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【BL】四季島親子は無敵すぎる  作者: LLX


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25/30

25、週刊誌だ逃げろ!

ガブが駅に向かって歩き始めると、スマホが鳴った。

LINEのメッセージを見て、周囲を見回す。

ホテルの駐車場入り口の影から2人話しながら、チラリとこちらを見て視線を外し、スマホで連絡を取っている。


「こいつか、」


ガブは近づくと、彼に話しかけた。


「週刊誌? 」


「は? どちら様? 」


わかってて、うそぶく男のにやけ顔がムカつく。


「駐車場で張っていたのを見ると、どうも自分たちが出くわしたのは偶然のようだね。」


男のスマホから声が聞こえた。



『 女の子と思ったら、息子さんのようですよ、どうします?

子供は初じゃないですか? とんだスクープですね! 』



「だってさ、お前ら週刊誌じゃん。」


男は、苦い笑いでスマホを切り、バッグを肩に立ち去ろうとする。


「ガブさん、あなたのことは書かないんで。」


「俺のこと書いたって、記事にもならんでしょう。

誰のことなら金になるんだい? 」


「わかってるでしょう?」


「名刺頂戴」


手を出すと、渋々名刺を出した。


「圧力とか、勘弁してくださいよ。」


「やだなあ、一般人守ってるだけだよ? 」


ガブがニッコリ笑うと、渋い顔で歩き出し、またスマホを耳に当てる。

男は、舌打ちながら上司に電話をかけた。


Beエンジェが解散の後、その扱いは非常に繊細だ。

運良く写真を撮っても没になる。

それは別に事務所が強いわけじゃない。

どこかから、圧力がかかるのだ。

引退したミカエルの記事は御法度と、通達が来ている。


それでも以前、家族で小学生の子供の運動会を楽しむ写真を載せたら、顔を消したにもかかわらず、子供は小学校から消え、家は売りに出されて、あっという間に姿を消した。

3回連載予定で勤め先まで突き止めて追いかけるつもりだったのに、1回で終わりだ。

その後、精神的、経済的な苦痛を受けたと賠償問題になり、恐ろしいほどの弁護士の手腕に負けて数千万を請求され、それが認められてしまった。

雑誌は売れたが、儲けはチャラだ。


それでも、運良く見つけたら報道したいのは記者のサガだ。

引退後、どういう生活を送っているのかは誰しも知りたい。

一般人が何だ。


「編集長? ほら、Beエンジェのミカエルですよ、ガブリエルとホテルで会食しているところを見つけたんです。

え? 御法度? いいじゃないですか。記事にしましょうよ。

凄いですよ、可愛くて美人の息子ですよ? 男の子なのに中性っぽさがいいんですよ。

サラブレッドって感じです。

写真? 俺が持ってるのちょっと小さくて。送ります。

あれは映えますよ。とにかく、あとを付けて家を見つけますんで。

いえ! 確か未成年じゃ無いはず。今年3年だと思います。

とにかくですね! とにかく、可愛いんですよ! 」


『 早瀬! 早瀬! 相手は一般人だぞ! もっと慎重にだな! 早瀬! 』 ピッ!


編集長の怒鳴り声が聞こえるが、そんな物より子供だ。

あとを追って家を調べなければ。

次は勤め先だ。現在のミカエルはもちろん、子供の明瞭な写真も欲しい。

男はもう一人の仲間と追うはずだった政治家を止めて、ミカエルへと標的を変えた。




ピルルル ピルルル


「あれ?ガブだ。」


パパりんの電話が鳴って、耳に当てる。

顔色が、サッと変わった。


『 まずい、写真撮られた。

お前達恐らく尾行されてるぞ 』


電話切って、僕の手を握る。

パパりんの声が、怖いほどに低かった。


「走るぞ、マリン。」


グイと手を引いて走り出す。

後ろで、声がいくつもした。



「な、なんで逃げるの? 」


「週刊誌だ。家がバレるとまずいんだ。

張り込まれてゴミも漁られる。窓はカーテンも開けられない。

洗濯物も干せない。外出するたび追いかけられる。家には盗聴器が仕掛けられる。」


「えーーーー!! マジィ?? 」


「マジマジ! やられちゃったもん。あとは引っ越すしか無いー!  」


「やだああ!! 」


ケーキどころじゃない。

僕らは夜の町を駆け抜け、なぜかブティックの表から入ると裏へ逃げ、まるでスパイ映画のように逃げ回った。



町中走り回って、もー、僕の方がグロッキー

パパりん、なんか逃げ慣れてる。

僕、マラソンだめなんだってば! なんでパパりん、そんな体力あるんだよう!


「パパりん、ぱぱ…… ぜは、ぜは、」


「どこかで休ませて頂きましょうかねー 」


はあはあ、 涼しい顔して、言うなーー!! 

何でただのリーマンが、そんなに体力あるんだよ!


ビルの間にサッと入り、警備員さんの通用口に立つ。


なんかのボタンを押して、カメラに向かってなんかささやくと投げキッスした。

えっ?! 投げキッスしたーーー???


「なにやってん…… 」


「しっ、」


ドアが開いて、警備員さんがどうぞと中に入れてくれる。


「助かります。」


「またマスコミですか。オーナーに一応連絡を入れます。」


「ええ、お電話代わります。」


「セラフ…… おっと、坊や、こっちにおいで、きつかっただろう。

トイレは大丈夫かい? ジュースもあるよ。」


「おじさん、大丈夫なの? 勝手に入れて。」


「大丈夫だよ、これはオーナーからも頼まれてるからね。

丁度私の時で良かったよ。」


先にトイレすませてホッとする。

おじさんにペットボトルのお茶もらって、ようやく落ち着いた。

パパりんも隣に座ってずっとスマホでなんか連絡取っている。


「今夜帰らない方がいいだろうって。

どこかに泊まろうか。

ここのオーナーがどうぞって言ってくれたけど、まーちゃんの知ってる人に責任取ってもらおう。」


「え~~、それって~~ 」


あの! 浮気者ーーーー!!

ギリギリ歯を噛みしめて、僕の嫉妬の炎がボーボー

パパりんは住所からマンションを検索すると、意外と近くだよと僕の手を引いた。

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