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【BL】四季島親子は無敵すぎる  作者: LLX


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24/31

24、僕の進む道はなんだろ?

「真島様、お待たせ致しました、ご案内いたします。」


ホテルの人が来て、個室に案内してくれるらしい。

廊下を進み、エレベーターで上がる。

静かで、ただ浮遊感のあるエレベーターが、まるで雲に上がって行くみたいだ。


スウッとドアが開いたとき、正面に待っていた着物姿の上品なママさんみたいな人が、お待ちしておりましたと頭を下げる。


「ホテルって、すごいね。」


ちょっと感動して前を行くパパりんの腕を引っ張ると、あんまり僕がキョロキョロする物だから、手を繋いで引かれていった。

店に入って個室を案内されると、早速ガブさんが、うなぎ特上3つだって。

僕は思わず、うっひゃーって声出た。


「初特上だよ! 楽しみ~! 」


「え〜、特上食ったことないの? 」


「ないない、パパりんドケチだもん。」


「倹約と言いなさい。ケチじゃ無いし。お家も借家じゃ無いし。

パパりんはちゃんと考えて生活して…… 」


「あーはいはい、うっさい、マジウザい。」


クスクス笑って見ていたガブさんが、ふと切り出した。


「ホントそっくりだねー、親子。

まーちゃんは、モデルやる気ないの? 」


その言葉に、ビックリするほどパパリンがざわめいた。


「ガブッ! なんでそんなこと言うのっ! 」


「あー、だって勿体ないじゃん、こんな綺麗な子。」


バッと立ち上がって、僕の手を握って引っ張る。


「帰るよ、まーちゃん! こんな話聞いちゃ駄目! 」


「え? でも…… 」


僕はこんなにパパりんが怒ったの見たこと無い。

ビックリして固まってしまった。


「あー、ごめんごめん、ウソだから落ち着け。

うなぎ食って帰ろ? な? 」


「二度とうちの子、惑わすこと言うな。」


「オーライ、わかったよ。」


「パパりん、なんか怖い…… 」


「ごめんごめん、驚かせちゃったね。まーちゃん。」


ガブさんが誤るけど、ホントはパパりんが悪いんだぞ。

なんか雰囲気悪くなったけど、うなぎが来て、蓋を開けるとニッコリする。

あー帰らなくて良かった。


「ふわっとして、おいしー」


「ここのうなぎ美味いんだよ~、なあ、パパりん。」


「おごりなら美味いね。」


ブスッとして言い捨てる。可愛くないぞ、お礼言えよパパりん!


「ひでえ、ほんと可愛くないなあ。」


「ねー、」


美味しく食べてると、ガブさんとパパりんは食うの早い。

待ってくれる2人に、僕は肝吸い吸うと思いきって切り出した。


「でも、モデルになると綺麗な服がいろいろ着れるよね。」


「またその話、駄目だよ。早く食べなさい。」


「でもね、僕は洋服関係の仕事したいんだよ、パパりん。」


パパりんが、渋~い顔になる。


「モデルなんて、太れないし肌荒れも出来ない、好きなものも我慢しなきゃならない。

綺麗な身体を維持するの、大変なんだぞ。簡単に考えちゃ駄目。」


「わかってるよ~、別にモデルって言ってないもん。

僕、低身長だし、なれるわけないじゃん。

ガブさん、洋服関係のバイトあるかな? 」


「ああ、夏休みか。知り合いに聞いてもいいけど、保護者がなんて言うかなあ。」


パパりんが、僕の顔見て百面相みたいに表情動かす。

ぷふっと吹き出すのガマンして最後の一切れ食う。

むぐむぐ、超美味かった。

自分の金でこんなの食えるようになりたい。


「いいけど~~、顔出しNG、仕事内容の明示、信用おけるところかどうか。

それから考える。」


「きっつ~、大変だね~、この人の息子やるの。」


「でっしょ? じゃあお願いね? 時期は学校始まってからでもいいよ。

うちの学校、バイトオッケーだから。

お腹いっぱい、ごちそうさま~」


パンッと手を合わせる。

LINE交換して、駅に向かうガブさんと別れて、すっかり夜の町をパパりんと歩く。


「まーちゃん、課長とケンカしたの? 」


「違うよ、パパりん脅したでしょ。

LINEに返事来なくなったんだよ、どうしてくれるの? 」


「え~~~、あのくらいで? こっちが勇気出したんだよ?

そっかー、じゃあ会社で聞いてみるね。」


「お詫びにベルフェのケーキとゼリーを要求する! 」


「わかったよ、買って帰ろう。

でも、今日はカロリーオーバーだから明日食べるんだよ。」


「え~、カロリーオーバーなんて、初めて聞くなー 」


「ママは昔モデルしてたからね、食べに行く度にカロリーの話だったよ。

それほど大変なんだよ。」


は~~、そっか、何の仕事でも大変なんだ。


「モデルになりたいって言ったらどうする? 」


パパりんは、なぜか遠くを見て歩いてる。

立ち止まって、僕を見ると手を伸ばす。

もう手を繋ぐ年じゃ無いけど、やっぱりまた、手を繋いで歩き出した。


「有名な○○さんの息子って、良く見るじゃない。

歌手とかスポーツとか。」


「うん、見るね、特にスポーツなんか。

子供は別人なのに、同じように期待されて大変だなあって思う。」


「うん、息子ってだけで、期待されて沢山仕事が来る。

どこに行っても自分の名前じゃ無くて、○○さんの息子と言われる。

仕事が来ても、だんだん自分のことがね、自分の価値が……

周りが見えなくなるときが来る。見失うことがあるんだって。」


「うん、」


「芸能の世界は、怖いことがいっぱいあるってママが言ってたんだ。

パパりんはだから、ずっと側にいてやれないから、

だから、きっと、まーちゃんより、きっと怖いんだ。」


「うん、そっか。うん、わかるよ。

パパりんは、普通を大事にしてるから、わかるよ。」


「パパりんは、まーちゃんが大事だから。

でも、だからって、まーちゃんを大事に箱に入れておくのも駄目だってわかってる。

だからね、ちゃんと応援したいから、本当にやりたいこと見つけて欲しい。」


「うん、」


ふふっと、何かむずがゆくて、深刻な話なのに笑みが出る。

優しいんだから、ほんと。

自分のことより周りを大事にする人だからって、ママがよく言ってたな。

だから、僕もママも大好きなんだよ、ねえパパりん。

最近、僕のこと、ちゃんと見てくれる。気にしてくれる。

それが嬉しくて、繋ぐ手の汗も気にならなかった。


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