はほんとにデリカシーがない。

高校の時の彼女も、ケンカしたわけじゃ無いのに、泣いて逃げていったんだ。


ああ…… 恥ずかしいのって、 そうか。 そう…… だよな。

どっちが恥ずかしいか、ほんとに、マジで考えなかった。


相手の方、だ。そっか、 え?? あれ?? ヤッバ 、、

俺って、凄い、マリン、傷つけたんじゃ…… ね?


博物館の駐車場で、泣いてたマリンの顔がパッと思い浮かんだ。

きっと、傷つけてた。


同性の恋愛なんて考えたこともなかったから、俺は偏見に満ちてた。

あんなに一生懸命で、綺麗に着飾って、俺のためにオシャレしてくれたのに。


しまった、しまった、俺、だからあの時泣かせたんだ。

ごめん、マリン、ごめん。


もっと、もっと優しくするから。

ごめん。

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