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【BL】四季島親子は無敵すぎる  作者: LLX


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20/33

20、サラブレッドでした

母親の都合で事実上離婚ってことは、子供にはちゃんと説明した方がいいと思う。

俺は思いきって切り出した。


「なんで子供にだけ秘密にするんです?

そう言うのがマリンを余計孤独にしちゃったと思うんですけど? 」


「 は? マリン? 」


「ま、マリンさん 」


「孤独とは、聞き捨てなりません。

常に寄り添っているから、ウザいと嫌われているのです。うっ、 

彼女は一番つらい時を寄り添ってくれました。私は彼女の夫として、彼女の願いを聞き入れたのです。

いずれこの事は、息子に話します。」


「せめて、1度くらい会えばいいのに。息子さん寂しそうでしたよ。」


「なかなか帰国出来ないので、仕方ありません。

声を聞くと悲しくなるので、息子とは一切電話も無く、会わないようにしています。

今、フランスにいます。

日本に帰ることがあったら、再婚しようと言っています。」


「じゃあ、うちの会社は? 」


「社長がご夫婦で元スペシャルファンクラブNO.1と2の方です。

私の引退後、倒れかけた事務所の親会社になって、健全な経営で二次的にも支えてくださいます。

ただ、社長が後ろ盾になるというので、すでに偽名を使うのはやめました。

ずっと私をご自分の会社で雇ってくださっています。

支店を点々として、今の本社は一番長く勤めています。」


「それで…… 畑違いのプロダクションが子会社なのか。

マリン、さんも、だから友達がいないって言ってたんですね。」


「子供には辛かったと思います。

親の都合でかなり無理を強いることになりました。

ここのマスターはスペシャルのNO.17です。

スペシャルは会費がかなり高額ですが、スポンサーの一人で登録され、年に2度お礼のパーティを開き、コンサートで用意されたうちの好きな席が選べるというので、お忙しいお金持ちの方に大変好評でした。

今でもつながりがあるのは、スペシャルの方が多いです。

エグゼクティブの方は口が堅く、有事にも相談しやすいのでとても頼りになります。

頼るとなぜか、皆様大変お喜びになります。見返りも要求された事はありません。」


うちの社長…… あの、おっさんが…… スペシャル、NO.1か……


金持ち優遇は昔からあるんだなあ、


「私は、今もこうして一部の熱狂的なファンの方とはつながりを残しています。

事実上の引退はしましたが、実はまだ事務所に名前だけは残して、印税の管理をお任せしています。

連休で遊びに行けなかったのは、アンダーでいつもお世話になる方を集めて、時折密かに小さなリサイタルを開くからです。

仲間内で集まって練習のような活動は年中やってます。」


「リサイタル?? 」


「ええ、スペシャルの方で別荘を提供してくださるので、昔の仲間がその時だけ集まるのです。

他の皆はプロで活動していますし、ドラムはベースの知人が来てくれます。

泊まりがけなので、息子には社内旅行だと告げています。」


「音楽関係の知人か…… 」


「ええ、イギリスのアンダーバレルと言うグループのアーロン・アッカーソン、通称AAです。」


ご、豪華だな~~


「奥さんの、モ…… デルって? 」


「川上あのんです。」


ガーーーーーン


あのウルトラ可愛い、年齢不詳の美魔女じゃん! スーパーモデルじゃん!

なんだよ! そのサラブレッドは!


マリルー、ただのガキじゃなかった……


「だからですね。

私の頭には、むさ苦しい男になるのは、あなたの方しか浮かばないのです。」


「 はい 」


ブーメランかよ…… 帰りたい……


「ですが、息子はあなたとの花火を楽しみにしている。

恋をしているんです。

私はそれを、ぶち壊そうかとも思いましたが、流れは二人にまかせようと思ったわけです。

ところがあなたはいつまでも、うちの息子を色眼鏡で見ている。

ですので、いったんフェアにしようと思い、この状況に至りました。」


「はい、申し訳ありません。」


つかフェアじゃ無いです。俺はミジンコです。


「あなたの素性はすでに報告が来ています。

ご両親は、ニコニコファームを県南でご経営。

お父様は市議会議員も兼務。

お兄様ご夫婦が後継ぎ。

お姉様は業界で有名なカリスマ美容師。

ただ、経営者の方とトラブルになり退職、現在は叔母の経営している美容院をお手伝い。

でも、彼女はソロでやっていけますね。

現在は息抜きみたいなものでしょうか。

あなたはS大卒、23でマンションを30年ローンで購入。

現在の親会社に就職、上司に気に入られトントンと出世して、なぜか突然出向。

お疲れ様です。

ですが、うちの会社と親会社は、業績がほぼ逆転していますので嘆く必要はありません。」


「え、調べさせたんですか? 」


「申し訳ないですが、スペシャル会員は私を案じて、常に何か変化がありましたら下調べをして連絡をくれますので。

勝手にLINEはあなたの情報でひしめいています。」


怖いだろ!

ヤクザよりタチ悪い!


「この話は、ご家族にも漏らさないようにお願いします。

もし漏らしたときは、弁護士に言ってすぐに訴えますので。

会社を辞めて、息子と一緒にまた引っ越さねばなりません。

その慰謝料を請求します。認められると、かなり高額になります。

過去、無視した方もいらっしゃいましたが、財産の差し押さえを行わせていただきました。

深酒にはご注意ください。」


「まさか、その弁護士…… 」


「スペシャルです。私のためなら死に物狂いになってくださいます。怖いほどです。」


こわいっ!!


もう酒なんて飲めないっ!!


「も、もしかして、マリンと別れることにした場合、何か制裁が? 」


ギロリと、天使なのに魔王のように恐ろしい視線が降ってきた。


「呼び捨ては早い! マリンさん! で,お願いします。」


申しわけありません、俺はミジンコです。


「は、はい、マリンさんでした。すいません、浅はかでした。」


「わかりません。でも、一例を言うと…… 」


あるのかよ!


「以前、私が行きつけの小さなスーパーで、ご老人のカートがぶつかり、うっかり持っていた卵を落としてしまって…… 大変な事をしたと、掃除してくれる店員さんに平謝りしたんですが。

通路が狭くて、仕方ないことなんです。でも、」


「はあ、」まさか、その店潰したとかじゃないよな。


「そのスーパー、翌月には大手に買収されて、売り場面積が5倍にアップしました。」


はいはいはい! そうですか!! 


怖い、怖い、俺いつか、海に浮くんじゃないだろうな。


誰か助けて!!


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