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アース・レフュジーズ  作者: てんじゅ
セイギノミカタ
3/4

セイギノミカタ-3

「やれやれ、 下らない事を言ってないでさっさと入れれば良いんだよ」

イチが文句を言いながら家に入っていくのを、 猿が苦笑しながら見送った。

そしてアリスの方に向き直る。

「さぁ、 遠慮せずにどうぞ」

ところがアリスは下を向いたままの格好から動かない。

それどころか肩にかけていたボストンバックを地面に下ろした。

「どうかした……?」

「やっと、 やっとたどり着いた」

アリスは呟くように言った。

そしてそのまま猿の方に倒れてしまった。

「おっと」

猿が腕で抱えるように受け止める。

「おーい、 大丈夫かー」

アリスからの返事は無い。

代わりに返って来たのは、 すやすやというアリスの寝息だけだった。

「おい、 どうしたんだい?」

異変を感じ取ったのか、 イチが顔を覗かせた。

「寝ちまったよ」

猿は肩をすくめて答える。

「昔よりは良くなったとはいえ、 宇宙で育った人間には重力は辛かったんだろう」

「やれやれ、 さっさと運んでやんな」

「……ちったぁ手伝ってくれよ」

「客人に手伝わせんじゃないよ。 とっとと茶でも出しな」

イチはそう言いながら鼻で笑うと首を引っ込めた。

「やれやれ」

猿はため息をつきながら片方の肩にアリスを乗せ、 反対側にボストンバックをかけて家に入っていった。






「正義の味方の娘、 ねぇ」

アリスをソファーに寝かせ、 猿はイチから話を聞いていた。

「ああ、 確かにそう言ってたよ。 本当かどうかは知らないけどね」

「ンでもって、 正義の味方は死んだと……」

「らしいねぇ」

イチはアリスの向かいのソファーに座りながら、 猿は近くに椅子を置いておいてその背もたれに持たれながら、 懐かしむように上を見上げた。

「あれからもう10年かぁ……」

「早いものだねぇ」

「まったくだ。こんな所にいる俺達のほうが早く死ぬと思っていたんだが、 人間解らないもんだ」

猿がため息をつきながらいうと、 二人は無言になった。

「で、 この子はどうするんだい?」

「どうするも何もイチが連れてきたんだろうが……」

「お前さんの客だろう、 むしろ連れてきてもらった事を感謝しな」

「……まぁおっさんに任せるよ。同じ宇宙の人間のほうがいいだろう」

「はん、 人任せかい?」

「同じ家に住んでるんだから完全に任せる訳じゃないさ」

猿はそういいながら席を立ち、 奥の部屋へ向かう

「どうだか……」

イチは鼻で笑いながらそれを見送った。

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